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【ONE FN39】対日本人4勝0敗のボカン・マスンヤネと対戦、黒澤亮平「強い相手と戦ってこその格闘技」

【写真】やはり黒澤の「打」を生かすには、ボカンのレスリングをどう対応できるかにかかってくるだろう (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(土)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN39で黒澤亮平がボカン・マスンヤネと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年9月にONEとの契約締結を発表し、ONE初参戦でジェイソン・ミラルペスと対戦した黒澤。ミラルペスのリーチや打撃の圧力に押される一幕もあったが、果敢にインファイトを仕掛けてテイクダウンを軸にした試合運びで判定勝利を掴んだ。ONE2戦目の相手はストロー級のトップ戦線で活躍し、vs日本人無敗を誇るマスンヤネ。黒澤は「自分ならボカンに勝てると信じています」とマスンヤネ超えへの自信を静かに語った。


前回勝てたことで外に出てもやっていけるという自信はつきました

――ONE初参戦となった昨年9月のジェイソン・ミラルペス戦は判定勝ちという結果でした。まずはミラルペス戦から振り返っていただけますか。

「予想していたよりも相手が強いなと感じたんですけど、自分がやろうと決めていたことをしっかりやりきれた試合だったかなと思います」

――ミラルペスは長身でリーチも長。

いざ対峙するとやりにくい相手だと思っていたのですが、実際はいかがでしたか。

「サイズの大きさや圧力を感じるだろうなと思ったんですけど、その予想を超えてきてしまったというか。もうちょっと自分が前に出る時間が多くなると思っていたんですけど、相手の圧に下がらざる得ない場面もあって。あとはミラルペスの過去の試合の映像を見ると、打撃がもっと荒かったんですけどすごくコンパクトで綺麗になっていて、成長している・強くなっているなと思いました」

――打撃の圧力に押される場面がありつつも、黒澤選手がインファイトに持ち込んでテイクダウンとトップキープを軸に有利に試合を進めていきました。あの形になれば大丈夫だという手応えはありましたか。

「そうですね。ただマウントを取った時の下から跳ね返す力が強かったんで、フィニッシュするところまで持っていくのはちょっと難しいかなとも思っていました」

――試合中にそこまで考えながら戦っていたんですね。

「自分としては試合中もインターバル中も冷静で、自分がやるべきことをやるぞという気持ちで集中していました」

――ONEはハイドレーションテストもあり、初参戦の選手が苦戦したり、いいパフォーマンスを出せないことも多いです。そういった部分で試合前に不安はなかったですか。

「タイに行く前は不安もあったんですけど、いざタイに行ってみるとセコンドの内藤(頌貴)さん以外は周りに誰も知っている人がいないし、あとは試合をやるだけ、本当に試合に集中するしかないという環境だったので、僕は逆に気持ちが吹っ切れて、全てを楽しめるというか、いいメンタルで試合が出来ました」

――新たな戦い場としてONEを選択し、そこで一つ勝てたことに対する安堵感はありましたか。

「自分はずっと国内で戦ってきて、ミラルペスとやるまで外国人と戦ったのも1試合くらいなんですよ。いざ(日本から)外に出た時、自分はどうなるんだろう?というのもあったし、海外に行って自分を出せずに負けてしまう日本人選手も結構いるので、前回勝てたことで外に出てもやっていけるという自信はつきました」

――正直なところ、僕はONEの初戦の相手がミラルペスというのは難しい相手だと思っていました。ファイトスタイル的にやりにくく、周囲の評価や知名度よりも実力的には上という部分で。しかも海外という環境の中、普段通りの力を出すことは出来ましたか。

「自分の中ではいつもと変わらず出来ました。相手に関してはオイシイ相手かどうかは考えていないというか、強い相手と戦ってこその格闘技だと思うし、逆に無名でも強い相手と戦えることに楽しみという気持ちがありましたね」

――そして今大会ではボカン・マスンヤネとの一戦が決まりました。年始の大会に出場することは早いタイミングで決まっていたのですか。

「もともと12月に試合を組むということだったので、年内に試合するつもりで準備はしていたんですね。その中で『1月のONE FNでマスンヤネとどうだ?』というオファーが来て、それで決まった流れです」

――ミラルペス戦の内容・結果が評価されてのマスンヤネ戦だと思いますが、マスンヤネの名前を聞いた時の心境はいかがでしたか。

「ここでボカンで来たか!と思いましたね。ランキングの選手を見てもやりづらさではボカンが一番だと思っていたんで。ただこんなチャンスをすぐにもらえると思っていなかったので、すぐに『やります!』という感じでしたね」(※なおONE公式サイトによれば、ONEのランキングは2026年から刷新される)

――マスンヤネはONEストロー級のトップファイターであり、過去に日本人選手と4戦して4勝(荻窪祐輔・澤田龍人・箕輪ひろば・山北渓人)している日本人キラーでもあります。

「対戦した日本人、しかもストロー級で言えば日本の本当のトップどころが負けてしまっているので、ここで自分がボカンに勝てば自分の評価は上がると思います」

――言える範囲でどのような試合展開をイメージしていますか。

「最近のボカンは打撃もやってきますけど、基本的にはレスリングがものすごく強いし、試合の展開を作るうえで相手の方が手札が多い。でも僕は相手が誰かは関係なく、自分が支配する試合にしたいと思っています。ポイントを取って勝つというより、自分の強さをぶつけて、その強さで勝ちたいと思っています」

――先ほどの話にもありましたが、ミラルペス戦で自分のファイトスタイルに自信を持つことが出来ましたか。

「はい。自分が練習してきたこと、日本の試合でやってきたことが間違ってなかったことを証明できたと思うので、自信を持って戦おうと思います」

僕たちの世代は扇久保さんの背中や練習態度を見て『格闘家はこういうものだぞ』ということを感じて

――マスンヤネに勝利すればタイトル挑戦も見えてくると思います。2026年はどのような1年にしたいですか。

「僕も今回は大きなチャンスだと思っています。勝てばもちろんタイトル戦も見えてくるだろうし、年内にONEのチャンピオンになりたいと思っています。ただボカンは先を見据えて簡単に勝てる相手じゃないし、僕は性格的に毎試合『これで終わりになっても構わない』ぐらいの気持ちでやっているので、今はボカン戦にすべて集中しています」

――大晦日にTHE BLACKBELT JAPANの扇久保博正選手がRIZIN王者になりました。同門の選手たちの活躍は刺激になっていますか。

「やっぱりあそこにいると自然と自分もやらなくちゃいけないと思えるというか、周りのみんなに負けられないという気持ちになりますね。そういうメンバーと一緒に練習して、切磋琢磨できていることが幸せだなと思って日々を過ごしています」

――THE BLACKBELT JAPANで練習していたら、どれだけ結果を出しても驕り高ぶるようなことにはならないでしょうね。

「全くないですね。僕たちの世代は扇久保さんの背中や練習態度を見て『格闘家はこういうものだぞ』ということを感じて、それが下の世代の選手たちにも伝わっていると思うんですよね。それがTHE BLACKBELT JAPANの空気というか伝統として続いているのかなと思います」

――日本からも多くのファンが黒澤選手の勝利を期待していると思います。そういったファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「ボカンは日本人が勝てていない相手ですが、自分なら勝てると信じています。日本から是非応援よろしくお願いします!」

■放送予定
1月24日(土・日本時間)
午前11時00分~U-NEXT

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