【Invicta FC38】世界戦→ノンタイトルになった激戦で、王者ヴェネッサ・ポルトがカリーナ・ロドリゲスに競り勝つ
<126.2ポンド契約/5分3R>
ヴェネッサ・ポルト(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
カリーナ・ロドリゲス(メキシコ)
ロドリゲスの体重オーバーで、Invicta FC世界フライ級選手権試合からキャッチウェイトのノンタイトルマッチとなった一戦。鋭い左ジャブを放つロドリゲスのローに、ポルトが右を合わせる。右を当て、続いて左もヒットさせたポルトはシングルレッグからダブルに移行してテイクダウンを奪う。寝技にこだわらずスタンドに戻ったポルトだが、ロドリゲスの左ジャブを被弾する。シングルレッグで2度目のテイクダウンを奪ったポルトが、ロドリゲスの立ち上がり際にパンチをまとめていく。
ロドリゲスも左ジャブは精度が高いが、蹴りをキャッチされてまたもテイクダウンを許してしまう。直接サイドで抑えたポルトはスクランブルでロドリゲスのシングルを潰し、ボディロックで後方にスラム、サイドで抑える。ポルトは立たせてはテイクダウンを取るという流れで、完全に初回を取った。
2R、左ミドルを入れたポルトが左リードフックを振るい、右ストレート、さらに右ボディストレートを決める。ロドリゲスはジャブを返すが、左目の周囲が腫れてきているか。ポルトのテイクダウン狙いを止めてヒザをロドリゲスが突き上げる。離れたポルトのワンツーにも、ロドリゲスはヒザからワンツーとスタンドで攻勢に出る。ポルトはテイクダウンの仕掛けがなくなり、口も開き気味になってきた。
ロドリゲスはワンツーをクリーンヒットさせ、リーチの差が生かしたパンチで攻勢を握るように。ポルトも前蹴りの打ち終わりに右を伸ばし、テンカオに右フックを合わせる。残り20秒でダブルレッグからドライブしシングルのポルト、ロドリゲスは引き込んで足関節を狙う。ポルトが足を抜いて離れたところで2Rが終了し、ロドリゲスがラウンドを取り返したか。
最終回、まずポルトが左インローを蹴る。ワンツーからスリー、フォーとパンチをまとめたロドリゲスが、右ストレートをヒットさせる。直後のクリンチもロドリゲスは左手でウィザード、右腕を差し替えして耐える。離れたポルトは右フックに組みついてテイクダウン狙いも、ロドリゲスが上に。すぐに背中を見せつつ、前方にロドリゲスを落としたポルトがトップを取る。スクランブルでバックを譲って立ち上がったポルトが、胸を合わせて離れる。
右ロー、左ジャブを当てるロドリゲスは左フックから右ストレートを決めると、ポルトの動きが止まる。ここでパンチをまとめたロドリゲスが、ポルトが捨て身のように組んでダブルレッグを成功。続くスクランブルでバックを制しながら、ポルトは自ら離れる。組みにヒザを打ちつけたロドリゲスは、ダブルレッグを切ってヒザ、続いて右ストレートを入れてタイムアップに。
試合終了と同時に、ポルトの方を抱いたロドリゲスが何やら言葉をかけた。初回はポルト、2Rと3Rはロドリゲス。結果、ジャッジ3者とも29-28でポルトが判定勝ちに──2Rもポルトのラウンドとなったということだろうか……。「彼女は計量をミスしたけど、強い選手であることは変わりない。そしては私のゴールは試合に勝つことだった」と勝者は語った。
体重オーバーは認められず、またその勝利を他の試合と平等に扱うことは好ましくないが、この試合はロドリゲスが勝っているように見えたのも事実だ。