【SEA Games】ONEファイター=イニオン、比シューター=サクレッグがオルシムに続き、金メダル獲得
【写真】SEA Games閉会式でのフィリピン・キックボクシング代表(C)GINA INIONG
10日(火・現地時間)、フィリピン・ルソン島の16の都市で開催中のSEA Games(Southeast Asian Games=東南アジア競技大会)2019 PHのキックボクシングでチーム・ラカイ勢が3階級制覇を達成した。
メトロマニラ・パサイのクネタ・アストロームで4日間に渡り行われてきたキックボクシング、3日目の9日(月・同)に69キロ級でジェリー・オルシムが優勝したのに続き、最終日にはジーナ・イニオンとジアン・クラウド・サクレッグが金メダルを獲得している。
イニオンは55キロ級決勝でタイのミンクワン・アチャチャヤと対戦し、MMAで鍛えられたフィジカルの強さを見せサイドキックからパンチをまとめ、鋭い右ストレートを打ち込む。この試合は散打の試合場が使用されたため、詰められたアチャチャヤが場外に転落しないよう何度もブレイクが入るが、中間距離から接近戦及び真正面で向き合う打撃オンリーの試合でイニオンはアチャチャヤに対し手数、精度で上回り続けラカイ勢2人の金メダリストとなった。
キック最終試合となった63.5キロの決勝=2分3Rは、リングで行われサクレッグはONE Super Seriesに出場し、鈴木博昭とも対戦経験のあるマレーシア人選手=モハメド・ビン・マムードと東南アジアの頂点の座を賭けて戦った。マムードを相手にサクレッグは鋭い踏み込みからの左ロー、そして右オーバーハンドをヒットさせるなどパンチで優位に立つ。さらにサイドキックから組みつくよう形で距離を詰め、胸を合わせた状態で手を広げて「クリンチしていない」とアピールする。散打やMMAの動きをいかしつつ、相手の距離を潰すという巧妙さをも披露すてうた。
スピニングバックキックでマムードを突き放し、左リードに右ストレートを打ち込むなど終始安定した試合を見せたサクレッグに対し、マニラの観客は最後の10秒を大きな声でカウントダウンで後押しタイムアップに。SEA Gamesに初めて採用されたキックボクシングでチーム・ラカイに3つ目となる金メダルをもたらした。