【ADCC2017】無差別級準決勝、ブシェシャがプレギーサに一本負け。ライアンは圧巻の内ヒール
【写真】これがトーナメント戦の怖さ、ブシェシャは疲労困憊の状態でプレギーサと戦い敗れた (C)SATOSHI NARITA
9月23日(土・現地時間)と24日(日・同)の2日間、フィンランドのエスポーにあるエスポー・メトロ・アリーナでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・レスリング選手権が行われた。
2年に1度のノーギグラップリングの世界最高峰の舞台で行われた戦い。今回は無差別級準決勝の模様をお伝えしたい。
<無差別級準決勝/10分1R>
フィリッピ・ペナ(ブラジル)
Def.6分42秒 by RNC
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
この日すでにオーランド・サンチェスとの最重量級決勝、さらにシャンジ・ヒベイロとの無差別級準々決勝という死闘を勝ち抜いてここまで来たブシェシャことアルメイダは、前戦からのインターバルも少なく疲労困憊の状態でこの試合に臨むことに。対するペナの方は、無差別級の2試合を大差で勝利して元気いっぱいだ。
試合が開始後シッティングガードを取ったペナに対し、ブシェシャは早期決着を狙ってヒールを仕掛けてゆくが、ペナは回転して防いで上に。立ち上がったペナは疲れているブシェシャの足を抑えると、あっさり横に超えることに成功。緩慢にスクランブルを仕掛けるブシェシャの背後に回り、ブシェシャが仰向けになると肩固めを狙いながら、レッグドラッグの要領でブシェシャの両足をまとめて潰し、完全パスを決めてみせた。
ここから足を狙うペナだが、ブシェシャもそれを防いで上に。まだポイントが入らない時間なので、ペナはあっさり下を取る。ブシェシャが低く体重をかけてあまり動かない中で、試合は加点時間帯に突入。するとペナは下からブシェシャの膝をクラッチすると、そのままベリンボロを仕掛ける時のような回転をしながらブシェシャの体勢を崩して上を奪取した。
ブシェシャはインバーテッドガードで対応するが、ペナはダイブしてブシェシャとマットの間に潜り込むようにバックを奪取。これで3点を先取したペナは、足を一度解いてからさらに四の字フックを入れてリードを6点に広げると、やがて左腕をブシェシャの喉元に食い込ませてのリアネイキッドチョーク。ブシェシャはたまらずタップした。
両者の実力差というより、温存した体力差が大きくものを言ってのこの結果。巨漢オーランド・サンチェスと大ベテランのシャンジとの激闘にて、ブシェシャがいかに多大なエネルギーを使わねばならなかったかが垣間見えた一戦だった。
<無差別級準決勝/10分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
Def. 2分03秒byヒールフック
モハメッド・アリー(ブラジル)
開始早々に座り込んだライアンは、バタフライでアリーを浮かすと両足をアリーの右足に絡めてインサイド・サンカクをロック。両足をタイトに締めてそこからの展開を防ぐアリー。しかしライアンは、アブレウ戦同様に(ダナハー・レッグロック・システムの定石通り)絡んでいない左足をアキレスの形でロック。両足首を交差させて防ごうとするアリーだが、ライアンは両手でそれを解除して右足を捉えて内ヒールに。アリーはあっさりタップした。
アリーとしては、一度インサイド・サンカクをロックされてしまうと、何をしてくるかは分かっていても防ぎようがないといった様子。アブレウ戦に続いてライアンは、世界の最重量級強豪相手に詰め将棋の如き足関節システムの完成度を見せつけた。