【Grachan42 X Gladiator011】押して、押して、抑えて、殴る。長岡弘樹、チョープに根性勝利
【写真】この試合で15分を戦い切れる。ウェルター級専念は大正解だ(C)MMAPLANET
22日(日)に東京都大田区の大田区産業プラザPIO開催されたGRACHAN42✖GLADIATOR011。両プロモーションにとってベストイベントという声も挙った同大会の模様──ここでは長岡弘樹✖ウィル・チョープ=Grandウェルター級王座決定戦を振り返りたい。
<Grandウェルター級王座挑戦者決定戦/5分3R>
長岡弘樹(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ウィル・チョープ(米国)
ジャブを応酬から、すぐにシングルレッグでケージにチョープを押し込んだ長岡。チョープの右側に頭を差し込み、ダブルレッグで一気にテイクダウンを奪う。
バタフライスイープを耐えた長岡は、ここから左足を抜こうとチョープの右ヒザを押していく。懸命に足をきかせようとするチョープとの根性マッチが、静かにスタートを切る。
長岡が足を抜いても、チョープは戻してクローズドへ。殴ってオープンになるや、長岡がまたヒザを越さしていく。ならばとチョープもバタフライに戻すものの、この間背中をマットにつけた状態が続いている。
体を起こし、立ち上がったチョープをダブルレッグから抱え上げた長岡が豪快にスラムで2度目のテイクダウン。ハーフと戻すという力のこもった攻防が再び続き、初回は長岡が取った。
2R、左ジャブから両足をつけて飛び込んだ長岡が、チョープをケージに押し込んだテイクダウンを決める。足首を掴んで持ち上げ、腰を上げた状態で足を抜きにかかる長岡──に対し、チョープがキムラを仕掛ける。腕を抜いて担ぎパスに出た長倉、チョープはシングルから立ち上がる。
初めてケージに長岡を押し込んだチョープだが、シングル&ダックアンダーでバックを取られる。長岡は胸を合わせるや、すぐに低く踏み込んでダブルへ。チョープは粘ることができず簡単に下に。
ここで背中を譲って立ち上がるようになると、一気に試合は長岡の流れとなるが、チョープも粘ってシングルで立ち上がる。
さらにダブルでケージに押し込んだチョープだが、ローシングルの態勢に入られると、背中に乗りきれずガードの態勢に。気落ちが折れ始めたか、背中をベタッとキャンバスにつけた状態でラウンドを終えたチョープは2Rも失った。
最終回、右を当てたチョープがバックに回り、得意の体勢に。ワンフックから背中に飛び乗っていくが、長岡が振り落とす。それでも右腕を差したままトップを取りにいったチョープは奈良ぐらいのシングルを切ってがぶる。長岡はここでも右手で左足をとり、左手はオーバーハンドのまま頭をケージに詰まったチョープのおしつけ、腰をあげてリバーサルを決める。
表情にも諦めの感情が浮かんだと思われたチョープだったが、ここもシングルから立ち上がって意地を見せる。それでも長岡がシングルで上を取り切り、チョープは背中をつけてハーフガードに。
いよいよチョープも観念したかと思いきや、スクランブルに持ち込み長岡のシングルをスイッチで切り返し、サイドバックに。パンチを落としながらバックに回ったチョープは、とうとうバックグラブを完成させる。今度は長岡が耐える番だ。
必死に頭を上方にもっていき、手首を掴んでRCNをセットアップさせない長岡を右手一本で絞めていくチョープ。
長岡は仰向けからうつ伏せを選択し、腰を上げるやチョープを前方に振り落としていく。シングルで立ち上がったチョープだが、がぶられると引き込んでしまい──勝負あり。直後に試合終了を迎え、働き蟻ファイトをやり切った長岡が3-0の判定勝ちを収め、GRANDウェルター級王座挑戦権を獲得した。
押して、押して、抑える。やるべきことを15分やり抜いた長岡の根性勝ちだった。