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【UFC222】完全無欠の世界女子フェザー級王者サイボーグに対し、クニツカヤは奇跡を起こせるのか

UFC222【写真】オッズはどうなのるか。サイボーグ×クニツカヤ (C)Zuffa LLC/Getty Images & INVICTA FC

3日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 222「Cyborg vs Kunitskaya」。最高級のカードが揃ったイベントで、メインを張るのはUFC世界女子フェザー級王者クリス・サイボーグとチャレンジャーのヤナ・クニツカヤだ。


デビュー戦で屈した黒星以降、実に12年間無敗の最強&最怖チャンピオンのサイボーグ。インヴィクタFC世界フェザー級王者からUFCに転じ、2度の140ポンドキャッチ戦を経て、昨年7月にトーニャ・エヴィンガーとの王座決定戦で勝利してUFC世界女子フェザー級王座に就いた。

そして昨年12月30日にホーリー・ホルムを5R判定で下し初防衛戦に成功、僅か2カ月余りのインターバルでインヴィクタ世界バンタム級王者からUFC入りとなったクニツカヤの挑戦を受ける。

サイボーグといえば台風の猛威を思わせる強烈なラッシュで対戦相手をなぎ倒してきたイメージが強いが、今は違う。現在の彼女は台風の猛威を勝負所で見せることができるコンプリートファイターだ。

KOパワーを有した打撃は、パンチの精度が非常に高く、また相手の攻撃を受けない高度な防御力を誇っている。オーソの構えでリードジャブを放つときは、右のガードでしっかりと顔面を守り、肩をいれることでボディも相手にさらしていない。打った後のヘッドムーブも安定しており、頭が残っておらず「この辺りを打てば」という相手のパンチを喰うこともない。

やや猫背のクラウチングで前足重心、よって右ローはそれほど威力が感じられないが、ミドル、ハイと高さのある蹴りになるほど伸びあがるような姿勢で威力とスピードが増してくる。さらに左の蹴りという二の矢を持ち、相手が前に出ることを許さない。

その結果、ここぞという勝負どころで以前のような猛攻を仕掛ける。常にアクセルをベタ踏みしていると燃費は非常に悪いが、今のサイボーグはアクセルを踏むべきところで踏む非常にスマートなファイターだ。それを可能にしているのは、以前のシュートボクセスタイルの権化というべき恐怖を与えるファイトだ。あの頃の印象と、今もそんな戦いにいつでも転じることができるので、対戦相手は最初から頭と心、そして動きにブレーキが掛かってしまっている。

一発が当たれば──という期待すら、対戦相手に抱くことを許さなくなってしまったサイボーグに対し、クニツカヤに勝算はあるのか。グレッグ・ジャクソンとマイク・ウィンクルジョンは秘策を用意しているかもしれないが、現状では非常に不利、彼女が勝利する確率は相当低いとしか書き記しようがない。

テコンドーとムエタイベースの美貌持ち主は、遠い距離から回転系の蹴りやパンチを使い、接近戦になると首相撲というパターンを持つが、サイボーグの前にほぼ何もできなかったエヴィンガーと打撃戦を繰り広げ、組みつかれもしている。この点からも、クニツカヤが打撃でサイボーグを攻略できるとは思えない。

また、エヴィンガー戦で腕十字や、ギロチンなど実はサブミッションを主武器にしていることはバレてしまっている。それでもクニツカヤがサイボーグとの試合に活路を見いだすことができるのは、ガードからの仕掛けか。

ただし、サイボーグはトップを取った際、クローズドガードに対して必ず両ヒジを相手のヒザの外側に置き、腕十字や三角絞めを仕掛けられても、すぐに腕を抜いてパンチを落とす準備をしている。

クニツカヤの腕十もよほどタイミングよく、また察知されずに腰を切らないとサイボーグには通用しないだろう。と同時にチャンスは、この腕を引き抜かれた時だ。この時、クニツカヤはサイボーグが腕を抜いたのとは逆側、つまり殴って来るのとは違う方のワキの下に足を入れオモプラッタを仕掛けることはできる。

果たして、このような展開が実際に起こりえるかどうか、その可能性は非常に低いが、オモプラッタで肩を極める、あるいはバックを取ってRNCで勝つ──そんな奇跡のような展開しかクニツカヤが勝つ姿は想像できない。

■ UFC222対戦カード

<UFC女子世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]クリス・サイボーグ(ブラジル)
[挑戦者]ヤナ・クニツカヤ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
フランキー・エドガー(米国)
ブライアン・オルテガ(米国)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマーリー(米国)
アンドレ・スークムタズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)

<女子バンタム級/5分3R>
キャット・ジンガーノ(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
アシュリー・ヨーダ(米国)

<ライト級/5分3R>
ベニール・ダリューシュ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・ドッドソン(米国)
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ヘクター・ロンバード(豪州)
CB・ダラウェー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国)
ザク・オットー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ブライアン・キャラウェイ(米国)
コディ・スタマン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョーダン・ジョンソン(米国)
アダム・ミルステッド(米国)

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