【AJJC2017】語って、ハマジーニョ!! JBJJF事務局長に訊く、アジアの見所 は?「国内最大のトーナメント」
【写真】昨年のルースター級&ライトフェザー級ファイナリストは揃って出場。フェザー級に杉江に勝利しているリンズ。カポラルの名前がないライト級で岩崎は?(C)MMAPLANET
いよいよ今週末、8(金)から10日(日)にかけて東京都足立区にある東京武道館で、IBJJF主催アジア柔術選手権2017が開催される。今回はこの日本最大級の柔術国際トーナメントの見所をJBJJF事務局長・浜島邦明氏に伺った。
取材時間にやや遅れ、約束の場所へ行くと、眠りに落ちていた──お疲れのハマジーニョ。日頃から裏方に徹し、大会を支える存在ながら、彼は軽量級を中心にしっかりと黒帯の見所を話してくれた。そしてインタビュー後編では、とあるビックリ・プランを打ち上げた。
教えてハマジーニョならぬ、語ってハマジーニョ。インタビュー前編はアジア大会の見所をお届けします。
──いよいよアジア選手権が近付いてきました。JBJJF主催でなく、IBJJF主催の四大選手権の一つです。
「いや、実はアジアのあとにADCC世界大会、全日本アマ修斗とご一緒させてもらう小田原オープン、郡山で東北選手権があり、もうそちらの準備が大変で……(苦笑)」
──私を待つ間も、完全に仮眠モードに入っていました。お疲れさまです。
「いえ、まぁ色々と大変ではありますが、アジア選手権は間違いなく国内最大のトーナメントですね」
──裏方で八面六臂の活躍をしているハマジーニョだから、実はマットの上にはあまり目を向けている暇はないかと思うのですが、ぜひとも見所をお願いします。
「いや、僕以外に適役がいたかと思いますが、できる限り頑張ります(笑)。まず軽い階級からいくと、ルースターは日本人3人になっています。橋本知之選手、芝本幸司選手、そして澤田伸大選手の3名ですね」
──つまりカルペディエム×トライフォースが2人という形です。
「ハイ、ただ今回は橋本選手がBrasa CTA Japanからの出場となります」──Japanまでつくのですね。いずれにせよ、これはJiu Jitsu Nerdの橋本欽也君も言っていましたが、かなり親密な出稽古先なら海外のビッグアカデミーの所属で出た方が良いという考えもあります。
「ムンジアルではそうですね。やはりビッグアカデミー所属だとトーナメント初戦から強豪と戦うということはないので。日本人が上位に残るには、そのやり方も個人としてはありかと思います。いずれによせ、アジアではルースターは橋本選手包囲網であることは変らないです。戸所誠哲選手はマスターにエントリーしたようですし」
──では続いてライトフェザー級です。愛弟子の鍵山士門選手も出場します。
「ほぼ日本人で全日本から橋本選手がアウトし、嶋田裕太選手がインした。そこにカルペディエム・ホープの所属となった宮地一裕選手が加わり、加古拓渡選手はフェザー級にエントリーしています。あとは全日本優勝のパンテーラ、ヴァンダレイ・タカサキの名前がないですねぇ。
ヴァンダレイでは出てほしいです。まだ締め切りまで日にちがありますし(取材時点で)、なんとか出てほしいです。色々ありましたが、あの気持ちの強さは魅力的ですから。
鍵山に関してはJBJJF事務局長の立場ではなく、個人的な意見として……何か守っちゃんうんですよ。同点でも守る。レフェリー判定で勝てると判断してしまうところがあるのか、そこは気を引き締めて戦ってほしいです
ストップ・ザ・嶋田選手という状況のライトフェザー級なのですが、ここにきてアリアンシのビリアム・メーロ・デ・オリヴェイラが出場するようなので要注目です。ブラジルでは色帯時代にかなりの活躍をしており、去年はヨーロピアンの茶帯で3位になっていますね。この選手が如何にトーナメントをかき回すのか、そして日本人選手がいかに戦うのかも楽しみです」
──そして一番の混戦となったフェザー級ですが。
「まず杉江アマゾン大輔選手が今回は出場がありません。その杉江選手にムンジアルで勝利しているイタオ・シウバ・リンズと、韓国のチェ・ワンキに注目ですね。ワンキは去年、決勝で杉江選手に敗れていますが、初戦でイザッキ・パイヴァに勝っていますし、今年はMMAイベントのグラップリングに出場し、ジェフ・グローバーとも引き分けています。
あとは通どころで豪州柔術界のパイオニア、ピーター・デビーンの息子マックス・ピーター・デビーンにこそっと注目しています(笑)。
デビーンは未知ですが、ワンギやリンズに世羅智茂選手、大塚博明選手、塚田市太郎選手がいかに絡んでいくのか。それと茶帯時代に嶋田選手に飛びつき三角を極めかけたマイケル・グレゴリー・サンチェス。マリアナ・オープンなどで盛り上がるグアムの柔術家がどれだけ成長しているのか、気になります」
──ライト級は細川顕選手が負傷もあり、欠場を表明しています。
「ホドリゴ・カポラルの名前も見られなかったのですが、ATOSからアンドリス・ブルノフスキーが来日するので、楽しみです。青帯と紫帯で世界王者、黒帯ではアメリカン・ナショナルズで2位、欧州3位になっているブルノフスキーと岩崎正寛選手の試合が実現するのか。
そこにポーランドのMMA団体のKSWでフェザー級王者になったクレベル・コイケも待ったをかけて来るでしょうね。クレベルは今では上も取れる柔術家になっているので、優勝も十分に狙えると思います」
──昨年はマッケンジー・ダーン、クラウジオ・カラザンスという世界王者の来日があったのですが、今年は世界チャンピオンの名前が見られないです。
「ハイ。ただし、カーロス・グレイシーJrの愛息、カイロン・グレイシーの名前がミドル級に見られるので、凄く注目しています。重量級ではキーナン・コーネリアス、イゴール・シウバ、一本勝ちかポイント負けかというアブラハム・マルテらが来日します。彼らが無差別級に出てくると考えるとワクワクしますね。ムンジアル出場を考えて、ポイント獲得を狙っての来日でしょうし、きっと無差別に出てきますよ」
──柔術界の講道館バッハの御曹司がどのような試合を見せるのか楽しみです。ところでムンジアルで実施されているドーピング検査はアジア選手権では?
「IBJJFにはやろうと持ち掛けているのですが、まだまとまっていません」
──やはり費用の問題でしょうか。
「そこはJBJJFは日本レスリング協会と良好な関係にありますので、実はドーピング検査も通常よりは安価にできます。なので、今後はぜひとも実施させていきたいです」
──いや、何だかんだと言ってしっかりと見所を話していただきありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとうございました。あのぅ一つ、良いでしょうか?」
──ハイ。
「MMAPLANEで柔術といえば、青木真也選手の発言なのです……」
──おっ、ついに連盟事務局長からも一言ありますか。
「いえ、これは浜島邦明個人の意見として伺ってもらえると助かります」
<この項、続く>