【Pancrase305】2年1カ月振りの出場で、福島秀和と対戦する春日井たけし「今は戦わない理由がないです」
【写真】なんだか顔つきも変わってきたようにも見える春日井 (C)MMAPLANET
明日26日(日)、東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase305。同大会で春日井たけしが福島秀和と対戦する。
勝ち続けても届かなかったUFC。目標を失った状態で戦い、バンタム級に再転向後も含めホームのHEATで連敗、パンクラスは負傷欠場と厳しい時期を過ごしていた。そんな春日井が3月のHEATで清水俊一を28秒で破り、2年1カ月振りにデカゴンに上がる。
「本当に少しだけ人間になれた」という春日井が、今の彼自身を語った。
──3月のHEAT、清水俊一選手との試合前にMMAを続けられるかどうかが決まる試合と言っていましたが、ギロチンで秒殺一本勝ちを収めました。
「負けたらダメな試合でした。だから勝てて良かったのです。ただあれはタマタマ、ガチっと入っただけなので。だから、大切なのはこの試合ですね」
──UFCという目標を失い、戦い続けるモチベーションも失っていた時期もありました。あの頃と比較して今の精神状況は?
「今はメンタル的に落ち着いています。戦うことに迷いはあまりないです」
──それがパンクラスで再び戦うということに結びついたのでしょうか。
「パンクラスに限らずHEATもそうですが、もうどこで戦いたいとか言わないことにしました。勝ち進めば、見えてくる。と同時に1試合、1試合が引退試合だと思っているので。どこで戦うのも、どの試合も同じモチベーションで戦います」
──そのモチベーションが戻ったと?
「戻ったというか……真っすぐ前だけ見て生きてきたのが、紆余曲折ありました。そして、気持ちがブレた時期があったのですが、紆余曲折あっても真っすぐ歩ける。そんな気持ちになれました。もう吹っ切れています。将来の不安とかも含めて。だから精神的に落ち着いています」
──そのようななかで戦う福島選手。派手なイメージは一切ないですが、しっかりとした実力者です。
「本当に力のある選手だと思います。コレという武器はなくても、満遍なくキレーな形で五角形が揃っている」
──五角形(笑)。レーダーチャートですね。
「五角形じゃないですか?(笑) あのスピード、パワー、技術、精神力とかのグラフですね。あれを福島選手に当てはまると、でこぼこが少なくてキレーだと思います」
──ところで日本拳法の稽古は続けられているのでしょうか。気持ちが落ち着いて、離れるということはないかと。
「続けています。ただし、防具をつけて打っていると首を持っていかれてしまうので、防具なしで稽古を続けさせてもらっています」
──その成果のほどは感じていますか。
「距離とタイミングを学んで……日本拳法の動きを取り入れるようになってから、力を抜くことができるようになりました。ただガードが下がってしまっているので、(日沖)発さんにも『たけし、ガードが下がっている』という指摘をされますね。だからMMAとしては危険なこともあります。やはりガードが下がっているから、パンチを被弾するわけで」
──今回の試合に向けて日沖選手と練習をしてきたのですね。
「発さんとは最低でも週に3日は練習しています」
──いよいよ春日井たけしが戻ってきたという感じがします。
「ハイ。気持ちがブレていたときも、別に体力がなくなったり、選手として限界が来ていたわけではないですし。そういうことになっていたら、引退していたと思います。そんなこともなく、気持ちも戻った。だったら……今は戦わない理由がないです」
──以前はエキセントリックなほど思い詰めてMMAをやっていた春日井選手が、一度気持ちが弾けた。そしてまた戻ってきたら、なんだか良い具合に落ち着いていますね。
「前より落ち着いています。余計な負荷を自分に掛けないようになりました。以前はこうしないとダメ、ああしないとダメという感じで決めつけていたので。そういうのはもう十分にやってきたし、考え方が変わりました。
以前は練習のスケジュールが上手く消化できないと、本当に引っ掛かって引きずっていたのが、今は切り替えられるようにもなりました。ジムでの指導に急遽、代わりに入らないといけない時なんかも、以前は自分の練習ができないってことで気持ちが入っていなかったと思います。でも、今は別の時間に違う調整もできるし、自分をコントロールできるようになりました。
練習時間はどうしても以前より減ったと思います。でも集中してできていますし、厳しいことをやらないわけでもないので、スタミナも過去最高になっています」
──以前の狂人じみたところも魅力的だったのですが、ようやく普通の人と話している気分です。
「アハハハ。客観的に物事を見られるようになり、ちょっとだけ人間になれたと思います。少しだけ、本当に少しだけです」
──社会人になったような感のある春日井選手ですが、あの祖根寿麻選手との酷いやりとりは続けてほしいです。
「そこは続けます。彼は子供ですから、僕が相手をしてあげないと可哀そうなので。あの子は2カ月に一度、磁場が狂うような生理的現象があるようで(笑)。僕も大変ですけど、相手をしてあげないといけないです」
──互いのディスりあいも名物となっているなか、明日の試合への意気込みを最後にお願いします。
「もうやってきたことを出すだけです。それだけです。勝つのを前提でお客さんが熱くなれる試合をしたいです。魅せる試合をしてお客さんをわかしても、負けたらプロでもなんでもない。勝って、魅せたい……皆が熱くなれる試合をします」
■Pancrase305 計量結果
<フェザーKOPT/5分5R>
[正規王者]ナザレノ・マレガリエ: 65.8キロ
[暫定王者]ISAO: 65.7キロ
<フライ級/5分3R>
マモル: 56.7キロ
小川徹: 56.95キロ
<フェザー級/5分3R>
田村一聖: 65.55キロ
摩嶋一整: 65.95キロ
<ウェルター級/3分3R>
近藤有己: 76.4キロ
郷野聡寛: 77.1キロ
<バンタム級/5分3R>
福島秀和: 61.35キロ
春日井たけし: 61.55キロ
<バンタム級/5分3R>
大橋悠一: 61.25キロ
ディションバイ・ベキトベック: 61.4キロ
<バンタム級5分3R>
米山千隼: 61.5キロ
JOEY BOY: 61.65キロ
<フェザー級/3分3R>
杉山和史: 66.15キロ
川那子祐輔: 66.05キロ
<ストロー級/3分3R>
宮澤雄大: 52.55キロ
リトル: 52.4キロ
<バンタム級/3分3R>
坂野周平: 61.4キロ
花レメ紋次郎TK: 61.1キロ
<ライト級/3分3R>
友實竜也: 70.7キロ
山本雄希: キ70.25ロ
<フェザー級/3分3R>
渡辺謙明: 65.45キロ
加藤泰貴: 65.75キロ
<バンタム級/3分3R>
前田浩平: 61.4キロ
宮川峻: 61.45キロ
<バンタム級/3分3R>
工藤修久: 61.7キロ→61.5キロ
関原翔: 61.3キロ
<バンタム級/3分3R>
後藤丈治: 61.4キロ
聖王DATE: 61.25キロ
<ネオブラッドTフェザー級1回戦/3分3R>
齋藤拓矢: 65.5キロ
葛西和希: 66.05キロ
<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
永井佑虎: 61.4キロ
平岡将英: 61.55キロ
<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
山本敦章: 60.9キロ
上野惇平: 61.1キロ
<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
赤崎清志朗: 57.1キロ
下田洋介: 55.95キロ
<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
猿飛流: 56.9キロ
三澤陽平: 56.95キロ