【ONE63】渋谷莉孔と対戦するルンピニー3階級制覇&元ストロー級世界王者デェダムロン「血のなせる業」
【写真】とても静かな口調で、戦意がまるで表面にでてこないのが恰好良いデェダムロンだ(C)MMAPLANET
9日(土・現地時間)にタイはバンコクのインパクトアリーナで開催されるONE63「Warriors of the World」で、元ルンピニー3階級王者デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークが、渋谷莉孔と戦う。
史上初ルンピニー王者として、MMAの世界王者となったデェダムロンだが、昨年5月に内藤のび太に敗れ王座陥落。母国でのメインでベルトを失った時、彼の胸に何が去来したのか。
渋谷戦への意気込みと、戦い続ける理由を尋ねた。
――渋谷選手との試合が迫ってきました。今のコンディションは?
「試合に向けてもう心身ともに100パーセントに仕上がっている。凄くファイトが楽しみだよ。シブヤはとても強くて、良いファイターだからハードトレーニングを積んできた。彼はテイクダウンを狙ってくるだろうけど、そこには十分に対策をこうじてきたよ。
倒されないよう戦うけど、テイクダウンされても柔術の世界王者と練習しているから問題ないよ。もしくは、自分を守るために柔術を使いスクランブルに持ち込む。どちらの展開になっても大丈夫。力を全て使えば、良い試合になる自信は十分になる」
――昨年、ONEにとって初めてのバンコク大会では、メインで当時保持していた世界ストロー級の王座防衛戦で内藤のび太選手に敗れるという悲劇的な結末を迎えてしまいました。
「ベルトを母国で失ったことは本当に悲しかった。何よりタイのファンをがっかりさせたことが辛かった。ただ、あの敗北によって多くのことを学んだ。他の敗戦と同じようにね。そして強くなりたい、より成長したいというモチベーションがわいてきたんだ。もっと強くなって彼らの前で再び戦おうとね」
――内藤選手との防衛戦までの5試合と、あの試合では何が一番違いましたか。
「どの試合もケージで戦うと学ぶことができる。そのなかでもナイトウとの試合は大きな経験となった。あの試合ではテイクダウンをされると、スタンドに戻ることで頭が占められていた。練習してきた柔術を使うことが抜け落ちていたんだ。
それはきっとまだ柔術に自信を持てなかったからなんだろう。だから、あれからもっと柔術の練習を積んできた。今は立てる時に立つ、強引に立たずに寝技を戦うことができるようになったよ」
――再起戦となるべきジョシュ・パシオ戦でも敗北を喫してしまいました。
「全力で戦った。その結果の敗北をファイターは受け入れないといけない。判定負けというジャッジの判断も受け入れないといけないんだ」
――すでにルンピニーで3階級を制した。全てをやりつくした後、MMAで栄光だけでなく敗北も受け入れて努力する。何がそこまでデェダムロン選手を掻き立てるのでしょうか。
「まずベルトを失ったことで、再びベルトをこの腰に巻く。その気持ちが凄く強くなった。そして、次の試合に負けてより強くなった。2つの敗北によってより、その気持ちが強くなったんだ。
引退? 全く考えなかったよ。チャンピンになる、それしか考えていないんだ」
――次期ストロー級世界戦挑戦者はチームメイトのアレックス・シウバです。
「もちろん、イヴォルブMMAのチームメイトとしてアレックスがチャンピオンになることを心から願っている。アレックスは僕の親友で、ずっと柔術を教えてくれた人間だからね。彼がチャンピオンになるために、僕はフルサポートをしているよ。
アレックスがチームにベルトを獲り返してくれることを心から願っているし、彼ならその力は十分にある。そしてアレックスがチャンピオンになっても、僕は全力で戦い続ける。とにかくチームにタイトルが戻ってくることが大切なんだ」
――MMAとはデェダムロンにとって、何でしょうか。
「僕は戦うために生まれてきた。好きだから戦っている。血のなせる業だよ。戦うことこそ僕が生きている証なんだ。だからMMAを習い、MMAを戦うことはごく自然のことなんだ」
――まさか日本のジムで指導していた時は、デェダムロンがそのような考えを持っているとは思ってもいませんでした。
「あの頃の僕を知っている人がMMAを応援してくれているなら、それ以外のファンと同じように感謝している。これからもベストを尽くして戦い、またトップに返り咲くのでサポートをお願いします」
■ONE63対戦カード
<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]内藤のび太(日本)
[挑戦者]アレックス・シウバ(ブラジル)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
ラスル・ヤキャエフ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
朴光哲(日本)
クリスチャン・リー(シンガポール)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
渋谷莉孔(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リカ・イシゲ(タイ)
ローム・トリニダッド(フィリピン)
<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ション・ジンナン(中国)
エイプリル・オセニオ(フィリピン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
セゲッダーオ・ペットパヤータイ(タイ)
ジミー・ヤーボ(フィリピン)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨーサナン・シットヨートン(タイ)
トディ・マルディアン(インドネシア)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
クリッサダ・コンスリチャイ(タイ)
ラビン・カタラン(フィリピン)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
タン・ダフェン(中国)
アシュラフル・イスラム(バングラデシュ)