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【2017~2018】近藤朱里─01─「結果を出せば皆も認めざるを得ないので、結果を残したい」

2017-2018 05【写真】2017~2018、ファイター達の足跡と一里塚。5人目は近藤朱里に話を訊いた(C) TERUTO ISHIHARA & MMAPLANET

まもなく終わりを告げる2017年。情報化社会の波のなかで格闘技の試合も一過性の出来事のように次々と生産&消化されている。

MMAファイターとして実力未知数だった朱里。しかし、その実力とポテンシャルをオクタゴンのなかで魅せつけた

MMAファイターとして実力未知数だった朱里。しかし、その実力とポテンシャルをオクタゴンのなかで魅せつけた

しかし、ファイターにとってその一つの一つの試合、ラウンド、一瞬は一過性のモノでは決してない。大袈裟でなく、人生が懸っている。

試合に向けて取り組んできた日々は何よりも尊いはず。そんなMMAファイター、そしてブラジリアン柔術家がこの1年をどのように過ごし、そして来るべき2018年を如何に戦っていくのか。

MMAPLANETでは9人の選手達に2017年と2018年について語ってもらった。5番手はMMAキャリア5戦でUFCと契約し、9月のUFC日本大会デビューウインを飾った近藤朱里に話を訊いた。

戦績が少ないが故にその契約も懐疑的に見られることもあった。その目は今も続いていることを彼女自身が理解している。だからこそ、結果を残すことと強くなることがシンクロしている。

UFCという場を知ったことで、彼女のMMAに対する内面にどのようなケミストリーが起こったのか────2017~2018、近藤朱里の足跡と一里塚。


──UFCファイターとして年を越します。朱里選手はMMAで戦うことを決めた時から、UFCを目標にしてきましたが、2017年の年頭にはその目標を達成できるという気持ちはどれほどあったのでしょうか。

「UFC JAPANがあるかも分からないですし、いつどういう話が来るのかも分からない。9月にあるかもという話はありました。でも、正式発表はない状態が続いていたので私のなかではもうないモノだという考えもありました。

それが5月にタイトルマッチ終わった後に発表があって、『おい、やるんかい?』って(笑)」

──ある意味、チャンピオンになったら推しますよというのが今のMMA界の流れでもあるので、日本大会の有無は大きな問題でした。なかった場合、朱里選手はどれだけモチベーションをキープできていたでしょうか。

「「私はUFCの映像を見るまで、MMAというものをやるという気持ちは全くなかったです。Krushの王座を3度防衛したのですが、試合がすぐ決まる訳ではなかったのと、その後の自分の目標を失っていました。だから、UFCと契約ができていなかったとしても、万が一の可能性があるなら、そこを目標にガムシャラにやっていたと思います。

ただ、負けたらもうUFCからは目に止まらないと思ってたので、考えをシフトチェンジしていたかもしれないです。UFCを目指してMMAを始めたのですが、続けているうちにMMAが面白くなりました。格闘技自体、年を重ねて経験が増えるにつけ、考えて取り組むようになってきましたし。

以前はつらい練習を乗り越えると達成感があったのですが、今は苦しい練習に対して、自分なりに考えることができるようになって、MMAの深さが分かってきたような気がします」

──朱里選手はフィジカルが強い。真っ向勝負も日本人相手なら負けない。ただし、組みがあり外国人と戦うとなると色々と駆け引きも必要です。

「そこが面白いですし、打撃にしても打ち方、ステップも奥が深いです。微々たる距離なんかも、凄く考えるようになって面白いですし、自分の成長も実感できています。それでももっと日々勉強し、色々と吸収していく必要があります」

──そのようにMMAへの造詣が深まったなかで、UFCに出た。ファイトウィークを過ごして、UFCを実感できた部分はありましたか。

(C)KAORI SUGAWARA

(C)KAORI SUGAWARA

「お金の使い方が半端ない、さすが世界の団体はすごいと思いました。1週間もホテルを取ってくれたり、計量後にケータリングが用意されていたり、リーボックからウェアも1週間部提供を受けるとか、経験したことがない待遇でした。靴もサンダルと合わせて三足支給されました。

計量用のウェアも3種類いただき、そのなかで一番気に入ったのを着て良いとか、規模が半端なかったです。ただ、公開計量がなかったので、アレは経験しておきたかったです」

──メディアが国際的なのもUFCです。

「ハイ。ただ、国内にはその凄さが伝わっていない……。分かってもらえていない。そこは悲しいです。私が思うのは、日本という国はMMAに限らず、世界で活躍している人がそれほどフィーチャーされないですよね。

プロレスでもWWEに行ったアスカ選手……華名さんもそれほど取り扱われていないですし。米国で凄いのに、日本では全くといって良いほどです。日本で頑張っている人だって目立ってほしいですけど、世界でより厳しい環境でやっている人をもっと注目してほしいです」

──正直なところ、この傾向はすぐに変わるとは思えません。なので朱里選手も米国で知名度を上げてもらうことが一番ではないかと。

「米国で結果を出すことしか、今は考えていないです」

(C)KAORI SUGAWARA

(C)KAORI SUGAWARA

──ところで日本大会のセミの女子マッチ、ジェシカ・アンドレジ×クラウジア・ガデーリャの試合は『女子がここまで戦うのか』とファンにショックを与えていました。あのトップの対戦をライブで見て、どのように感じましたか。

「UFC世界ストロー級の1位と4位の選手の試合を間近で見ることができて凄く良かったです。アップなども目にできましたし、それは今後の私にとって役立てることでした。ただ、彼女たちの試合を見て怖いだとか、自分が勝てないとは全く思わなかったです。

まだUFCで1試合しか戦っていないですけど、こういう選手に勝って上に行きたいと気持ちが上がりました。勝てる力は絶対にあると自分を信じています。もちろん、勝負ですからどうなるかは分からないですけど、私も練習を続けて力をつけているので、チャンピオンを目指したいです。

今は『コイツなんてなれない』と思われているかもしれないですけど、結果を出せば皆も認めざるを得ないので、結果を残したいです」

(C)KAORI SUGAWARA

(C)KAORI SUGAWARA

──アンドレジもガデーリャも試合の時は60キロ以上あるようですが、朱里選手は計量後にはどれぐらいリカバリーしているのですか。

「私はこのないだのUFCだと、60キロぐらいになっていました」

──そんなにリカバリーできるのですか!!

「こんなに戻ったのは初めてです。計量が夜で、1日半前だったことも関係していると思います」

<この項、続く

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