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【Pancrase305】デカゴン2戦目で国際戦に臨む、米山千隼「UFCを目指すなら一番強い王者がいるところで」

Chihaya Yoneyama【写真】デカゴンでどのような実績を残していけるか。7勝1敗1分の23歳(C)MMAPLANET

26日(日)、東京都江東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase305でGrachanから昨年12月にパンクラスに転じた米山千隼が、デカゴン2戦目でグアムのJOEY BOYと国際戦を戦う。

米山は180センチ近い長身で、その長いリーチを武器にスクランブルに強く、パウンドの勢いもあるファイトを展開する。まだまだパンクラスファンにもその存在が知られていない米山千隼とはどのようなファイターなのか、計量直後に初インタビューを試みた。


──パンクラス2戦目で5分✖3R制、そして国際戦を戦う米山選手です。グラチャンで元バンタム級王者の中村謙作選手に勝ち、王座挑戦も見えていた状態で昨年12月にパンクラスに転じました。なぜ、あのタイミングでグラチャンを離れたのでしょうか。

「グラチャンではバンタム級チャンピオンが堀(友彦)さんで、僕がこれから戦う相手は堀さんか手塚(基伸)選手のどちからという状態でした。そのなかで堀さんが手塚選手の挑戦を受けて勝ったので、タイトルに挑戦するなら相手が堀さんになる。ただ、堀さんはもともとマルワジムの渡辺会長の練習仲間で、日曜日のプロ練習で定期的に練習をさせていただいていたんです。

正直、僕はMMAを戦っているプロだし、試合が決まれば練習仲間でもお世話になった人でも戦うつもりです。ただ、ジムのなかで話し合いを持ち、ここで堀さんと戦うという流れになるなら、もともと将来的には他の場所で戦っていくつもりだったので、僕が目指しているところに行くためにもパンクラスで戦うという方針になったんです」

──米山選手はグラチャンの岩崎代表の一押しだったので、タイトル戦は組みたかったでしょうね。

「チャンピオンが堀さんでなかったら挑戦していただろうし、グラチャンのチャンピオンになってからステップアップを果たしたいと思っていました。そこが早まった形ですね。

岩崎さんにもこの気持ちを伝えた時に『頑張ってくれ。どこまで行っても引退試合はグラチャンでやってね』と言っていただけて、本当に有難かったです」

──昨年来グラチャンからはパンクラス、修斗、DEEPに出向く選手が増えました。そのなかで米山選手は、なぜパンクラスを選択したのでしょうか。

「あの時はまだONEとパンクラスの提携という話もなかったですし……。僕が目指しているのは本当にUFCなんです。UFCを目指すなら、日本で一番強いバンタム級チャンピオンがいるところで戦いたい。それがパンクラスでした。当時は石渡(伸太郎)選手がベルトを返上する以前だったのですが、石渡選手を目指すことで先が見えてくる。そう思っていたんです。僕が強いと思うチャンピオンがいたのが、パンクラスだったんです」

──そのパンクラスで2戦目にして国際戦を戦います。ここも期待の表れかと思います。

「う~ん、僕は回りがどのように自分を評価してくれているのか分からないです。あまり強くないと思っている人もいれば、力以上に評価してくれている人もいるはずです。どちらの意見の聞こえてくるのですが、それも余り気にしていないです。ただ、ここで勝てば次はランカーと戦わせてもらえるかもしれない。僕の中では考えているので、絶対に負けられないです」

Yoneyama vs JOEY BOY──まだまだ米山選手のことを知らないファンが多いと思います。バンタム級でありながら180センチ近い長身で、リーチもコンパスも長い。そんな肉体的特徴を生かして戦うのが米山選手の武器かと思いますが、自身の試合でどのようなところをファンに見てほしいと思っていますか。

「実は運動の経験がほとんどない状態でマルワジム横浜に入門して、その時は格闘技ができるような体ではなかったんです。体重も55キロぐらいしかないところから、ジムで練習して体を創りました。だから無理してバンタム級の体を創っているわけでなく、今もバンタムでもナチュラルに近くて」

──そうなのですかっ!!

「なので身長に体がついて行っている状態なので、そこは武器だと思います。無理な減量をしていないから、一番の武器がスタミナだと思います。だから1Rでフィニッシュする自信もありますが、そうならなくても最終ラウンドまで集中力を失わずに戦えます。そういうところを見てほしいです」

──同門の坂野周平選手が、Rebel FCでバンタム級王者になりながらも今回は3分✖3R出場。とはいえマルワジム勢揃い踏みです。

「彼とは同い年で、少し向こうが入門が早かったのですが、ずっと一緒にやってきたので、どっちがどういう順番で出ようが気にしていないです。プロを目指そうと思ったのも同じ時期で、常に一緒に練習してきました。互いに相手のことを一番分かっているし、だからこそ一番負けたくない人間です。

同じジムで一緒にやってきたけど、試合をする必要があるならやる。そういう距離感で練習できています。慣れ合いでないですし、本当に良い関係を築けています」

──本当の意味で良きライバルということですね。では、明日のJOEY BOY戦はどのように戦いたいと思っていますか。

「2試合ほどDEEPでの試合映像を見ました。試合開始直後はスピードと勢いがあるので、そこは注意が必要です。半面、後半になると動きが落ちていきます。1Rの後半になれば僕にチャンスが来ると思います。最初に我慢の展開が来たとして、そこを我慢できれば1Rの後半から2R、3Rでフィニッシュを狙っていければと思っています」

■Pancrase305 計量結果

<フェザーKOPT/5分5R>
[正規王者]ナザレノ・マレガリエ: 65.8キロ
[暫定王者]ISAO: 65.7キロ

<フライ級/5分3R>
マモル: 56.7キロ
小川徹: 56.95キロ

<フェザー級/5分3R>
田村一聖: 65.55キロ
摩嶋一整: 65.95キロ

<ウェルター級/3分3R>
近藤有己: 76.4キロ
郷野聡寛: 77.1キロ

<バンタム級/5分3R>
福島秀和: 61.35キロ
春日井たけし: 61.55キロ

<バンタム級/5分3R>
大橋悠一: 61.25キロ
ディションバイ・ベキトベック: 61.4キロ

<バンタム級5分3R>
米山千隼: 61.5キロ
JOEY BOY: 61.65キロ

<フェザー級/3分3R>
杉山和史: 66.15キロ
川那子祐輔: 66.05キロ

<ストロー級/3分3R>
宮澤雄大: 52.55キロ
リトル: 52.4キロ

<バンタム級/3分3R>
坂野周平: 61.4キロ
花レメ紋次郎TK: 61.1キロ

<ライト級/3分3R>
友實竜也: 70.7キロ
山本雄希: キ70.25ロ

<フェザー級/3分3R>
渡辺謙明: 65.45キロ
加藤泰貴: 65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
前田浩平: 61.4キロ
宮川峻: 61.45キロ

<バンタム級/3分3R>
工藤修久: 61.7キロ→61.5キロ
関原翔: 61.3キロ

<バンタム級/3分3R>
後藤丈治: 61.4キロ
聖王DATE: 61.25キロ

<ネオブラッドTフェザー級1回戦/3分3R>
齋藤拓矢: 65.5キロ
葛西和希: 66.05キロ

<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
永井佑虎: 61.4キロ
平岡将英: 61.55キロ

<ネオブラッドTバンタム級準決勝/3分3R>
山本敦章: 60.9キロ
上野惇平: 61.1キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
赤崎清志朗: 57.1キロ
下田洋介: 55.95キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/3分3R>
猿飛流: 56.9キロ
三澤陽平: 56.95キロ

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