この星の格闘技を追いかける

【World NO GI 2019】ミドル級でカナダの超新星ダンテ・リオンが優勝。無差別制覇はウゴ!!

【写真】(C) PANCRASE

12日(木・現地時間)から15日(日・同)にかけて、カリフォルニア州カリフォルニア州アナハイムのアナハイム・コンベションセンター・アリーナで行われたIBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権。レビュー最終回はミドル級より上の重量級をレポートしたい。


【ミドル級】
今年のADCC世界大会でルーカス・レプリに完勝して一躍名を挙げたダンテ・リオンと、同じGTチームのチームメイトのジェイミー・カヌートが決勝進出。両者はあえてクローズアウトではなく戦って世界王者を決めることを選んだ。

試合は得意のバタフライガードからカヌートの体を引き寄せたリオンが、シットアップしてボディロックにつないでのテイクダウンで先制。その後上攻めに転じたリオンは、ニースライスからマウントを奪うとすぐに腕十字に移行する。左腕を完全に伸ばされるどころか、逆方向にねじ曲げられたカヌートだが、執念でスピンして脱出した。

その後リオンはカヌートのテイクダウンをギロチンで切り返し、場外逃避を誘って2点を追加。終盤はカヌートのテイクダウンにあえて抵抗せずに2点を献上したものの、下から守り切って試合終了。上からも下からも強さを見せつけたリオンが、初優勝を決めた。ADCC世界大会での活躍に次ぎ、ノーギワールズも制したリオン。本年度のグラップリング界最大のブレイクアウト・スターといえるだろう。

【ミディアムヘビー級】
今年のグランドスラムLA大会で、マルコス・ティノコを倒して優勝する等、最近頭角を現しているマニュエル・ヒバマーが、決勝でガブリエル・オリヴェイラと対戦。序盤はバック狙いからのトラックポジションを奪って攻め込んだヒバマーは、後半に50/50ポジションから上を取ってポイントを奪い、嬉しい初優勝を果たした。

【ヘビー級】
優勝候補のムリーロ・サンタナが初戦でフィリッピ・トロヴォにペナルティ差で破れる波乱が起きたこの階級。準決勝でそのトロヴォを僅差で倒したアダム・ワルジンスキと、準決勝でサンタナの弟子のディヴォンテ・ジョンソンに反則勝ち(スタンドの攻防でエキサイトしたジョンソンが、ブレイク後にソウザの胸を押したため)を収めたジャクソン・ソウザのチェックマット勢がクローズアウトを果たした。

【スーパーヘビー級】
今年のADCC世界大会で準優勝者のヴィニシウス・フェレイラが、13年の本大会で準優勝のエリオット・ケリーと決勝で対戦。序盤に内回りからケリーの股間に入り込んでのスイープで先制したフェレイラは、残り20秒のところでオープンガードを効かせるケリーの右足を一瞬でエスティマロックに捕え、一本勝ち。黒帯としては初優勝のフェレイラだが、15、16年の紫帯、17、18年の茶帯の部も制しているので、この大会5年連続優勝の快挙達成となった。

【ウルトラヘビー級】
この大会を4度制覇しているサイボーグことホベルト・アブレウがラファエル・ロバトJrの黒帯ジェームズ・プオポロと決勝で対決。ダブルレッグと二度の支え釣り込み足で合計3度のテイクダウンと、一度のバックテイクで圧倒した上、最後はキムラロックで極めて貫禄の優勝を果たした。

【無差別級】
階級別=ウルトラヘビー級では準決勝にてサイボーグことホベルト・アブレウ相手に僅差で敗退したヴィクトー・ウゴ。ヒベイロ兄弟の弟子にして、『レ・ミゼラブル』の著者である19世紀フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーとまったく同じ綴りの姓名を持つ22歳のこの若者は、この無差別級の準々決勝にてスーパーヘビー級覇者であるヴィニシウス・フェレイラに競り勝ち、準決勝も勝利して決勝進出。決勝にてサイボーグとの雪辱戦を実現させた。

階級別における試合では上から戦ったウゴは、今回は先に引き込んで下に。シッティングからサイボーグの左足に両足を絡めて崩すと、その左足を脇に挟んでのヒザ十字。なんと1分足らずでタップを奪って初優勝を果たした。

■リザルト

【ミドル級】
優勝 ダンテ・リオン(カナダ)
準優勝 ジェイミー・カヌート(ブラジル)
3位 フィリッピ・セザー(ブラジル)、ジェファーソン・グアレシ(ブラジル)

【ミディアムヘビー級】
優勝 マニュエル・ヒバマー(ブラジル)
準優勝 ガブリエル・アウメイダ(ブラジル)
3位 マシアス・ルナ(ブラジル)、ハファエル・パガニーニ(ブラジル)

【ヘビー級】
優勝 アダム・ワルジンスキ(ポーランド)
準優勝 ジャクソン・ソウザ(ブラジル)
3位 フィリッピ・トラヴォ(ブラジル)
※決勝は両者戦わずにクローズアウト
※もう一人の準決勝進出者のディヴォンテ・ジョンソンは反則失格により入賞取り消し

【スーパーヘビー級】
優勝 ヴィニシウス・フェレイラ(ブラジル)
準優勝 エリオット・ケリー(米国)
3位 フレドッリック・ヴォスグロン(英国)、マルセーロ・オリヴェイラ(ブラジル)

【ウルトラヘビー級】
優勝 ホベルト・アブレウ(ブラジル)
準優勝 ジェームズ・プオポロ(米国)
3位 フェリナンド・ヒーバス(ブラジル)、ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

【無差別級】
優勝 ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)
準優勝 ホベルト・アブレウ(ブラジル)
3位 マルセーロ・オリヴェイラ(ブラジル)

PR
PR

関連記事

Movie