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【Pancrase290】ゴメスと対戦する三浦彩佳─01─「女子との練習だと極められちゃいけないってヒリヒリ」

Ayaka Miura【写真】練習後にインタビュー。練習中の苦し気な表情と一点、笑顔をよく見せていた(C)MMAPLANET

8日(日)東京都台東区のディファ有明で開催されるPancrase290で、三浦彩佳がヴィヴィアニ・ゴメスと対戦する。

今年の3月にパンクラス初出場を果たし、マグダレナ・ソルモバを首投げ&袈裟固めで完封も、5月のタニアニー・ソウザ戦は計量失敗で、アームロックでタップを奪うが体重オーバーのためノーコンテストに。

今回、ブラジルからやって来るキャリア4勝1敗のゴメスとの対戦を前にした三浦をameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONE DAYが密着。

柔道からMMAへ。そして病魔の戦いを乗り越え、戦いの場に戻ってきた三浦のMMA観、そしてこれまでのMMAファイター人生とゴメス戦、さらには今後について尋ねた。


──元々柔道がベースだそうですが、柔道を始めたきっかけは何だったのですか。

「柔道を始めたのは中学の時なのですが、父が格闘技が好きだったので小学生の時からTVでK-1とかPRIDEを視ていました。その頃から格闘技か武道をやりたいと思っていて、中学生になってから始めました」

──柔道ではどのような結果を?

「柔道は全然です……。中学の時は凄く弱くて、中二の時に埼玉県で一番と言われていた柔道場に通うようになっても三年生の時に県大会で3位に入ったぐらいが最高位でした。高校の時は県で優勝し、インターハイ予選は2位でした。卒業してからは、柔道整復専門学校に進んでそこでは柔専の全国大会では優勝しています」

──高校の時に埼玉県で優勝して、大学から勧誘はなかったのですか。

「いくつかお話は頂いていたのですが、柔道はもう趣味程度にしたいという気持ちがその時は強くて。それよりもケガを治す仕事に就きたいと思って柔道整復師の専門学校に進学したんです。ただ、そこの学校の柔道部が凄く強くて、結局ガッツリ柔道をやることになりました(笑)」

──その間、MMAとの接点は?

「柔道をやっている時は柔道に集中していました。それでも父以外の親戚の全員から『柔道はもう辞めて』と言われていような状況でした(笑)」

──では、改めてMMAを始めようと思ったきっかけは何だったのですか。

「接骨院に勤めていて、そこに長南(亮)さんが来られていて、興味を持ち始めTTMの練習に参加させてもらったんです。

そうしたら、もうこんなに面白いモノがあるんだって。今から4年前ですね。その時は柔道も辞めて、趣味で少しブラジリアン柔術をやっていたぐらいだったんです。柔術は頭を使うような感じで、のめり込めなかったです」

──長南さんが『最初は試合に出ると思うようなタイプではなかった』と言われていましたが、なぜプロになってパウンド有りの試合を戦おうと?

「整骨院の方に清水(清隆)選手、大阪から前田(吉朗)選手、鍵山(雄介)選手、岸本(泰昭)選手とかが来られていて、トレーニング内容の話を聞き、練習で寝技も打撃をやっていると『私にもできるかな?』、『試合に出たいな』、『強くなりたいな』って思うようになったんです。

寝技の練習で一般の会員の男性の方を極めることができるようになったりして。MMAが凄く楽しくなってきたんです」

──そういう男社会に戸惑いはなかったですか。

「柔道の時から女子は多くなかったので、そういうことはなかったです。でもMMAは本当に女子がいないですよね」

──男子のプロ選手が練習相手だと、受けてくれる感じが多かったのではないかと思います。そういうなかだと柔道という競技に全力で打ち込んでいた時と比較して、物足りないと思うことは?

長南氏が見守るなか、三浦の翌日にTTF Challengeに出場するライカとMMAスパー

長南氏が見守るなか、三浦の翌日にTTF Challengeに出場するライカとMMAスパー

「プロ選手は様子見ながらやってくれていますね(笑)。でも一般の会員さんで同じぐらいの体重の人だと、本気で来てくれますし、レベルが同じような人とは男性でもガッツリ練習できています。

今ではAACCに出稽古を行かせてもらって、浜崎朱加さん、藤野恵実さん、RENAちゃん、アミバさんなんかとやらせていただいています。あとTTMにも浅倉カンナちゃんが来たり。必ず女子と練習するようにはしています。やっぱり女子との練習だと極められちゃいけないってヒリヒリしますね」

──浜崎選手、藤野選手は日本の女子MMA界のトップです。2人と肌を合わせて、どのような印象を持っていますか。

「藤野さんには藤野さんの強さがあって、パワー系でくるのでどう対処しようか考えながらやっています。浜崎さんは技術が凄いので、色々と学ぶことが多いです。負けないというか……、少しずつ差を埋めたいと思っています」

──かなり気が強いですね(笑)。

「そうだと思います(笑)」

──ところでプロになると伝えた時、柔道ですら反対していた周囲の反応はどのようなものでしたか。

「ビックリされました。『気持ち悪い』とまで言われました(苦笑)。『いつまでそんなことやっているの? せっかく就職して落ち着いたのに』という感じで。でも、やるって決めちゃったので。それで、もう試合に出るようになって少しずつ理解をしてもらいました」

──そうしてプロMMAファイターとしての道を歩み始めましたが、2戦目を終えた後から2年近いブランクを経験しました。一体、何が起こったのでしょうか。

「追い込み過ぎて、練習中に何度か倒れることがあったんです。本当に縄跳びを跳んでいても、フラフラして続けられなくなって。暫く休んでから、またやろうとしても無理で倒れてというのを繰り返すようになりました。

最初は原因が分からなくて、貧血かと思っていました。でも、病院に行っても良くならなくて。試合も決まっていたのですが……。まったく症状が改善しなかったので長南さんに紹介してもらった病院で診てもらって、メニエール病だと診断されました(※メニエール病は内耳のリンパが増え、水ぶくれになった状態で激しい回転性の眩暈、難聴、耳鳴り、耳閉感が重なり、繰り返す内耳の疾患)。

原因は分かっても完治させる治療方法がないので、安静にしているしかなかったんです。これからだっていう時に病気になってしまい、動けなくなり……もう絶望感に打ちひしがれる感じでした」

<この項、続く>

■Pancrase290対戦カード

<フェザー/5分3R>
日沖発(日本)
髙谷裕之(日本)

<フェザー級/5分3R>
田中半蔵(日本)
中原由真(日本)

<フライ級/5分3R>
若松祐弥(日本)
翔兵(日本)

<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
郷野聡寛(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ヴィヴィアニ・ゴメス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
山本篤(日本)
小川徹(日本)

<ウェルター級/5分3R>
手塚裕之(日本)
セルゲイ・キクリック(ウクライナ)

<ウェルター級/5分3R>
北方大地(日本)
ダニエル・バックマン(ブラジル)

<バンタム級/3分3R>
清水俊一(日本)
合島大樹(日本)

<ライト級/3分3R>
クリスMAN(日本)
井上雄策(日本)

<フェザー級/3分3R>
牛久絢太郎(日本)
稲葉聡(日本)

<ライト級/3分3R>
草・MAX(日本)
小林裕(日本)

<フライ級/3分3R>
廣中克至(日本)
渋谷和樹(日本)

<フライ級/3分3R>
三澤陽平(日本)
杉山廣平(日本)

<フライ級/3分3R>
鈴木千裕(日本)
鮎田直人(日本)

<バンタム級/3分3R>
坂野周平(日本)
萩原一貴(日本)

<フェザー級/3分3R>
齋藤拓矢(日本)
小島勝志(日本)

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