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【Phoenix FC06】試合結果 別世界、アラブの国のMMA。上久保周哉の試合は遅延で流れる……

Phoenix FC06【写真】メインでミドル級王座を獲得したレバノンのムハンマド・カラキ。中東のMMAはどのように成長していくのだろうか(C)PHOENIX FC

5日(木・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビはヤスアイランドのデュ・フォーラムで開催されたPhoenix FC06。日本から出場し、サーワン・カカイと対戦予定だった上久保周哉の試合はキャンセルとなってしまった。

メインでフェニックスFCミドル級王座をレバノンのムハンマド・カラキが獲得したように、海外のビッグネーム招聘ではなく中東のファイター、あるいは欧州在住のアラビック系の選手が中心となる同大会はミドルイーストのMMAを知る上で非常に興味深い。しかし、その大会進行&運営に関しては我々の常識外のことがかなりあったようだ。

上久保のセコンドとして現地入りしていた磯野元氏、濱村健に事情を尋ねたところ、以下のような状況で試合がなくなったことが分かった。

まず同大会は元々16試合のロングラン興行で、イベント開始は現地時間の午後6時、TV中継&メインカードのスタートは午後9時となっていた。メインカードが始まるまでの3時間に予定されていたプレリミカードは実に12試合。5分×3R戦を3時間で12試合も詰め込むのは無理があると、上久保陣営も現地でスケジュールを確認した時点で薄々と感じていたという。

大会当日、上久保×カカイは10試合目に予定されていたところ、8試合が終了した時点で主催者より「ここからメインカードの試合を行い、9試合から12試合はメインカード終了後、日付を跨いだ頃に組まれる」ことが伝えられた。それでも試合を戦うかどうか意思確認が行なわれ、上久保もカカイも戦うつもりであったが、カカイの所属するATTのコーチ達がストップをかけ、両者の試合は中止となった。ファイトマネーは支払われるということだが、本人としては至極残念でならないはずだ。

磯野氏は上久保を思いやって「今回の試合は上久保にとってもキャリアの分岐点になる大きな試合でしたが、カカイにとっても絶対に必要な一戦だったと思うので2人とも本当に気の毒です。そのうえで、上久保は海外でのコンディショニングや減量を本気モードで経験したので、そのことを今後のプラスにするだけですね」と話してくれた。

過去にも同地で行われてきた組み技トーナメントで、イスラムの御祈りの時間となると延々とトーナメント進行がストップすることなどもあったが、それがイスラム社会の常識だ。MMAが世界に広まった今、オイルマネーや貿易&観光立国として栄える当地で日本人選手が試合をする機会も増えることも考えられる。今回の試合のキャンセルという出来事は上久保だけでなく、日本のMMA関係者も心にとどめておく必要がある事例だろう。


Phoenix FC06
<ミドル級/5分3R>
○ディエゴ・ゴンザレス(スウェーデン)1R
ギロチンチョーク
×モスタファ・ラシド(サウジアラビア)
<ウェルター級/5分3R>
○クラウジオ・セザリオ(ブラジル)1R
TKO
×ナエブ・ヘザム(フランス)
<Phoenix FCミドル級王座決定戦/5分5R>
○ムハンマド・カラキ(レバノン)1R
腕十字
×サラエジーヌ・ディキシー(フランス)
<ウェルター級/5分3R>
○ヘイダー・ハッサン(米国)3R
判定
×パヴェル・クシュ(ウクライナ)
<ライトヘビー級/5分3R>
○サミ・アンタル(チュニジア)2R
サブミッション
×オサマ・エルシディ(エジプト)
<フェザー級/5分3R>
○シャーバン・シャイドゥラ(フランス)2R
TKO
×ネルソン・パエス(インド)
<ヘビー級/5分3R>
─ロマン・ワハビ(ロシア)NC─アミン・ナシェブ(チュニジア)
<バンタム級/5分3R>
○アリ・アル・クワシ(ヨルダン)ギロチンチョーク×ジュアレス・デア(カメルーン)
<ライト級/5分3R>
○アミン・アヨブ(フランス)2R
サブミッション
×ユーセフ・ワハビ(レバノン)
<フェザー級/5分3R>
○エンヤツディナ・アルデルバニ(ヨルダン)3R
判定
×ジェシー・メディナ(豪州)
<ライト級/5分3R>
○アフメド・ラバン(レバノン)3R
ギロチン
×アフメド・サーブ(イラク)
<バンタム級/5分3R>
○アブドラ・ムサリム(UAE)3R
判定
×アブドラ・アルハタニ(サウジアラビア)
<ウェルター級/5分3R>
○ムハンマド・ラチブ・アルカティブ(ヨルダン)DQ
×フセイン・モラマンディ(イラン)
<女子ストロー級/5分3R>
○ウェンドライン・チャルベイン(スペイン)3R
判定
×ルアナ・ソウサ(ブラジル)
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