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お蔵入り厳禁【Arzalet FGC03】イタロに勝利、マルキーニョス─02─「諦める理由は1000もあるけど……」

Marcinhos【写真】イタロに称したマルキーニョス。後列にクレベルとサトシの姿も確認できる (C)MMAPLANET

7日、韓国ソウルのクラブ・オクタゴンで開催されたArzalet03 イタロ・ゴンルベスに勝利したマルキーニョス・ソウザ・インタビュー後編。

技を極めるためであって、相手を傷つけるための試合ではない。マルキーニョスの戦いは、人生哲学そのもの。世代を超えて受け継がれる父の柔術を後世に伝える。そのためには決して、諦めることなく夢の実現に向け前を見続けてきた彼の人生が存在した。

<マルコス・ソウザ・インタビューPart.01はコチラから>


──試合ですから、勝利を目指して仕掛けた腕十字です。ただ対戦相手を傷つけたくないというのがマルキーニョスの戦いの哲学なのですね。

「それがサムライ・スピリットだよ。勝つために自分のスキルをぶつけるのが目的で、対戦相手を傷つけたいとは一切思っていないからね」

──柔術家であり、柔術の指導者であるマルキーニョスにとって、MMAの試合で戦うとはどのような意味がるのでしょうか。

「僕の教え子がMMAを戦っている。日本だけでなくブラジル、米国にも生徒がいて多くの子供たちにも柔術を指導している。彼らに実戦を通して、僕のスキルだけでなく姿勢を見てもらう必要があるんだ。それは戦っていても、人として正しい姿勢……教え子、仲間、家族への思い、尊敬心を感じさせることなんだ。

だから僕はUFCが好きじゃない。UFCのファイトからは、そういう人間性が感じられない。ああうのは好きじゃない」

──そのようななかキルギスの選手が韓国で戦えなかったため、9月のキルギスのMMA大会にマルキーニョスを始めとするREALの日本チームで乗り込むプランがあるようですが。

「確かにその話は聞いているよ。でも、僕は韓国でMMAを戦ったばかりだし、これ以上自分のMMAの練習のために時間を割いて、指導を疎かにすることは難しんだ。今、日本とサンパウロにジムがあるし、ブラジルでは新しいジムをオープンさせる。そういうビジネスもエンジョイしている。

ジムのネットワークを拡充させて生徒たちの人生をサポートしたいんだ。米国やブラジルだと柔術に関わっているだけで生活できるけど、日本は違う。彼らにクラスの指導を任せて、サラリーを払いたい。そして、彼らが指導と練習をして生きていけるようにしたいんだ」

──つまりアカデミーの経営、柔術の指導の方がMMAを戦うより大切なわけですね。

「特に今は韓国で試合をしたばかりだからね。僕の人生は変わった。日本とブラジルにジムを持ち、東京でしっかりと稼ぐことができて、家族をサポートできるようになった。その分、責任も増している」

──なるほど。ところでクインテットに出場するための練習で腕十字により自信を深めたと言っていましたが、今回の試合で一本勝ちしたことで、より自信がついたのではないでしょうか。

「その通りだよ(笑)。腕十字で勝ったのは2度目だ。それ以外では肩固めとRNCで勝ってきた。実際に試合で成果を残した技術を生徒に教えることが好きなんだ。そして、勝利へのバリエーションが増えると、授ける戦術も幅が広がる。

クレベル(コイケ)の活躍は見落とされがちだけど、22度も一本勝ちしている。弟のサトシは5試合で5つのサブミッションを極めてきた。そして、僕は今回の試合で7つ目の一本勝ちができた。

これって僕たちの柔術が、他と違うことを表していると思うんだ。MMAは打撃とレスリング、そして柔術がとても重要だ。実際、僕もMMAの試合前には打撃に重点を置いて練習をしている。それでも、僕らの柔術はMMAにおいて他の選手達と比較しても、+αの特徴を持っているはずだよ。

僕の仕事はそれを皆に伝えていくこと。父が一生を捧げてきたことを僕も継ぎたい。そうすることで、僕の人生は父の人生に重なることになるからね」

──お父さんのアジウソンの柔術を。

「そう、次の世代に伝えるんだ。それには今行っている指導を継続していくこと。自分の子供、そして教え子たちには優れたファイターになってほしい。次に伝えるのは彼らの世代だ。そうやって僕らの柔術を守り、紡いでいってほしい」

──マルキーニョス、柔術論であり人生論でもある素晴らしい話をありがとうございました。

「こちらこそ。多くの人に僕のこと知ってほしい。どのように歩み、今の僕の人生があるのかを。サトシ、クレベルと僕は日本で暮らしていくのにとてもハードな時期があった。

ただ練習して試合に出ていた。収入もなく、サプリメントを手にするために。東京や大阪で試合をするときは車の中で僕らは寝ていた。駐車場に車を止めて、その横で試合の準備をしたこともあったんだ。

でも、僕らは決して諦めなかった。夢を持っていても、実現することは簡単じゃない。でも信じ続けるんだ。諦めるには1000以上の理由が見つかるよ。そんな状況でも、前を見続けて歩み続ける。そうすれば夢は叶うから」

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