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【ONE86】1月25日マニラ大会はフライ級世界戦&和田竜光✖キンガドに加え、タイナネスの復帰に要・注目

Tynanes【写真】ブランクは気になるが、タイトル戦線にすぐに絡んだでもおかしくないポテンシャルを持っているタイナネス(C)MMAPLANET

3日(水・現地時間)、25日(金・同)にフィリピン・マニラのMOAアリーナで開催されるONE86「Hero’s Ascent」の対戦カードが発表され、メインでジェヘ・ユースタキオがアドリアーノ・モライシュの挑戦を受けるONE世界フライ級選手権試合と共に、和田竜光がダニー・キンガドと対戦することが発表されている。


チーム・ラカイが擁する4人のONE世界王者の1人、ユースタキオは2014年9月にモライシュの持つフライ級王座に挑戦し、2Rでギロチンにより敗退。その後、モライシュを破り世界王者になったもののタイトル防衛戦を行うことなくベルトを剥奪されたカイラット・アクメトフに判定勝ちし、昨年1月に暫定王者に。正規王者に返り咲いていたモライシュを6月に下し、正規王者に輝いている。

テイクダウンへの評価が低いONE裁定ならでは、何度となくテイクダウンを奪われても寝技を逃れ、王者についた感もあるユースタキオにとって、真価が問われる初防衛戦となる。昨年下半期でONEの裁定基準は選手間にも浸透しきった。テイクダウンの評価は低くとも、モライシュは寝技でポジションを奪い、サブミッションでニア・フィニッシュもしくは立たれても勢いのあるパウンドを落とすなど、その戦い方も変わってくるだろう。

一方、ユースタキオはラカイ勢の中でもいち早くグラウンドの完成度を高めたウェルラウンダーで、散打的な回転系の打撃で派手に相手のバランスを崩す術も習得している。ONE裁定のなかでの勝負の綾も2巡目、ここから本格的な✖チーム・ラカイが計量4階級で見られることになる。

そのラカイの新世代のエース=キンガドと、ONEで3試合目となる和田のマッチアップは全容がまだ明らかとなっていないフライ級ワールドGPとONEフライ級戦線に大きな影響を与える一戦となるだろう。キンガドは打撃とともに自らテイクダウンや寝技を仕掛けることができ、MMAファイターとして特化した武器を持つというラカイ第一世代と比較して、より穴が小さいファイターといえる。

昨年9月に若松佑弥から──論争になった判定勝ちを得た際、パンチを被弾してダウンを喫した一方で、バックマウントからキャッチ級のRNCやえげつない関節蹴りに加え、勝負所のテイクダウン奪取とグラップリング寄りのファイトでジャッジの支持を得た。そんなキンガドに対し、和田はいきなりの一発ではなく流れを大切にしたファイトのなかで、ニア・フィニッシュとなる攻撃を仕掛けたいところだ。

前述したように和田にとって、この一戦はフライ級トーナメント出場や世界挑戦へ向け、その権利を声高に訴えるために勝利は絶対だ。流れを掴むことに掛けてJ-MMA界でも筆頭級の試合巧者・和田、ONEで勝利するためにより必要な決定機を嗅ぎ分ける能力が上昇し、キラーインスティンクトが見られるファイトに期待したい。

この他、日本からスーパーシリーズに小笠原裕典、鈴木博昭が出場し、それぞれエリアス・マムジとムエタイ、モハメド・ビン・マムードとキックボクシングで対戦するマニラ大会では、ライト級の実力者がサークルケージに戻ってくる。それがローウェン・タイナネスだ。2016年4月の安藤晃司以来、実に2年9カ月振りの実戦復帰となるタイナネスは1990年10月生まれの28歳のハワイアン親子鷹ファイターだ。

2011年9月に日本のHEATでMMAデビューを果たしたタイナネスは、プロ2戦目でフィリピン=URCCのマットで現ONE世界ライト級王者エドゥアルド・フォラヤンにTKO勝ちを収め、ONE初陣では香港在住の南アフリカ人ストライカー=ヴィシール・コロッサを下すなど、安藤戦まで8勝0敗の戦績を残している。

7年以上のキャリアで僅か8戦のみのタイナネス、この間んは所属ジムから離れるために2年のブランク、またUFC行きを公言しており、ONEと契約を解除するために働いていたという話も伝わってくる。

そんなタイナネスのONE再登場は、ONEが北米MMA界で存在感を露にしてきた証と取れることもできる。そしてホノリオ・バナリオとの復帰戦は、エディ・アルバレス参入のONEライト級戦線に強烈なダークホース出現を意味するモノとなる可能性が決して低くない。

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