【Shooto】新環太平洋バンタム級チャンピオン祖根寿麻 「目立ちたい。K-1も目指せる」
【写真】支えてくれた仲間たちと新チャンピオン(C) MMAPLANET
28日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されたプロ修斗公式戦のメインで祖根寿麻が、魚井フルスイングを破り環太平洋バンタム級王者となった。
文字通りのフルスイングに対し、引く時は引く。前に出る時は前に出るファイトで決定を許さず、自らは左ミドルや組みで戦いのリズムを刻んだ。
30歳を目前に控えたタイトル奪取、ズーマーにこれからを尋ねた。
──おめでとうございます。
「ありがとうございます」
──お礼の言葉のなかで志村(民雄)館長の名前を真っ先に出した時は胸に響きました。
「ハイ、志村館長にはずっとお世話になりましたから。独立した今も、ずっと感謝しています」
──先ほど終えたばかりの試合を振り返って、勝因はどこにあると思いますか。
「ミドルを蹴り続けることができた。そこかなと。あとは組みを混ぜることができたことですかね。
テイクダウンをとってポジションで有利になるまでは行けなかったですが、そこを狙って組んでバックまで回ることができたので攻勢点が取れました」
──それもあの魚井選手の圧力に屈しないで前に出ることができた。それがズーマーの強味ではないかと。
「ズーンといくのズーマーなので(笑)。本当はビビっていました。でも、あそこで引くと遠い間合いのパンチが入ってきます。あの間合いをいかに潰すのか。入るのか、離れるのか。中間距離から下がることだけはダメだというのは頭に入れて戦い続けました。
あの突っ込みを外すと、魚井選手は自分でバランスを崩すので絶対に疲れてきますから。そう思っても、やっぱり踏み込みが凄くて当たってしまう時があったので、その時はパンチの威力を如何に逃がすかを考えて動いていました」
──バックステップとスリッピングアウェイは、戦っている本人には有効でも攻められているという印象をMMAでは与えかねないので、ポイント的にも怖い選択ですよね。
「KOパンチを貰わないために動いていたのですが、それでも届いたパンチは痛かったです。ただ、今後を考えると外国人選手は姿勢を乱さずにあのパンチを打ってくるわけですから、ショートや自分が如何にカウンターを合わせていけるのかを磨いていかなければならないですね。
あとは組んだ後ですね、あそこからももっと技術を進化させたいです。今日の試合、あんな風に戦えたのは魚井選手が組んでこない。その前提があったからです。組みと合わせた部分で、僕の方が長けていただけで上にいけばもっとバランスが良くて、どっちも強い選手がいます」
──ストライカーから日々の練習で、オールラウンダー化が進んだ祖根選手でした。
「いやぁ、でも3Rとかかなり良いタイミングで組み付くことができたのに『取れない、コイツ、何?』って思いました。ドーンと入れたので、完全に引っこ抜くことができるという感覚だったのですが……。なのでバックに回る方向で戦いました。
シングルから足を振り上げた時も、ガンガン殴られましたし(苦笑)」
──厳しい試合を取れたことで、得た自信もあるかと思います。
「この試合に勝ったことで、上を目指せる切符を手にすることができました。僕はUFCに行けるというレベルの選手ではないと思っています。なので自分のいける範囲で、如何に目立つか……です」
──勝利後にマイクでRIZINという名前を出しましたが、修斗世界王座に関しては?
「今日、佐藤(将光)選手が負けて。だからこその僕じゃないですか(笑)。う~ん、佐藤選手が負けちゃいましたよね。将光君って凄く強いのに今日のような小さい穴に入ると、ああいう風になってしまうことがある。
ギロチン(齋藤耀)選手とか苦手なのでしょうね。でも、これでギロチン選手も僕の相手とかになってくるんでしょうね……。さっき、握手はしたのですが……しなければ良かったですね(苦笑)。正直、ここで勝てば今年中に将光君かなっていう気持ちではいましたから」
──ここから目指すところの青写真が、描けなくなったというところでしょうか。
「修斗の世界王座は当然の目標です。と同時に根っからの目立ちたがり屋なので、RIZINとかK-1も狙いたいですね。Krashで勝ったし、K-1も目指せる。なんていうのか……MMAをもっと広めたいです。
正直、僕のなかでMMAはモサイ人がやっている。キックの人は格好良くて、ファンも可愛い女の子が会場にやってくる。武尊君とかカリスマじゃないですか。MMAの選手もカリスマにならないと……」
──なるほど、ではカリスマを目指す環太平洋バンタム級王者としてファンに一言お願いします。
「ベルトも獲れたのでもっとMMA、修斗を一般の人たちに広めることができる目立ちたがり屋は僕しかいないと思います。僕が絶対に広めていくので、応援よろしくお願いします」
──それが最後の一言で良いですか? ズーマーといえば公開計量の時のようにおサルさんキャラで押すのではないかと思っていました。
「ウィッキー!!──ってやらせじゃないですか(笑)。それじゃ、最後に一言お願いします。春日井(たけし)、お前……本当にいい加減にしろ。お前が陰で俺のこと『ズーマー』、『ズーマー』って呼んでいること知っているからなっ!! あと赤尾(セイジ)さんでしょ(苦笑)。とにかく春日井、お前は〇〇す」