この星の格闘技を追いかける

【SEA Games】コンバットサンボにカタラン、キックにラカイ勢らMMAファイターが大挙参戦

SEA Games【写真】カタラン、サクレッグ、イニオン──MMA的にはフィリピンMMA界の錚々たるメンバーがアマチュア競技会に参加することになる(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)より12月11日(水・同)までフィリピン・ルソン島の16の都市で開かれるSEA Games(Southeast Asian Games=東南アジア競技大会)2019 PHの各種コンバットスポーツに、フィリピン代表として多くのMMAファイターの名前が見られる。

SEAゲームスはある意味、メダルの取れる競技を東南アジア内で争いあうことで参加国にとっては五輪は当然として、アジアン・ゲームスより大切な競技会といえる。そんな国家の威信を賭けて競い合われる大会のホスト国として、絶対に負けられない戦いに挑むフィリピンの格闘競技にMMAファイターの名前が並ぶことは当然かもしれない。


フィリピンのMMAファイターのベームはムエタイか散打が多い。そんななか11月のマニラ大会でONE世界ストロー級王座に挑戦し、散打世界王者の肩書を持つレネ・カタランが、最もMMAに近いスタイルといえるコンバットサンボの57キロ級に出場する。カタランは昨年のジャカルタ大会で同級を制しており、2連覇を賭けてSEAゲームスに挑むことになっている。

(C)ONE

(C)ONE

同じコンバットサンボには世田谷育ちのMMAファイター、PXCやONEで戦っていたマーク・ストリーグルも74キロ級にエントリー。今年の4月にURCCで清水俊一と対戦し急所攻撃でノーコンテストとなって以来、MMAでは試合をしていなストリーグルが総合力で東南アジア・コンバットサンボの頂点に立つ可能性は消して低くないだろう。

OlsimフィリピーノMMAファイターの名前が最もよく見られるのが、キックボクシングだ。63.5キロ級には散打の世界王者からMMAに転じ、修斗で大きなインパクトを残したジアン・クラウド・サクレッグ、ONEウォリアーシリーズで4連勝後に日本で工藤諒司に敗れたジェリー・オルシムが69キロ級、さらにONE女子アトム級で活躍中のジーナ・イニオンが女子55キロ級──最強チームラカイ勢3人の名前が見られる。

この他キックボクシング部門では60キロ級にPXCからBrave CFに参戦中のレックス・デララも出場。ココに上げた4選手はローキック有りのキックボクシングで、ロー無しのフルコンタクト・キックボクシングにはレネの実弟でONEファイターのルエル・カタランが61キロ級で戦う。

この他、オルシムの妹で同じくウォリアーシリーズと契約しているジェネリン・オルシム──今年のムエタイ東アジア選手権で優勝、世界大会で2位になっている──はムエタイの女子54キロ級の優勝候補だ。

またMMAファイターではないが、フィリピンのブラジリアン柔術界の大御所ジョン・バイロンは寝技のない柔道=ウズベキスタンの国技クラッシュの81キロ級のエントリーリストにその名が確認されている。

日本の属する東アジアでも東アジア競技会が日本、中国、韓国、北朝鮮、香港、マカオ、モンゴル、台湾、グアムなどが参加し開催されていた時期もあるが、中国・韓国・日本のトップスリーが目指すところは五輪であり、トップ選手の出場はなく実施競技もコンバットスポーツは柔道、空手道、テコンドー、レスリング、太極拳とほぼ五輪競技に準じていた。

コンバットスポーツと国家プロジェクトのアマチュア競技会がよりリンクするフィリピン、彼らの成長の陰にはこのようなお国事情も関係しているのかもしれない。

PR
PR

関連記事

Movie