【写真】これだけの強さを見せたメンデスだが、次戦で優勝した新星マテウス・ガブリエルに4-6で敗れる(C)SATOSHI NARITA

5月30日（木・現地時間）から6月2日（日・現地時間）にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。競技柔術世界一を決定するこのムンジアル・レビュー第9回は、フェザー級に出場した大塚博明（フィジカルスペース）の戦いを報告したい。

＜フェザー級1回戦／10分1R＞
ジョアオ・メンデス（ブラジル）
Def. by 16-0
大塚博明（日本）

パン大会で完敗を喫したアトスの強豪メンデスとの雪辱戦を迎えた大塚は、両者同時に座った状態からメンデスが引き込むと、下にこだわらずに上を受け入れ、アドバンテージを得る。立って足を捌こうとする大塚の右足にデラヒーバで絡んだメンデスは、その右足を掴んで後ろに崩して上になり、2点を先制した。

大塚は下になりながらもメンデスの左足に50/50で絡むが、メンデスはすかさず反応して足の絡みを解除。それでも左足を掴んで離さない大塚は、左足を抱えたままシッティングガードにゆくが、メンデスは巧みに体重をかけて大塚の上半身を潰してハーフの上になると、そのままニースライスへ。左足を抜いてパスに成功し、5-0とリードを広げた。

大塚は下から動いて再び左足に絡むと、ディープハーフから崩しにゆくが、メンデスは巧みな体重移動でかわし、再び左足を抜いてパスに成功。大塚は3分間で8点差をつけられてしまった。

そこから大塚が動くと、メンデスはすかさずバックを狙ってアドバンテージを追加する。ここで大塚は体をずらして正対することに成功。メンデスのクローズドガードの中に入った。ガードを開けたい大塚だが、メンデスは下から強烈に大塚の体を引きつけて、三角絞めの仕掛け。これで大塚の体勢を崩すと上になり、10点差とした。

下になった大塚は足を絡めて50/50を作る。一度は背中を付けてダブルガード状態を作ったメンデスは、やがて立ち上がると、左足に絡む大塚の仕掛けを巧みな体重移動で対処していった。

結局、その後も試合を支配したメンデスが、ニースライスパスとトレアナパスを一度ずつ決めて16-0で勝利。上からも下からも大塚を制し、パン大会に続いて世界の壁の厚さを見せつけた。

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