【Pancrase298】藤野恵実とQOPの座を賭けて戦う、ヴィヴィアニ・アロージョ「言葉で説明するよりも」
【写真】この背中の筋肉、藤野に決して負けていない。この体こそ、これ以上ないほどの取り組みを雄弁に語っている (C)MMAPLANET
5日(日)、東京都台東区の新木場スタジオコーストで開催されるPancrase298で、ヴィヴィアニ・アロージョが藤野恵実とストロー級クイーン・オブ・パンクラシスト王座を賭けて戦う。
昨年10月に初来日し、三浦彩佳を5分で試合続行不可能に追い込んだヴィヴィ。MMA歴はまだ3年だが、柔術では13年のキャリアを持つ。その柔術にしても、MMAにしても彼女の運動能力の良さが、練習を始めるきっかけになったそうだ。
調印式を終えたばかりのヴィヴィに、これまでも格闘家人生と藤野戦に賭ける想いを尋ねた。
──公開練習と調印式を終えて、今の気持ちを教えてください。
「2つの行事が無事終わって、ホッとしているわ。そういう部分で気持ちも楽になって、試合に向けて良い意味での緊張感だけ残っている感じで。日本のファンの皆に良い試合見せたいという気持ちでいっぱいね。
体重のことを気にしている人たちもいるみたいだけど、ブラジルに入る時から栄養士をつけて、プログラム通りにやってきたので、もう少し減量は残ってはいても試合に向けて準備は万全よ」
──藤野選手との試合のTシャツを見た時は、どのように思いましたか(笑)。
「可愛いと思ったし、この試合の思い出として大切にするわ。それに私とフジノの試合のTシャツを創ってくれるなんて、本当に嬉しいし光栄よ。私達の試合をいかに盛り上げようとしてくれるのか、伝わって来たわ。
日本で戦うという夢が叶ったと思ったら、今回はタイトル戦も戦える。私のできる限りの戦いを見せたいと思う」
──昨年10月の試合で、ヴィヴィの強さは十分に伝わったと思うのですが、これまでの格闘技キャリアなどパーソナルなことを聞く機会が持てなかったです。試合前で申し訳ないですが、今日はその辺りのことも聞かせてください。
「もちろん、何でも聞いてもらってOKよ」
──まず格闘技との出会いを教えてもらえますか。
「18歳の時、柔術を始めたのが格闘技との出会いね。ブラジリアのセウランジャでずっとスポーツをしてきて、チェックマット柔術のクラウジオ・カレッカが私を見初めたというか、彼が私の運動神経を見て『柔術をやるべきだ』と誘ってくれたの。
紫帯になってからはエンヒッキ・リマの指導を受け、ブラジレイロで優勝。アブダビ・ワールドプロでも戦ったわ。ワールドプロの予選は黒帯ばかりだったけど、茶帯だった私が優勝して本戦に出ることができたの」
──MMAを初めて戦ったのは3年前で、つまり28歳になっていたわけですが……決して早くない、むしろ遅いMMAデビューです。
「柔術を始めたきっかけにも似ているんだけど、ウェイトトレーングをやっていた時にムエタイのコーチから『ムエタイやMMAの練習をしてみないか』と誘われて。それがきっかけになり、セハードMMAではムエタイ、ボクシング、レスリング、ルタリーブリの経験を積んできたわ。
初めてMMAを戦った時、ケージで戦うことが凄く気持ちが良くて。私はコレがやりたかったんだと気付いたの。それからずっと休むことなくMMAの練習をしてきた」
──MMAファイターになると決めた時、どこに目標を置いていたのですか。
「UFCで戦いたいという夢は当然持っていたわ。でも、何事も段階を経ないといけないし、今はパンクラスのベルトをちゃんと獲って……日本のファンの皆が喜ぶ試合をしたいと思っている。何よりベルトは獲るだけだと意味はないので、どんどん防衛を続け、いずれはUFCで戦うことができればと考えているわ」
──藤野選手が15年やってきた意地と調印式で言っていましたが、それは女子MMAが全く世の中に認められていなかった時代から、ずっと続けてきたという部分での意地なのです。
「素晴らしいことだと思う。フジノはパイオニアだし、若い選手がどれだけ出て来たとしても、それは彼女が扉を開けたからであって。そういう部分でも尊敬しているわ」
──そんな藤野選手と会見では、強気のコメントで一歩も引いていなかったですね。
「フジノに限らず、思っていることを素直に口にできるのは良いことよ。自分がこれまでやってきた、そのことに自信があって言葉にできるので。それはファンに対して、話していることでしょうし。ただ私はどちらかというシャイな方で、言葉で説明するよりもケージの中でこれまでやってきたことを動きで見せることの方が得意なの」
──この試合に向けて、ヴィヴィがどれだけ練習を重ねて来たかは、言葉でなくその筋肉を見れば一目瞭然です。
「オブリガーダ。ファンの期待を裏切らないよう、最高のヴィヴィアニの姿を見せることを約束するわ。MMAの練習を始めて、まだ3年半。これまで試合で出すことができていない可能性を私は持っていると信じているから」
■Pancrase298対戦カード
<ストロー級QOP王座決定戦/5分5R>
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)
藤野恵実(日本)
<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
アルセン・バティロフ(ロシア)
<女子アトム級/5分3R>
ローマ・ルックブンミー(タイ)
華DATE(日本)
<ストロー級/5分3R>
八田亮(日本)
マーカス・アマラウ(ブラジル)
<ミドル級/3分3R>
新村優貴(日本)
林源平(日本)
<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
秋葉太樹(ロシア)
<フェザー級/3分3R>
牛久絢太郎(日本)
ユータ&ロック(日本)
<フェザー級/5分3R>
内村洋次郎(日本)
ヴィトル・トファネリ(ブラジル)
<ウェルター級/3分3R>
手塚裕之(日本)
KAZZ(日本)
<ストロー級/3分3R>
高島俊哉(日本)
前山哲平(日本)
<フライ級/3分3R>
安永有希(日本)
中村龍之(日本)
<フェザー級/3分3R>
渡辺謙明(日本)
櫻井裕康(日本)
<フライ級/3分3R>
渡辺竜也(日本)
三澤陽平(日本)
<フライ級/3分3R>
水谷健人(日本)
池田一歩(日本)
<ストロー級/3分3R>
リトル(日本)
宮澤雄大(日本)