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【UFC234】あぁ無情、ハニ・ヤヒーラが現代MMAの申し子=シモンの付き合わないファイトに完敗

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
Def.3-0:30-25.30-27.30-27
ハニ・ヤヒーラ(ブラジル)

体重の残った右ローから、ハイを狙ったヤヒーラ。前に出てワンツーを繰り出すシモンに、ヤヒーラもパンチを返す。右ハイから組み、引き込んだヤヒーラに対し、シモンは寝技には付き合わない。立ち上がったヤヒーラが振り回すような右フックを放ち、左ジャブを当てる。シモンは右アッパーを突き上げ、右クロス、さらに左ボディフックとしっかりと間合いを測って攻撃する。

対してヤヒーラは非常に遠い距離からテイクダウンを仕掛け、目標を失う。それでも立ち上がってパンチを当てたヤヒーラだったが、逆にシモンの右オーバーハンドを受けてダウン。立ち上がったヤヒーラは左フックを打たれ、後方にバランスを崩すも何とか持ち直す。スピニングバックフィストをかわしてバックに回ったシモンはヤヒーラの前転をすかし、グラウンドへは行かない。その後もシモンは左ボディフックを当て、テイクダウンを切ってスタンドで待ち受ける。

噛み合うファイトのシモンが、相手に付き合わない試合を続けダブルレッグでテイクダウンを奪うと、直後に立ち上がる。ワンツーに続き右ハイを放つなど、シモンがヤヒーラを圧倒した初回が終わった。

2R、何とか組みたいヤヒーラが細かいパンチの連打で前に出ると、シモンがダブルレッグを合わせ、テイクダウンを奪ってから離れる。スタンドに戻ると右を当てたシモンは、左ミドルを受けても続くパンチをかわし、シングルレッグは体を捻って足抜いて防御。打つ手のないヤヒーラがパンチで前に出ると、またもダブルですくわれて尻餅をつかされる。

抑えないシモンがスタンドにも戻ると右アッパーに右オーバーハンドを合わされ腰が落ちる。距離を取るシモンを追いかけて、左を当てたヤヒーラだったが、ここで体ごとぶつかるようなシモンの動きで肩が当たり後方に倒れる。片ヒザをマットに着き、抑えず立たずという位置で回復に努めたシモンは、スタンドに戻ると左ボディフックを打ち込む。

ヤヒーラはパンチを当てたいあまりに重心が高くなり、簡単にテイクダウンを許す。片ヒザをついたシモンの顔面を蹴り上げた反則はレフェリーが見落としたが、最後はハーフで固められ試合は最終回に。

組んですぐに引き込んだヤヒーラのハイガードに、頭を抜いたシモンが立ち上がる。ヒザ蹴り、左ミドルハイ、そして右フックとテイクダウンのためでない打撃を繰り出すヤヒーラが、右フックをヒットさせる。続くテイクダウン狙いを切ったシモンは、足首を掴んでパンチを落とし、アームドラッグにはステップバック。仕方なしにスタンドに戻ったヤヒーラは、フックを打ち合いシングルは切られる。

シモンはがぶってから立ち上がり、疲れたヤヒーラにパンチを連打する。ヤヒーラのワンツーの直後にニータップでテイクダウン。残り時間も少なくガードの中にステイすることを選択したシモンが、エルボーから鉄槌を当て、立ち上がってから飛び込むようにパウンドを振り下ろす。

アピールも含め、現代MMAにおける勝利の方程式を徹底して実践したシモンがスクランブル合戦と対極にある付き合わないファイトが実は表裏一体であることを見せつけ、ヤヒーラから3‐0の判定勝ちを手にした。


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