【Pancrase300】マット・ベイルにTKO勝ちし、再起。佐藤天「一踏ん張りでき、気持ちで勝てました」
【写真】勝ったことが大切。そして、課題を克服しつつ次へ向かって欲しい (C) MMAPLANET
21日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで行われたPancrase300のメインで、佐藤天がマット・ベイルとの激闘を制しTKO勝ちを収めた。
7月のウェルター級KOP決定戦に敗れ、再起をはかった佐藤はダウンを奪った直後にポジションを失い、ダウンを取られてからはポジションを挽回してマウント・エルボーとパンチで勝利した。
初回のダウン奪取から勝ち切ることができれば、それにこしたことはない。それでもグライコ・フランサ戦と同様に窮地に追い込まれながら勝ち切ったことで、佐藤はUFCへの扉を閉じることなく次に進めるようになった。そんなベイル戦を試合直後に佐藤に振り返ってもらった。
──激闘を制しました。ダウンを取り、そして取られ最後はマウントでパウンドアウト。試合の記憶はありますか。
「記憶はあります(笑)。足にきてしまっていたのですが……」
──この展開は望んでいたものではないかと思いますが、こういう戦いで負けなかったことは大きくないでしょうか。
「高木(健太)選手に負けた時は効かされてからテンパってしまい、戻せなくなって2発、3発と被弾して倒されました。今日は効かされてから気持ちが切れなかったのは成長かと思います。技術的ではないのですが、気持ちを切らさないという部分は成長できているのかと……」
──初回に左を当ててクリーンなダウンを奪った次の局面でテイクダウンを奪われ、バックに乗られるなどピンチに陥りました。
「あそこはもう7月のグライコ・フランサ戦と同じで、修正できていなかったです。あの時も効かせてから組み付かれて休ませてしまったし、こっちが消耗させられました。今日は組まれてヒジとか入れたのですが、完全に切って上を取るという選択をしないといけなかったです。
焦りというか……『ここで決めたい』という気持ちが強くて、悪い方向に向かってしまいました」
──なるほどぉ。切って殴るは理想的な展開ですが、そうでなくてもTKOできることもあるので。ただ、あそこでバックを取られた時は7月の敗北がフラッシュバックしました。
「今日はまだ大丈夫でした。そこの怖さはなかったです。でも不利なポジションになってしまうという点は反省して、練習で改善していきたいです。上になると落ち着けるのですが、下になると慌ててしまいます。あそこでしっかりと削ることができれば、もっと簡単に勝てていたのに。
結果的に2Rにダウン取られた後で、上を取って削ることができたということは、あの時にもできていたはずだし。そこができていなかったのは、僕の中の弱さだと思います(苦笑)。経験不足と弱さです」
──そのダウンを喫した場面というのは?
「ベイルの左ストレートから右フックのコンビネーションは見えていて、少しずらせばカウンターを合わせることはできていましたし、実際に最初のダウンも右フックに左を合わせたものでしたし。
それが2Rのアレは、いきなりの左フックが来て、もらってしまいましたね……(苦笑)」
──ローにパンチを合わせるなど、距離のマネージメントはできていたなかで被弾してしまいました。
「そこも僕の甘さです(苦笑)。もっとイージーに勝てた。もっと広い視野を持って戦わないとダメですね。ちょっとパンチに意識が行き過ぎていました」
──勝って反省できて本当に良かったです。
「ハイ。次につなげることができます。勝って、これからのために反省できるのは良かったです」
──グライコへのリベンジというのは考えていますか。
「チャンスがやれば、自分はいつでもやりたいです。こういう苦しい試合を勝ち切ることが、彼との試合ではできなかったことなので諦めずにしがみつくことができて……ベイルの方はもう力が入っていなかったです。
あそこで僕の方が消耗していないと思えて、息を吹き返すことができました。そこでもう一踏ん張りできたので、気持ちで勝てました。反省点は多いですが、そこは成長できたかと」
──この試合は勝つことが一番大切だったので、また次に期待させてください。
「首の皮一枚ですが、先につながったということだけは良かったです」