【UFC244】最後まで続いた主導権争い……評価の難しい試合でティルがガステラムにスプリット判定勝利
<ミドル級/5分3R>
ダレン・ティル(英国)
Def.2-1:30-27.29-28.27-30
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ミドル級転向初戦のティルは、ガステラムより一回りほど大きく見える。試合はすぐにクリンチの攻防となり、互いに1度ずつケージに押し込んでから離れる。サウスポー同士、ガステラムの右ジャブの飛び込みに組みついたティルだが逆にケージに押し込まれる。2度、3度と体を入れ替える両者、さらに4度のポジションチェンジが見られ、ガステラムが離れる。右ローを蹴り合うと、ティルが左ストレートを伸ばす。ワンツーで前に出るガステラム、左ローを入れたティルがクリンチでエルボーを狙う。互いに慎重な姿勢を持ち続けた初回、最後にティルが左ストレートをヒットさせた。
2R、プレッシャーを高めたガステラムに鋭いローを入れるティルが、右ジャブ、左ストレートを打ち込む。急所を気にしながら、試合を続けたティルは目視戦が続く中、飛び込んで左をヒット。ガステラムはロー以上の攻撃がなく、距離を詰めたところで左ヒザを腹に受ける。クリンチで左エルボーを入れたガステラムだが、ティルはアイポークがあったとアピール。すぐに再開を要求したティルにガステラムがケージに押し込む。左を差して倒れないティルは、体を入れ替えようとし離れた。
ガステラムが局面の打開を図るため、オーソに構える場面も。それでも打撃の間合いはティルが支配し、ガステラムがダブルレッグを狙う。切ったティルは左ストレート。局面、局面をティルがモノにし、大局として捉えると試合を優位に進めているような展開が続いた。
最終回、右ローを入れたガステラムは、左ミドルをキャッチされ左ストレートを打たれる。ショートフックに組んだガステラムはボディロックも、テイクダウンを取れない。離れた直後に左を当てたティルが左に回る。左ストレート、スピニングエルボー、ショートのワンツーとダメージでなく、流れで攻勢を続けるティルは再び蹴りをキャッチする。テイクダウンを取った形になったティルだが、スタンドをキープしガステラムの攻撃を封じていく。
パンチを徹底してもらわなかったティルは、残り1分で初めてテイクダウンを許す。バックを預けながら立ち上がったティルが胸を合わせると、ガステラムは自ら離れ、最後の15秒でもう一度テイクダウンを決める。すぐにスクランブルで試合はスタンドに戻り、タイムアップに。主導権の握り合いに周囲し、ティルが最後のテイクダウンまで主導権を握った試合は、30-27.29-28.27-30とジャッジの評価も割れ、ティルが判定勝ちを手にした。