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【ONE】会見後にチャトリCEOに聞いた日本への想い「大義がある。100パーセント成功する自信がある」

Chatri【写真】会見ではそのリーダーシップをいかんなく、発揮したチャトリ・シットヨートンCEO&チェアマン(C)MMAPLANET

23日(木)に新宿パークハイアット新宿のボールルームで行われたONE Championship記者会見。日本大会に賭ける想いをメディアとファンに伝えたチャトリ・シットヨートンCEO のインタビューを会見直後に行った。

母・小松道代さん同席の下、チャトリに会見の感想とあの場で発せられた言葉のルーツを尋ねた。


──日本大会へ向けての記者会見が終わりました。今の気持ちを教えてください。

「日本のファン、メディア、アスリート達がしっかりとメッセージを受け取ってくれたと思う。そのメッセージとはONEチャンピオンシップは他の団体とは決定的に違い、その歴史も全くの別モノだということ。

ONEには本当のマーシャルアーツを行なう場なんだ。アジアの5000年の歴史に基づいた本物のヒーロー、真実、価値観が存在している。それこそがアジアの最大の文化であり、アジアの至宝だ」

──日本のMMA界は全盛期に戻るという自信を失っていたと思います。そこにチャトリさんの言葉は勇気を与えてくれました。

「私の血は半分が日本人だ。子供のころから家では母が私に日本語で話しかけていた。私には武道の心を日本のマーシャルアーツ界に再び植え付ける大義がある。過去に例のないほど、マーシャルアーツを高める。

日本のMMA、キックボクシング、ボクシング、空手、全てのマーシャルアーツに関する人へのメッセージだったんだよ。ONEチャンピオンシップはMMAの興行会社ではない。全てのマーシャルアーツのホームだ。実際、ムエタイ、キックボクシング、ボクシングの試合がMMAとともに組まれている。

ONEは他の格闘技イベントはDNAが違うんだ」

──お母さまとしては、母国で息子さんがあれだけの言葉を発していたことにどのような気持ちになりましたか。

母・道代さんの前ではチャトリも少し違った一面を見せていた(C)Abema TV

母・道代さんの前ではチャトリも少し違った一面を見せていた(C)Abema TV

道代さん 私自身、子供を育てる際にどのようにすれば良いのかと考え、それはあるフィロソフィーを持って対峙することだと思ってきました。息子があのような発言をするということは、大袈裟かもしれないですが小さな頃からその方向に育てることができたのではないかと思います(微笑)。

今日の姿を見て驚かないというわけではないですが、彼は言葉を通して……その言葉の向うにあるものを伝えているように見えました。

──私も子供が3人いますが、そのような芯を持って育てられているのか……冷や汗です。

道代さん 子供が生まれた時に、私は彼らに何を伝えたら良いのかと思案しました。決して肉体的に大きくなることではなくて、その向こうにあるモノを考えた時に凄く不安で心配になりました。

自らの経験が『何か少しでも世の中の役に立つ』ようにと、小さな頃から伝えて来た言葉は、彼のなかで大袈裟に『世界を救う』という捉え方になっていったようですが……。でも、皆さまのお母さまも同じように思っていることではないでしょうか。

「母はいつも『人々を助けなさい』という人生哲学を私に語り掛けていた。『世の中を変えて、人々を助ける。それがチャトリの運命だ』と言われ、それを信じた。子供だったから(笑)。

そういう哲学が備わっているから、私はマーシャルアーツをただの金儲けの手段にしたくないんだ。私は既に経済的には満ち足りている。だからアスリートやファンの役に立ちたい。日本のパートナーの役に立ちたいんだ。一緒になって歴史を創り、新しい世界を皆で創っていきたい」

──実は現時点でONEが記者会見を開いても、どれだけメディアやファンが集まるのかという声もありました。蓋を開ければ見れば、会見場は立ち見も出て移動するのも困難な状況になりました。

「ブルームバーグ、FOXスポーツ、世界中のメディアが集まってくれたよ」

──ONEの日本進出に関して、成功しないというネガティブな意見も多く聞かれます。この会見が成功を掴むための一歩になったと捉えていますか。

「だから皆の協力が必要だと訴えたんだよ。誰も1人では成功なんてできない。電通、Abema TV、長南さん、君のようなメディア、皆のサポートが必要なんだ。再び、日本のマーシャルアーツを成功させるために手を取り合って一緒に向き合っていきたい。その手を取り合っていく1人、1人に愛が欠かせない」

──成功しない言い訳を探せば、いくらでも出てきます。今、チャトリさんはどれだけONEが日本で成功する自信を持っていますか。

「100パーセントだよ。私がONEをスタートした時、口を揃えて『無理だよ』、『できっこない』と言われた。『この国では不可能だ』とね。でも不可能だと言われてきたすべての国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンで興行新記録を打ち立てることができた。

日本は剣道、柔道、合気道、空手、相撲があるマーシャルアーツ国家だ。豊潤な歴史がある。それは武士道に通じている。だから適切なプロセスを踏めば、日本で成功を収めることができる。

我々のヒーローはドラッグなど負の要素を持たない。誠実さ、謙虚さ、道義心、尊敬、勇気、規律、思い遣りを持つ素晴らしいアスリート達だ。それらの要素はUFCを始め、他の組織は失っている。何が本当のマーシャルアーツなのか、理解していない。彼らはマーシャルアーツの経験がないからだよ。私はマーシャルアーチストだ。30年間の格闘技経験と、日本人の心がある。

私には日本で格闘技を再興させる大義が存在する。だから成功を収めることに100パーセント、自信を持っているんだ。勿論、どれだけハードワークが必要かも理解している。ONEを日本で成功することができるのか、私達の武士道が試されているんだ」

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