【ONE97】ジェイムス・ナカシマ戦へ、背水の陣──岡見勇信─02─「彼は強い。出し尽くすしかないです」
【写真】自分を出し切り、試合後にこの笑顔を見せることができるか──岡見勇信(C)MMAPLANET
8月2日（金・現地時間）、フィリピン・マニラのMOAアリーナで開催されるONE97「Dawn of Heroes」で、ジェイムス・ナカシマと対戦する岡見勇信インタビュー後編。
ONE初白星を目指す岡見をAbema TVのドキュメンタリー・プログラムTHE WONDERが追った。MMAPLANETでは同番組内でアバソフ戦、ジェイムス・ナカシマ戦に特化したインタビューを行い、ここでは再発見できた自分と、対戦相手ナカシマの印象など岡見の心境をお届けしたい。
＜岡見勇信インタビューPart.01はコチラから＞
──勇信と呼んでくれる存在は大切ですね。
「久しぶりに磯野さんに会った時に『岡見』って呼ばれてショックだったんです。それがだんだんと勇信に代わってきて。磯野さんに岡見って呼ばれるのは凄く違和感がありました（笑）」
──今の練習仲間から勇信と呼ばれることなんてないですよね。
「誰も言わないです。僕が一番の先輩みたいなもんですからね、今では」
──良い意味で後輩の前では恰好をつけないといけないじゃないですか。対して磯野さんには素でいられる、心の安定を求めたところはありますか。
「それは間違いなくあるんじゃないでしょうか。頼りたい──ではないですけど。磯野さんとやっていた時期は、頼り切りだったこともありますし。何か困ると、すぐに助言を求めていました。そういう部分は絶対にありますね。
とにかく、やり尽くしたい。後悔したくないという想いがあって磯野さんともう一度やろう……やりたいというのが、お願いした経緯です」
──終わるまでにもう一度という気持ちはありましたか。
「最後という考えはそんなに持ってはいなかったです。でも、それもあるかもしれないです。結果が全てですから、最後ということをどこかで考えている部分はあるでしょうね」
──それでも合っているのか不安になるということですか。
「それは自分の考えですね。自分の考えが先に来るので。だから磯野さんに尋ねることができる。すると色々と指摘してもらえるので、アジャストできています。一つ一つ練習でチャレンジしながら、自信を……自信はもともとあるんですけど、試合になると怖いから。そこは試合までに自信を持てるようにします」
──試合が怖いのか、結果が出ないことが怖いのか。どちらでしょうか。
「自分の実力を出せないで終わることが一番怖いです。出し切れば結果はついてくる。そこに関しては自信があります。それは皆、そうかもしれないですけど。そこに磯野さんに練習を見てもらう。頂道場に行って寝技の練習をするという部分も加味されて。錆びついていた部分があったことが痛感しました。
先ほど指摘されたようにジャカルタの試合でテイクダウンを奪ったあと、どうにも自分のバランス感覚が全く取れていないというのが凄くあって。あの感覚が残っていたのが、純粋な寝技をやった時に錆びついていること実感できたので。そうですね、やり直そうと思いましたね」
──そういうなかでジェイムス・ナカシマと戦います。どのような印象を持っていますか。
「強いです。いやぁ、やりづらい選手を当ててくれたと思います。ただし僕も中途半端な選手を当てられるより、勝って評価される選手と戦いたかったので。彼は……強いですよ。良い選手ですね。突出して強い武器があるわけではないですけど、純粋にMMAという動きができて、気持ちも強いしスタミナもあります。強いでしょうね」
──派手なタイプではないです。だからこそ厄介ではないかと。
「厄介……まさに厄介です。そういった意味でもどうなるのかっていうのは、勝てば自分への自信が深まると思うし、負けたらそこまで選手というのが、はっきりと分かるでしょうし……絶妙な相手を当ててくれたと思います」
──磯野さんが居てくれると、相手の解析に関してもこれまでとは違うのではないでしょうか。
「凄く色々と分析してくれて、スパーリングを見てもらいながら話をしてきました。ジェイムス・ナカシマという選手を等身大でしっかりと見ることができています。だから自分のやるべきことをやれば……う~ん、こんなこと言っていても分からないですよね。やってみなきゃ。アハハハハ」
──その通りですね。岡見選手とナカシマのスタイルマッチアップとすれば打撃戦だろうが、クリンチだろうが、グラウンドだろうが、気持ち勝負かと。
「出し尽くすしかないです。見合っているんじゃなくて、前に出て。ただ仕掛けるにしても、自分の良さを出す。おかげさまで練習に関しては、順調にやるべきことができてきたので、自分のフィジカル的なモノに関しては、問題なく戦えます。ジェイムス・ナカシマを圧倒できるのかどうか。圧倒できなくて、接戦を演じているようだと厳しい。
彼と接戦を演じてしまうと、彼の強さが出ます。だから圧倒するような形にもっていかないと。出し合っているようだと厳しいと感じます」
──岡見選手の言われていることは、本当に分かります。根気比べですね。本当にもう岡見選手にやってもらうだけです。
「やり切りたいです」
──お願いします。
「ねぇ、本当に。本当に頑張らなきゃ」
──引き込もうが、何だろうが岡見勇信を見せてください。
「分かっています」
