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【Arzalet FGC01】ホドウフォ・ヴィエイラ、MMA初陣──「マイアとジャカレを融合させたような戦いを」

Rodlfo Vieira【写真】ついにベールを脱ぐ、ホドウフォ・ヴィエイラのMMA。1年以上の準備期間を置いているだけに、現代MMAと最強柔術家の技術の融合に期待が集める (C)TMMAPLANET

11日(土・現地時間)にブラジルはサンパウロのジナーシオ・マウロ・ピンヘイロにて開催されるARZALET FIGHING GLOBE CHAMPIONSHIPで、ついにMMAデビュー戦を迎えるホドウフォ・ヴィエイラ。
Text by Pedro Marques

2011年の二階級制覇から、ムンジアル4連覇。ADCC、ワールドプロでも世界王者となった史上最高の一人とされる柔術家のホドウフォは、ダニヤル・ダリルベック・ウウルとの対戦に向け、GFTからMMAの練習するために籍を移したATTでキャンプを敢行した。

最強柔術家のMMA初陣直前の心境を尋ねた。


──MMAデビュー戦へ向けて、キャンプはどんな風に進んできたのだろうか。

「トレーニング・キャンプは素晴らしいの一言だよ。ボクシングはケルソン・ピント、ムエタイはカテウ・キビス、柔術はマルコ・パフンピーニャ、レスリングはスティーブ・モッコらの指導を受けている。

彼らの指導により、既に2月11日に戦う準備はできている。それとエヴェウトン・ヴィーヴィーのコンディショニングのお陰でキャリア最高の体調を維持しているよ。チーム・メイトのサポートもあって、MMAデビューの準備は万全だ」

──対戦相手のダニヤル・ダリルベック・ウウルについて、どのような印象を持っている?

「MMAで数試合(※2試合)しか戦っていないことしか知らないんだ。言ってみれば、自分のようにビギナーだろう。タフで才能があるようだけど、KOだろうが一本だろうが絶対的に勝てる自信がある。判定に持ち込まず、フィニッシュしたいと思っている」

──ホドウフォは柔術では歴史に残る1人であるけど、MMAへの転向は大きな挑戦になるね。

「最初のころは本当に難しかった。でも、柔術からMMAの転向が簡単でないことは覚悟の上だったから。これまではパンチも蹴りもヒザも顔に受けることなく戦ってきたから、打撃に慣れるにはやはり多少の時間は要した。でも、もう問題はない。顔にパンチを受けようが、十分にやっていけるようになったからね」

──米国のMMAファイターは若い頃からウェルラウンド、全ての局面で戦えるようトレーニングを積んでいるけど、ブラジルは何か特定の格闘技を続け、MMAに転向してから他のスタイルを学ぶような感じだ。BJJに特化した格闘技人生はMMAファイターとして、マイナスになると感じたことは?

「まさか、柔術のキャリアが役に立たないなんてことは絶対にないよ。もちろんMMAでは寝技以外も快適に戦えるようにならないといけない。だからといって、最高の柔術テクニックを持つことが不利に働くわけがないからね。

その手助けをATTの素晴らしいコーチがしてくれているんだ。デミアン・マイアはあらゆる局面で戦えるよう成長した。それでも彼の絶対的な武器は柔術だ。専門家が色々な武器を手にしたうえで、自分の基礎となる技術を使って勝利するんだ。

柔術家から本当に多くのことを吸収させてもらった。ホジャー・グレイシー×ホナウド・ジャカレのライバル時代、フェルナンド・マルガリータ、シャンジ・ヒベイロ、アンドレ・ガルバォン。それにフェルナンド・テレレ、ブルーノ・マルファシーノ達が僕のアイドルだった。

MMAに転向した今、一番の憧れはホドリゴ・ミタノウロだ。最高のヘビー級ファイターだった。そしてアンデウソン・シウバ、GSP、ホナウド・ジャカレとデミアン・マイアらが好きなMMAファイターだ」

──今後、MMAファイターとしてどのようなキャリアアップを考えているのかい?

「世界のベストになること。柔術で成し遂げたようにね。口にするのは簡単だって思われることは分かっている。でも、それがゴールだからしょうがない(笑)。少しは時間が掛かるだろうけど、信念をもって献身的にハードワークをこなして、絶対にゴールに手を届かせる」

──素晴らしい柔術家も、MMAで身に着けた打撃やレスリングが戦いの主軸になり、柔術的な動きを見せなくなるケースも存在するけど。

「MMAだから全ての局面で戦う必要がある。そして、柔術家だからってケージのなかで組んで倒して、サブミットする必要はない。勝てる手段を使って勝てば良いはずだ。

だいたい、簡単にテイクダウンし極めることができないから、ボクシングやムエタイ、レスリングのトレーニングをしているんだ。その結果、柔術を使わなくて勝てるようになった柔術家もいるし、柔術の感覚を失った選手もいるだろう。

僕は柔術を使って勝てるよう、色々な練習に取り組んでいる」

──モダンMMAにあって、最も成功を収めている柔術家はデミアン・マイアとホナウド・ジャカレであることは間違いない。ホドウフォも彼らのようなアプローチで、MMAで成功を収めようとしているのかな?

「デミアン・マイアとホナウド・ジャカレの2人がMMAで最も成功している柔術家あることは疑いようがない。同時に僕も柔術を代表して戦うつもりだ。そして、彼らに似たような、そうだな……マイアとジャカレを融合させたような試合を心掛けたい」

──というのは?

グラウンドでも圧倒的な強さはマイアのように。そして、スタンドでもジャカレのようにアグレッシブに戦う。デミアン・マイアとジャカレのスタイルを融合できれば、こんな凄いことはないよ」

──なるほど。そんな試合ができることを楽しみにしているよ。では最後に日本のファンに一言。

「いつも応援ありがとう。母国でMMAデビューができることはとても光栄だけど、2戦目は日本で試合をしたいと思っている」

■Alzalet FGC01対戦カード

<ライトヘビー級/5分2R>
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)
ダニヤル・ザリルベック・ウウル(キルギス)

<ウェルター級/5分2R>
マルキーニョス・ソウザ(ブラジル)
ファビアーノ・アラウージョ(ブラジル)

<フェザー級T決勝/5分2R>
芦田崇宏(日本)
ブラディスラフ・バルブチェンコ(ウクライナ)

<83キロ契約/5分2R>
マーカス・ペレス・エッシンンベルク(ブラジル)
イルデマール・アルカンタラ(ブラジル)

<70キロ契約/5分2R>
ジョルジ・パチーユ・マカコ(ブラジル)
アンドリュー・フィッシャー(英国)

<61キロ契約/5分2R>
アリ・ファリアス(ブラジル)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<ライト級T準決勝/5分2R>
ドミトリー・パルブチェンコ(ウクライナ)
星野大介(日本)

<ライト級T補欠戦/5分2R>
ジョナサン・メネゼス・バルバーリョ(ブラジル)
チアゴ・ナシメント(ブラジル)

<ヘビー級/5分2R>
カルロス・トヨタ(ブラジル)
サミルベック・シルガバエフ(キルギス)

<66キロ契約/5分2R>
グスタヴォ・ウーリッツァー(ブラジル)
ネマット・アブドゥライトフ(キルギス)

<グラップリングマッチ>
シャーウス・オリヴィエラ(ブラジル)
セルシーニョ・ヴィニシウス(ブラジル)

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