【WJJC2017】米国居残り稽古を敢行、嶋田裕太―02―「最高のバケーション」
【写真】この視線の先にあるものは…… (C)MMAPLANET
4日に閉幕したブラジリアン柔術世界選手権=ムンジアルで、フェザー級に出場し2回戦負けに終わった嶋田裕太インタビュー後編。
反省の弁しか出てこないジョアオ・ミヤオ戦を経て、嶋田は米国に残りLAとNYで練習の日々に入る。一見、9月に控えるADCC対策と思われる稽古も、全ては柔術で強くなるため。その目的を果たすために練習する各々のジムで、嶋田は何を手に入れようとしているのだろうか。
<嶋田裕太インタビューPart.01はコチラから>
――難しいものです。
「ただ、前を向いて歩き続けることは間違いないです」
――その歩む先には、9月に初のADCC世界大会出場も控えています。
「ハイ……。ADCCといっても僕のなかでは柔術です。現時点でも意識はしてはいますが、一点集中ということではなく、それも柔術だという気持ちでいます。
今年もムンジ後は米国に残り、LAではリコ・チャッパレリのR-1ジムでフォークスタイル・レスリング、エディ・ブラボーの10th Planetでノーポイント&サブ・オンリー柔術の技術を学び、その後はNYのマルセリーニョのところで練習をします。
それはADCC対策でもあるのですが、ADCCで戦うことが柔術で強くなるためですし、ADCCでも自分の柔術で勝負しようと思っているので、結局は柔術で強くなるための海外稽古になります。リコやエディのエッセンスを吸収し、自分なりに消化して柔術、ADCCで発揮したいと思います」
――リコやエディからは、何を吸収したいのですか。
「リコのレスリングは2014年に植松(直哉)さんと一緒に初めて稽古をつけてもらって、ポジションを重視したレスリングは本当に柔術に生きると感じました。亀から立ち上がって向き合って離れる、その技術は柔術に通じます。それをレジェンド級のレスラーに教わる機会は、日本ではありえないです。
僕はモダン柔術を否定しませんが、自分がアレをやりたいとも思っていません。そことは違う場所で、今のムンジアルで勝ちたい。そのためにリコのレスリングは大切なピースになります」
――10th Planetではモダンとも圧倒的に違う柔術が存在しています。
「エディの柔術というのは、IBJJFでは反則技の宝庫です。だからこそ、そういうアプローチから入った柔術を知ることで、より自分の柔術が理解できるようになると思っています。エディはジョン・ダナハー系のサドルポジションも、ハニーホールと呼んで取り入れていますし、外掛けから作る柔術――凄く新鮮な体験ができます。
それにエレトリックチェアーにしろ、反則技でないテクニックもたくさん持っていますしね。数々の技術が日本にいると味わえないモノなので、本当に貴重な機会になります。それと僕の経験ではMGと10th Planetほど、生徒が先生と同じスタイルで戦うところはないんです。
だから、誰とやってもエディやマルセリーニョとスパーをしているような気持ちになれます」
――そのMGへ、LAの後でいきます。
「ハイ。海外で試合をして、そこで居残って練習をすることは僕の人生にあってバケーションだと考えています。日本にいると1日に3度、洗濯が必要になる日々を送っていますが、自分の練習に集中しているのは日に1度だけです。
それが海外では自分の練習だけに専念できる。自分のことだけを考えて、2部練習、3部練習ができます。だから、最高のバケーションなんです。体がボロボロになるのは目に見えているのですが……。MGでは2つほど、明確に手に入れようと思っている技術があり、絶対にモノにするつもりです。
そうやってMGで一歩一歩、自分をアップグレードしてマルセリーニョに近づきます!!」