【TTF Challenge 07】門脇英基に激勝、川那子祐輔「俺はまだ、格闘技を続けて良いんだ」
【写真】試合後に3歳の新大(あらた)君と8カ月の晴睦(はるむ)君と。2人もパパと認識できているか(笑)(C)KAORI SUGAWARA
9日(月)、東京都練馬区ココネリ・ホールでTribe Tokyo Fight Challenge07が開催され、メインで川那子祐輔が門脇英基と対戦した。
初回からジャブを当てられ、右目が塞がった川那子だったが、それでも前に出るファイトで戦況を切り開き、1年4カ月振りのファイトで勝利した。
ONEからパンクラスで悪夢の3試合連続1RKO負けという過去を忘れことはない。それ以前の輝きを取り戻すために、絶対に負けることが許されなかった一戦の激勝をイベント直後に振り返ってもらった。
──お疲れ様でした。1年4カ月振りの試合、このような顔になる激闘になってしまって良いのかというのはあるのですが、とにもかくも勝利おめでとうございますと言わせてください。
「アハハハ。ありがとうございます。勝てたことに関しては、素直に嬉しいです。門脇さんの過去の戦績とか、最近のブランクもあって『楽勝だろう』という空気もありました。でも、自分のなかでは元修斗のチャンピオンだし、絶対にイージーな試合になるなんて思っていなかったです。
KO負けもしているけど、独特な打撃で戦い辛いとも聞いていましたし。1人の選手として、門脇さんは壁だと思っていました。だからこそ、負けるわけにはいかなかったので自分のなかで大きな1勝です」
──あれほど門脇選手が打撃で来るとは予想できましたか。
「そういう展開もあるとは考えていましたが、やらせてしまったのは自分なんです。1Rに門脇さんの距離で戦って、ジャブを貰ったので乗ってきた。本当は当てて、組んできたところを切って殴るつもりでした。
その前に自分の頭の位置が悪くて、ジャブを貰ってしまい修正もできなかった。貰い続けてしまいました……。最後まで見えなかったです」
──でも、それだけ目が塞がっていて川那子選手もよくパンチを当てることができましたね。
「ジャブの差し合いで負けてしまったので、自分のステップで門脇さんを下がらせて、1発目ではなくて、2発、3発、4発目ぐらいで当てようと(苦笑)。そう思って戦っていたので、当たったパンチも3発目や4発目だったはずです。いやぁ、下手くそでした」
──距離間は掴めていなかったですよね?
「目が塞がってからは見えなくて、だから貰いながら当てる。だたし、ステップインで門脇さんが下がった時は感覚でいけるなと。それと門脇さんのスタミナが切れていくのが分かったので、このまま最後まで押し切ろうと思って戦っていました」
──正直なところKO負けが続いた時、川那子選手は打ち合いをしてはもういけないと思っていました。MMAファイターを続けるのであれば。
「負けが込んでいる時は、自分の練習の成果を出す前に負けてしまっていたので『こんなもんじゃないのに、俺』って燻っていて。だから、自分の持っているモノを全部出したいという気持ちも大きかったです。
それじゃいけないのでしょうが、全部出し切れば結果は運命に従う。それぐらいでしたね」
──今日はやり切れましたか。
「1Rにこんな風にされる予定でなかったですが、その結果としてやり切れました。盛り返せたのは、あの厳しい練習があったからだと思っています」
──川那子選手もいつの間にか34歳になっていて、本当に驚いてしまって。
「もうベテランです(苦笑)」
──だからこそ、今日はこの勝利が必要だったと思います。
「次にどこで試合をするか分からないです。この試合が良い試合かどうかも分からない。ただ、自分のなかで気持ちを出して戦えたので『俺はまだ、格闘技を続けて良いんだな』と言えます。苦しくて、怖い想いをしても戦って良い。次のステージがどこになるか分からないですけど、続けていきたいです。
こうやってインタビューをしてもらえるのも、格闘技を続けて、そして結果を出せたからで……凄く嬉しいです。これも縁だし、格闘技を続けていて楽しいです」
──川那子選手の話を聞き続けたいので、ダメージの蓄積がないファイトをお願いします。
「分かりました(笑)。自分でも3連続KO負けをして、戦い方は変えていたつもりなんですけど。今日もまだまだでした。改良が必要ですね」
──気持ちがあるから勝つこともあり、気持ちがあるから負けてしまうこともある。
「MMAは難しいです。だから、面白い。門脇さんの打撃を不細工だという人もいます。でも、俺はこんな顔にならないと勝てなかった。それがMMAかと」
──この1勝で、川那子祐輔が戻ってきたと書かせていただきます。
「ありがとうございます。今の自分の気持ちとして、パンクラスでやり返さないといけないヤツが1人いるので。そこに辿り着けるよう、コツコツとやっていきたいと思います」