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【JBJJF】全日本キッズ柔術選手権 団体3位パラエストラ小岩代表 「自分に負けなければ良い」

Podium【写真】優勝はパラエストラ千葉、2位がカルペディエム、3位がパラエストラ小岩だった(C) Shigeaki Tanaka

22日(土)、東京都墨田区にある墨田区総合体育館武道場において、第11回全日本キッズ柔術選手権が開催された。子どもたちが熱い試合を繰り広げる中、団体3位に入賞したのはパラエストラ小岩。上位入賞の常連でもある同アカデミーの大内敬代表が、キッズへの指導方針と将来性について語った。
Text by Takao Matsui


――11回目を迎えた全日本キッズ選手権は、大人に負けない熱戦が目立ちました。パラエストラ小岩は、上位入賞を続けていますね。

「第2回大会は優勝しましたが、昨年、一昨年と2位、今年は3位ですから悔しいですね。来年こそ、優勝したいと思います」

ジュニア3 黄/橙帯ミディアムヘビー級優勝、伊集龍皇君(左)

ジュニア3 黄/橙帯ミディアムヘビー級優勝、伊集龍皇君(左)

――上位入賞を続けられる秘訣は何かありますか。

「柔術を好きな子が、多いからではないでしょうか。入門当初は無理やりやらされた感じの子もいますが、ゲーム性が高いので、やがて楽しくなっていくんです。学校を風邪で休んだのに、道場へ来る熱心な子もいますから(笑)」

マイティーマイト3 白/灰帯ライトフェザー級準優勝、玉木優聖君(左)

マイティーマイト3 白/灰帯ライトフェザー級準優勝、玉木優聖君(左)

――学校よりも柔術!! 将来、有望ですね(笑)。

「もちろん、他の子に病気がうつったら大変なので帰らせますけど、そのくらい熱心な子が多いですね」

マイティーマイト3 白/灰帯フェザー級優勝、大川旭人君

マイティーマイト3 白/灰帯フェザー級優勝、大川旭人君

――具体的にどういう所が、子どもを熱中させるのでしょうか。

「柔術は、チェスや将棋のように理詰めの技術があって、最終的には一本というゴールがあります。結構な運動量がありますので、頭を使いながら体も動かせるところが楽しさにつながっているのだと思います」

ジュニア1 白/灰帯ミドル級準優勝、井藤蒼空君

ジュニア1 白/灰帯ミドル級準優勝、井藤蒼空君

――怖さを感じる子どもはいませんか。

「入門したばかりの子の中には、途中まで来て『ママ、帰る』と泣き出す子もいます。怖さというよりも、筋トレもやりますので、辛いことが嫌なのかもしれません」

――ケガの予防については、いかがですか。

ジュニア1 黄/橙帯ミドル級優勝 中池武寛君

ジュニア1 黄/橙帯ミドル級優勝 中池武寛君

「ケガに対しては細心の注意を払っています。関節や絞め技の形に入ったら、すぐに一本で離すとか、フリースパーリングの中での加減をつけさせる訓練はしています。一本を取られても、次に切り替えて取り合いをするようにさせていますので、そこまでの怖さはないはずです」

――子どもが飛躍的に伸びる年齢はありますか。

「小学3、4年生くらいから、一気に伸びてくる子どもはいます。ただ中学生になると、高校受験や部活などで忙しくなるため、せっかく技術を覚えても道場から離れてしまう子もいますね。そこが一つの壁になるかと思います」

――格闘技界あるあるですね。とこで、キッズへの指導で大内さんが注意している点はありますか。

ピーウィー2 白/灰/黄帯ミドル級優勝、大内輝美智君

ピーウィー2 白/灰/黄帯ミドル級優勝、大内輝美智君

「キッズを教えて13年になりますが、右手も左手も分からない子に、難しい技術をたくさん教えても覚えられません。スイープならスイープ、腕十字ならば腕十字をひたすら打ち込みで覚えてもらうようにしています。あとはフリースパーリングを試合形式でレフェリーをつけて行ないます。勝敗がつくと、考えるようになるからです」

――負けたら悔しいでしょうから、子どもはムキになりますね。

「そこが狙いです。とはいえ2点、4点とか得点が入る動きを覚えられないと思いますので、この状態だったら有利、こうなれば得点になるとか、覚えられる範囲で説明を加えます」

――なるほど。それならば、楽しそうですね。

「あとは楽しくやりつつ、子どもについては礼儀・礼節を厳しくしています。挨拶はしっかりとする、話を聞く時におしゃべりはしない、悪いことをしたら謝る、目上の人には敬語を使う、人としての当たり前のことを教えています。厳しくすると辞めてしまうかなと思っていましたが、継続する子が多いのは、心が伝わったのかなと安心しています」

――礼儀・礼節は、格闘技の大切な軸ですね。

「大人は仕事でストレスを抱えることが多いと思いますので、道場で発散してほしいと願っていますから、厳しく言うことはありません。でも柔術を習っている子どもには、しっかりとした礼儀を身につけてほしいですね」

――今回の全日本ジュニアは、優勝7名、準優勝10名、3位が6名という成績でした。ジュニア3黄橙帯ミディアムヘビー級では、伊集龍皇選手が2連覇を達成ですね。

「リュオン(龍皇)は、連日参戦でジュニア修斗にも出場したのですが、残念ながら判定負けでした。悔し涙を流していましたので、これから強くなると思います」

――柔術の全日本王者がMMAにも参戦したのですね。子供たちにはどのような点を期待されていますか。

「試合には勝ち負けがありますが、個人的には自分に負けなければ良いと思っています。相手があっての競技ですが、全力を出し切ることが大切で、弱い部分に勇気を持って立ち向かえる強い選手になってほしいと願っています」

――その先には、世界チャンピオンへの夢もあるかと思います。

「小学4年生くらいになってヤル気がある選手は、大人のクラスに入る許可をしています。大人と比較すると吸収力がありますので、ベリンボロなどのテクニックをすぐに覚えていきますね。実際に9歳から始めた峯岸零弥も、色々な技をすぐに覚えていきました。中学生の頃にムンジアルへ連れて行き、高校生青帯で3位入賞。アブダビの国際大会でもアダルトで優勝しています。今は22歳になりましたが、彼のように世界への道も開かれています」

――ジュニア時代の経験は大きいでしょうね。これからのパラエストラ小岩に期待しています。

「ありがとうございます」

――最後になりましたが、ご結婚されると伺いました。おめでとうございます!!

「あ……、あ、ありがとうございます(笑)」

――お相手は、格闘技関係の方ですか。

「いえいえ、道場生の知り合いの知り合いです。5年前にその道場生とキックボクシングの大池正昭コーチが、私のために合コンを企画してくれまして(苦笑)、そこで縁ができました」

――素敵な道場生ですね(笑)。挙式は?

「9月24日です。前日にアマチュア修斗全日本選手権が小田原であるので、小田原で行う予定です。私が小田原出身なので、関係者のみなさんが集まってくるその日がベストかなと思っています(笑)」

■第11回全日本キッズ柔術選手権主なリザルト

【団体成績】
優勝 パラエストラ千葉
準優勝 CARPE DIEM
3位 パラエストラ小岩

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