【UFC244】ワンダーボーイ=トンプソンが、ルケの前進力を蹴り破り3-0の判定勝ち
<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
Def.3-0:30-26.30-26.29-28
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
サイド&ワイドスタンスのトンプソンにローを蹴るルケが、ステップインしワンツーを放つ。トンプソンもローを蹴り、サイドキックを繰り出す。スイッチを織り交ぜるトンプソンにルケは右を当てる。左に回り、一気に距離を詰めて蹴り、離れてルケの前進にジャブをトンプソンが合わせようとする。右を被弾したルケは、ワンツーで距離をつめ右ストレートに続き、ケージに詰まったトンプソンに左フックをヒットさせる。回るトンプソンを追いかけて、パンチをまとめたルケがヒザ蹴りへ。
距離を取り直したトンプソンも右を当てたが、ルケは飛び込むように右ミドルを入れる。足で回ることも、捌くことも忘れたように近いレンジでパンチを打ち合うトンプソンだが、こうなるとルケが優位となった終盤だった。
2R、トンプソンが右サイドキックを蹴り、ルケが右ミドルを2発返す。ルケの前進に被せるような左フックをいれたトンプソンは、飛び込んでジャブ、ステップインに左ストレートを放ち、左ハイにつなげる。ルケは怯むことなく前に出て右ストレート、トンプソンも近距離でパンチのコンビを見せる。オクタゴン中央での攻防が多くなり、トンプソンの左ハイドキックでルケが後方に倒れる。立ち上がったルケの前進に右を当てたトンプソンはケージを背負ったルケの左を被弾しながらも後回し蹴りから左ストレート、構えを変えてパンチ、蹴りを打ち込む。
左目の周囲を赤く染めたルケも左フック、右ストレートで反撃に出るが、トンプソンはサイドキックで突き放し、再び前進に右を合わせようとする。ルケは右ミドルで攻めるも、そこにもカウンターを合わせたトンプソンは右を当て、ケージに詰まったルケにパンチをまとめる。ルケは左を返し、試合は金網際を離れる。蹴り、パンチの応酬で確実にリードしたトンプソンがラウンドを取った。
最終回、右サイドキックをボディに入れたトンプソンは、ルケの前進にカウンターを狙いつつ、スイッチしてジャブで迎撃状態に。ルケの前進をサークリングでかわしたトンプソンは右のサイドキックで再び、ルケを崩すと立ち上がった直後に左を打ち込みダウンを奪う。シングルに出たルケを切ったトンプソンは、パウンドを落としてスタンドに戻ると、ボディからワンツー、サイドキックとラッシュをかけるわけでなく、多彩な攻撃をルケに繰り返す。
動きが止まり、ケージに下がったルケにサイドキック、ハイキックを繰り出したトンプソンは、ここでも仕留めに掛かることなく自らが優位なリズムを続ける。そのリズムを崩そうと再び前に出るようになったルケに対し、トンプソンが左右のフック、サークリングからステップインしワンツー、さらに左右のハイキックにワンツーと攻撃を繰り返す。手が出ないルケに後回し蹴り、ハイキック、ミドルとパンチの届かない距離をキープしたトンプソンが間合いをコントロールし、タイムアップに。
3-0の判定勝ちを手にしたワンダーボーイは「このスポーツは最もハードだ。倒そうと思って、倒せるものじゃない。でも良い試合ができたと思う」と勝利を振り返った。