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【WJJC2019】無差別級は2年連続のクローズアウトも、ブシェシャがウルトラヘビー級で最強を証明

Ultora Heavy【写真】無差別級のクローズアウトは拍子抜け──も、ウルトラヘビー級で最強競技柔術家を証明したブシェシャ(C)MMAPLANET

5月30日(木・現地時間)から6月2日(日・現地時間)にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。競技柔術世界一を決定するこのムンジアル・レビュー最終回は、最重量級ウルトラヘビー級と無差別級の戦いを紹介したい。


ムンジアル4連覇中の最強競技柔術家ブシェシャことマーカス・アウメイダ(チェックマット)と、そのブシェシャを2月のプロ大会 BJJ Stars で下し、KASAI PROでは0-1で敗れながら、ヒールフックで最強ノーギ柔術家ゴードン・ライアンを長期欠場に追い込んでいるジョアオ・ガブリエル・ホシャ(ソウルファイターズ)の頂上決戦が期待されたウルトラヘビー級──だったが、ホシャが直前で欠場に。

順当に勝ち上がったブシェシャを決勝の舞台で待っていたのは、これまたブシェシャとは因縁深いベテランのヒカルド・エヴァンゲリスタ(GFチーム)だった。

2012年から現在まで、2015年を除き全ての年の世界大会階級別と無差別級の両方を制しているブシェシャ(昨年の無差別は決勝戦を戦わずに友人のレアンドロ・ロに譲る形のクローズアウト)。その2015年の無差別級でブシェシャを倒した男が、エヴァンゲリスタなのだ。この試合で左ヒザを負傷したブシェシャは、翌日の階級別の試合だけでなく、その後一年間にわたる欠場を余儀なくされたのだった。

その後見事に復活し、再び世界3連覇を果たした29歳のブシェシャと、35歳ながら世界の第一線で戦い続けているエヴァンゲリスタの因縁の再戦が、今年の世界大会決勝の舞台で実現した。

01<ウルトラヘビー級決勝/10分1R>
マーカス・アウメイダ(ブラジル)
Def.8分32秒 by 弓矢絞め
ヒカルド・エヴァンゲリスタ(ブラジル)

02試合開始後、右足を前に出すエヴァンゲリスタに対し、ブシェシャは片ヒザを付きながら飛び込むと、右手でエヴァンゲリスタのニータップから襟を捕まえ豪快にテイクダウン。そのままドライブしてエヴァンゲリスタの巨体を問答無用になぎ倒してみせた。

次の瞬間クローズドガードを取ったエヴァンゲリスタだが、ブシェシャはすぐに立ち上がって右ヒザを入れながらエヴァンゲリスタのガードを開けると、すぐにニースライスへ。ヒザを抜かれかけたエヴァンゲリスタだが、なんとかスクートして立ち上がり、この暴風雨のような先制攻撃を2点の失点で凌いでみせた。

03スタンド再開後、ブシェシャは左腕でエヴァンゲリスタの襟を取ると、またしても飛び込む。今度は右腕でエヴァンゲリスタの左足を抱えたブシェシャは、そのまま体重を浴びせてまたもやテイクダウンに成功。必死で距離を取ろうとするエヴァンゲリスタの左足を体重をかけて潰すと、そのまま雪崩の如くマウントを奪取。テイクダウンの2点、パスガードの3点、マウントの4点を加えて試合開始からわずか1分半にして、あっという間に11-0とリードした。

04さらにそこからエゼキエル(袖車)を狙いにゆくブシェシャだが、エヴァンゲリスタは両腕を張って隙間を作り、両足を入れてシッティングに戻す。それでも上半身を預けてゆくブシェシャだが、エヴァンゲリスタは両足でブシェシャの巨体を一瞬浮かせて前に崩して隙間を作ると、両足をブシェシャの左足に絡めて起死回生のアキレス腱固めに。

横向きで背中を沿ってかなりキツく入ったかのように見えたが、ブシェシャは回転して絞めを緩め、下になりながら右足でエヴァンゲリスタの内腿を蹴って距離を取って回避した。この攻防でエヴァンゲリスタが2点を返した。

05その後オープンガードを用いて距離を取り、スタンドに試合を戻したブシェシャは、さらに2度シングルレッグでテイクダウンを奪う。そしてレッグドラッグでサイドを奪うと、バックから弓矢絞め。18-2から残り1分半でタップを奪い、最重量級4連覇を果たした。

4年前に敗れたエヴァンゲリスタに完勝したブシェシャ。テイクダウンにさらに磨きがかかるなど、長年頂点に君臨していながらも、さらに進化を続けていることは特筆に値する。来年、ジョアオ・ガブリエル・ホシャが復活して、頂上対決が再び実現することを期待したい。

なお、初日に準決勝まで行われた無差別級では、前半ブロックの準々決勝において、ブシェシャ対(翌日ミディアムヘビー級を制する)フィリッピ・ペナ(グレイシー・バッハ)の注目の一戦が実現。左右の足に絡んでスピンするペナのオープンガードに2度スイープを許したものの、その度に上を取り返し、ポイント4-4のレフェリー判定を制して辛勝。その後も順当に勝ち上がり決勝に進出した。

後半のブロックでは、準々決勝で(翌日スーパーヘビー級を制する)ニコラス・メレガリ(アリアンシ)と、アトスを離脱したキーナン・コーネリアス(BJJグローブトロッターズ)の注目の一戦が実現。両者引き込みから上を選択したメレガリにバックを取られかけながらも、その猛攻を凌いだコーネリアスは、ラペルとお互いの足を絡めて回転して上を取り2点先制。その後メレガリの下からの猛攻をひたすら耐えたコーネリアスが、何と合計10ものアドバンテージ献上しながらも2点を守り抜き、準決勝に進出した。

コーネリアスは、続く準決勝でレアンドロ・ロ(Nsブラザーフッド)と対戦。手の内を知り尽くした両者は、お互いのスイープ狙いを防ぎ合う展開となり0-0のレフェリー判定に。スイープからシングルレッグのつなぎでテイクダウンを取りかける場面を何度か作ったロの勝利が告げられた。なお、この2試合の激闘でワキ腹を負傷したコーネリアスは、翌日の階級別を欠場することとなった。

大会最終日の最後を飾るはずだった無差別級決勝戦は、昨年同様ブシェシャとロの組み合わせに。ここは昨年ブシェシャに優勝を譲ってもらったロが、今回はそのお返し。二年連続で両者は戦わず、ブシェシャが優勝、ロが準優勝という形でクローズアウトしたのだった。

■ウルトラヘビー級&無差別級リザルト
【ウルトラヘビー級】
優勝 マーカス・アウメイダ(ブラジル)
準優勝 ヒカルド・エヴァンゲリスタ(ブラジル)
3位 マックス・ドス・サントス(ブラジル)、フィリッピ・ベゼーラ(ブラジル)

【無差別級】
優勝 マーカス・アウメイダ(ブラジル)
準優勝 レアンドロ・ロ(ブラジル)
3位 フィリッピ・アンドリュー(ブラジル)、キーナン・コーネリアス(米国)

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