【ONE55】ヤンゴンでフアンと対戦、VV.Mei「とにかくフィニッシュ、圧倒的なパフォーマンスを」
【写真】慣れない土地でもネイティブ級の英会話能力を誇るVV.Meiはしっかりとプロモーション活動をこなしている(C)VV.MEI
明日、30日(金・現地時間)にミャンマーの首都ヤンゴンのトゥウンア・ナショナルインドアスタジアムで開催されるONE55「Light of a Nation」に日本からVV.Meiが出場し、台湾のジェニー・フアンと対戦する。
昨年8月以来のMMAとなるVVは、今月初めてにムンジアル=ブラジリアン柔術世界選手権に出場し、茶帯ライトフェザー級で3位という堂々の結果を残している。
その前後でLAでトレーニングを重ねてきた彼女に、ミャンマーという土地での試合、そしてこの試合に向けてこの間に何を積んできたかを尋ねた。
──ジェニー・フアン戦を目前に控え、現在の調子、そしてONE特有の計量方法の経過は如何ですか。
「調子は良いです。水抜きをしてはいけないので、ある程度食べられますし、水も積極的に飲んでいます」
──水抜きをする他での減量と比較して、Mei選手にとってONEの計量方法はどのような作用をもたらしますか。
「私にはアドバンテージしかありません。水抜きをする計量方法だとアトム級でも5キロ以上戻して来る選手がいます。そうすると試合当日は一つ上の階級の選手と試合するのに近くなります。私の場合、相手の方が体格が大きい事がほとんどなので、かなりの差が生まれてしまいます。
ONEの計量方法だと体重の戻しようがありません。つまり体重差がほとんど無い状態で試合当日が迎えられるので非常に有り難いです」
──今回の試合はミャンマーのヤンゴンという、我々にとっては未知の都市といえる土地での試合になります。現地入りして、何か戸惑いはなかったですか。
「湿度が高い上に陽が射すとかなり暑いです。治安と衛生面……特に水などに気をつけながら体調を整えるのは楽ではありません。道路の舗装が行き届いてないので外を走るのも危険ですし、気を抜くと野良犬が寄ってきます」
──野良犬は狂犬病の恐れがありそうですね。
「野良犬は怖いです。それとホテルのシャワーはお湯が出たり出なかったり。昨日はタクシーの運転手に騙されそうになり『降ろして!!』ってかなりの勢いに伝えて、ようやくコンビニに辿り着けました。海外で試合ができることはワクワクする一方、あらゆるトラブルを想定していないといけませんが、そんな事も遠征の醍醐味です」
──気持ちが強いですね。ところでMei選手は今月の初めにムンジアルに出場し、茶帯フェザー級で3位に入賞しました。改めて、おめでとうございます。
「ありがとうございます。非常に嬉しいですし、自信になりました」
──この時期にムンジアルに出たのは、どのような理由からだったのでしょうか。
「MMAの試合が無い間、打撃も寝技もそれぞれ精度を上げたかったので、伝統派空手の試合に出たり、柔術の大会もムンジアルだけでなく、アブダビグランドスラム・東京大会と、本戦に出場しました。MMAの試合で判定でなく、絶対にKOか一本で勝つ。これだけに拘って練習し、大会に挑戦してきましたが、以前よりもフィニッシュまでの動きが迷いなく動けている気がします。
特に攻める局面で動きが多くなったように感じます。ムンジアル前はロスのチェックマット本部でキャンプに参加しましたが、皆とにかく強くて心が折れそうになりましたが……」
──世界中からムンジアル出場前に集まって来るキャンプですしね。
「皆がガンガン攻めて来るんです。大きい黒帯も遠慮なくアタックしてくるので、『こんなに体格差があるのにマジか!!」とも思いました。勿論、上手いのでこちらが怪我することはありません。
回数を重ねるごとに、自分の持っているテクニックを存分に出して相手に向かう事がリスペクトであり、練習を練習にしない、試合の為の練習なんだなと感じるようになりました。それからは、スパーでフィニッシュにいける回数が格段に上がりました。価値のあるキャンプ後のムンジアル入賞は、確実に自分のレベルを上げてくれました」
──ムンジアルの時点で今回の試合は決まっていたのでしょうか。
「確定では無かったですが、ある可能性は高い──いや、あって欲しいと願いながらムンジアル含め全てのスケジュールを調整していました」
──ムンジアル後もLAに残りトレーニングをしていたようですね。
「チェックマット本部は試合後もずっと行っていました。あとはUFCジムでジョッシュ・バーネットのUWF USA、そしてチームオオヤマでは先のUFCで勝っていたカーラ・エスパルザとMMAの練習ができました。またレスリングのレジェンド、リコ・チャッパレリからテクニックを教わる機会を頂きました。実は大学生の時にRAWに通っていて、私に最初にレスリングを教えてくれたのがリコなんです。リコ率いるRAWから私のMMAロードは始まったのでルーツに戻れたのは感慨深かったです」
──LAでの練習では、今回の試合に即・役立つ即効性の高いモノはありましたか。
「はい。強い選手との練習によって自分に不足しているものが浮き彫りになり、それをその場でどう変化させられるか、色々と試していました。動きをどんどん転回させて行ったのは試合でも生きると思います」
──では、今回の対戦相手フアンの印象を教えてください。
「寝技が強いです。特に下からの柔らかい動きに自信があるようです。柔道のバックボーンもあるみたいなので投げにも警戒したいです」
──約10カ月振りのMMA、ムンジアル3位で寝技対決と見られがちになるかと思いますが、トータルファイターとしてMei選手あこの試合でどのような点を見せたいですか。
「打撃は、より空手っぽい動きが見えるかもしれないですし、速攻で寝技に行くかもしれません。とにかくフィニッシュを見せたいです」
──昨年、激闘を繰り広げたアンジェラ・リーが強烈な勢いで成長しています。彼女への挑戦を現時点で如何に考えていますか。
「勿論、再戦したいです。その為には、今回の試合をきっちり終わらせて、アンジェラとの再戦を要求したいと思っています」
──では、最後に意気込みをお願いします。
「圧倒的なパフォーマンスを期待してください!!」
■ ONE56対戦カード
<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)
[挑戦者]オング・ラ・エヌサン(米国)
<フライ級(※61.2キロ)トーナメント決勝/5分3R>
TBA(ミャンマー)
TBA(ミャンマー)
<71キロ契約/5分3R>
ソー・ヤン・パン(ミャンマー)
ソウ・パ・ウー(ミャンマー)
<女子アトム級(※56.7キロ)/5分3R>
VV.mei(日本)
ジェニー・フアン(台湾)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ブルーノ・プッチ(ブラジル)
ジミー・ヤーボ(フィリピン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タ・ピエ・ニョウ(ミャンマー)
テッ・アン・ウー(ミャンマー)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ケヴィン・チュン(米国)
ヂャン・キンギャ(中国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
シュイ・キャン・ター(ミャンマー)
イー・イン・トゥウェー(ミャンマー)
<フライ級(※61.2キロ)トーナメント準決勝/5分3R>
イェ・トゥウエー・ネ(ミャンマー)
パット・キャウ・リン・ナイ(ミャンマー)
<フライ級(※61.2キロ)トーナメント準決勝/5分3R>
ソー・ミン・ミン(ミャンマー)
タン・ルウィン・モ(ミャンマー)