【Bellator203】5R戦の妙、攻めると攻められる流れのなかでフレイレがヴェイケルを振り切る
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
Def.2-1:49-46.48-47.47-48
ダニエル・ヴェイケル(ドイツ)
スイッチを見せるフレイレ、ヴェイケルは右ローを蹴っていく。ここから試合は様子見に入り、ヴェイケルがローを蹴る程度で時間が進む。一気に距離を詰めるフレイレは、離れて右ロー。ファイトはまたも目視戦となり、ローマのファンは口笛で戦いを促す。フレイレの蹴り足を払ったヴェイケル、姿勢を崩した王者がすぐに立ち上がる。サウスポーから後ろ回し蹴りを繰り出したフレイレは、オーソに戻しワンツー。ヴェイケルは右ローを蹴り、右前蹴りを左構えの王者に放つ。動きが少ないまま初回が終了した。
2R、ヴェイケルが右オーバーハンド。やや距離が詰まり、ローを織り交ぜつつ左ジャブを伸ばす。踏み込んだフレイレは右を当てると、一気にパンチの回転数を上げて連打でヴェイケルを追い込む。フックを連打されたヴェイケルが、押し倒されるようにガードを取るとチャンピオンは打撃よりもトップキープを選択した。
ヴェイケルのバタフライガードを越えて細かいパンチを落とすフレイレは、立ち上がってスタンドで挑戦者を待ち受けた。右ボディストレートを入れたヴェイケルだが、フレイレが右オーバーハンドを当てる。ワンツーを返したヴェイケルが、右ローでバランスを崩し尻餅をつく。すかさずトップを取ったフレイレはフックガードも、王者がパスを決め優勢のラウンドを終えた。
3R、鋭いローに続き、右ハイを狙ったチャンピオン。ヴェイケルは蹴り足をキャッチしてテイクダウンを奪うと、初めてトップに。足を一本抜き、枕で圧力をかけるヴェイケルは潜りにエルボー、立ち上がって右のパウンドを2発打ち下ろす。ガードで落ち着いたフレイレに対し、ヴェイケルが右足を抜いてハーフの状態でエルボーを連打する。フルガードに戻したチャンピオンはケージに近づく。スクランブル狙いの意識を利したチャレンジャーは、一瞬スペースを与えるとギロチンからアナコンダに捉える。
ケージを蹴って逃げようとするフレイレは、腹ばいになってエスケープに成功して立ち上がる。攻め疲れたか、動きが落ちたヴェイケルに連打を打ち込むフレイレがヒザをボディに受けたところでタイムアップに。チャンピオンはかなり削れるラウンドとなった。
4R、初めてチャンピオンシップラウンドに臨むヴェイケルに対し、フレイレはこれまで6度の経験がある。互いに動きが少なくなったが、ヴェイケルの消耗が激しいか。フレイレも決して手数は大きくなく、そのなかで右をヒットさせる。残り90秒、右フックを当てたフレイレがラッシュをかけ、飛びヒザを狙う。ダウンするように下になったヴェイケルからマウントを奪ったチャンピオンは、ハーフに戻されて蹴り上げに対し、スタンド戦をチョイスした。
フレイレもまた試合を決めにいかず、体力の消耗を避けた形か。ヴェイケルはシングルを切られて引き込むもパウンドを被弾し試合は最終回へ。
5R、すぐに組みに行ったヴェイケルは、これを防がれワンツーを放つ。いつスタミナが底をつくか分からない両者。ヴェイケルが右を入れ、右ハイキックにつなげる。フレイレは左ジャブを伸ばすが、手数は少ない。バランスを崩しながら右ハイを狙ったヴェイケル、フレイレは体力温存、遠い距離をキープする。そして、ヴェイケルの踏み込みにカウンターを狙う王者は、ダブルレッグでケージに押し込まれる。
残り2分、テイクダウンに力を使うヴェイケルはここを勝負どころとしたか。フレイレは両差しで体を入れ替えると、差し返してきたところでフックを当てて離れる。右フックが流れるヴェイケル、軸を失った体にワンツーを被弾する。左右に回り時間が過ぎるのを待つチャンピオン。ヴェイケルが後ろ回し蹴りを繰り出し、フレイレがよけたところで25分間の戦いが終わった。
ジャッジの裁定は分かれ、攻めては反撃され、消耗戦となった世界戦でフレイレが王座防衛に成功した。