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【HEAT39】ライト級王座決定トーナメント出場、石川英司<01>「アレをやらなければ、自分は勝てない」

Eiji Ishikawa【写真】29勝22敗3分とオク・レユン戦で勝てば30勝目、タイトル戴冠へ一歩前進することとなる石川英司 (C)MMAPLANET

19日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT39。ISKA世界ライト級王座決定戦=皇治×モハメド・ブールフというキックボクシングマッチがメインの同大会にも、MMAは2階級のタイトル戦とライト級王座決定トーナメント準決勝が行われる。

ライト級トーナメントは岸本泰昭×長岡弘樹、石川英司×オク・レユンの勝者が、7月に行われる決勝戦に進出することとなる。

HEATらしい、マニアックな興味がそそられるライト級トーナメント、未知の韓国人オク・レユンと準決勝を戦う石川英司に今大会出場理由や、北岡悟を彷彿させる無限ループという戦い方について尋ねた。


──HEATのライト級王座決定トーナメントに出場を決めた要因はどのあたりにあったのですか。

「単純にベルト、タイトルが欲しいというところ……それだけですかね」

──ではHEATというイベントについてはどのような印象を持っていますか。

「ストラッサー(起一)さんが出ていたり、身近でいうと(新村)優貴さんが出ている名古屋の大会というぐらいしか、正直あまり分からないんです。現地で大会を見たこともなかったですし」

──HEATはキックボクシングとMMAの合同イベントですから、キック・ファンのケージレスリングへの見方が厳しいんですよ。

「なるほどぉ……。『くっついてばっかいんじゃねぇ』って言われるかもしれないですね。でも、言われ慣れているからどんどん言ってください(笑)」

──ライト級転向後、中村大介戦や敗れたとはいえ、久米鷹介戦の初回、そして大逆転のギロチンを食らうまでのクリスマン戦。そして最新のアレッサンドロ・マルチン戦といわゆる無限ループ的な試合内容で、らしさを発揮しています。あのハードワークが自らスタイルになる兆しが出てきたのは、いつぐらいからなのでしょうか。

「自然と八隅(孝平)先輩だとか、北岡(悟)のアドバイスを聞いていたら、自然と……今の戦い方になったんですよね。ただ必死にやってきたら、こうなっていました」

──本当に楽じゃない戦いです。でも、それが板についてきたように見受けられます。

「本当ですか?」

──自分へ甘えが出ると、あの戦い方は選択できないです。

「勝つためにやっているだけなんです。アレをやらなければ、自分は勝てないですか」

──これでいけると自信がついたのは、誰と戦った頃でしょうか。

「自信は……正直、今もそんなにないんです。ただ、とにかく試合までに心も体も仕上げていれば、もう大丈夫だという気持ちもあります。セコンドにしっかりと力をもらって戦っている感じです」

──無限ループは相手の反応があって寝技に持ち込むか、スクランブルでバック、がぶりと試合が動きます。対して、ドミニク・ロビンソン戦のように相手がケージを背にして、倒れないように耐えるという展開と、石川選手としてはどちらの方が戦いやすいのでしょうか。

「やっぱり戦っていると感じるのは……スクランブルになって、動いてくれる試合ですね。『やっているんだ』感はあります。ロビンソン戦も倒れて、立ち上がるところで動きを作って攻めたかったのですが、あの押し込み続けるのはシンドイです。客の声もあるし(笑)」

──お客さんの声は聞こえているのですか。

「そうですね。やっぱり、自分の試合はシーンとなるので」

──アハハハ。

「だから、ポロッと聞こえてきます。でも、それで離れて殴ろうとか、そんな風にはならないです。セコンドの声もあるので、粘って戦うことができます。第一、客の声で離れたりしたら、セコンドに何を言われるから分からないですからね。『辞めちまえ』って(笑)」

──確かに。トーナメント準決勝では韓国のオク・レユンと対戦します。身長と体重以外、まるでデータのない選手なのですが……。

「自分も練習試合のような映像を何とか見つけて、それを見たぐらいです。リーチ……手足が長いストライカーでした。それが2、3年とか前のようだし、チームMADの所属のようですし、映像の頃よりはかなり成長していることを想定しています」

──チームMAD所属だと、ケージレスリングが強そうな気がします。

「嫌ですよね。その映像でもよくディフェンスはしていました。あの時よりも絶対に強くなっていますからね。気持ちで押し込んで、頑張るしかないっていう試合です」

<この項、続く>

■HEAT39対戦カード

<ISKA世界ライト級王座決定戦/3分5R>
皇治(日本)
モハメド・ブールフ(ベルギー)

<HEAT総合ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] エンリケ・スギモト(ブラジル)
[挑戦者] 辰巳豪人(日本)

<HEAT総合ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
アラン・ボドウ(フランス)
増田裕介(日本)

<HEAT総合ライト級T1回戦/5分3R>
岸本泰昭(日本)
長岡弘樹(日本)

<HEAT総合ライト級T1回戦/5分3R>
石川英司(日本)
オク・レユン(韓国)

<キック・スーパーヘビー級/3分3R+ExR>
プリンス・アリ(イラン)
笹田勝俊(日本)

<キック・スーパーヘビー級/3分3R+ExR>
トゥファン・ピラーニ(スウェーデン)
山下力也(日本)

<キック・72キロ契約/3分3R+ExR>
田中STRIKE雄基(日本)
Tomo(日本)

<キック・ライト級/3分3R+ExR>
般若HASHIMOTO(日本)
ダイスケ(日本)

<キック・女子57キロ契約/3分3R+ExR>
鈴木万李弥(日本)
キム・ヒジョン(韓国)

<総合・ストロー級/4分2R>
猪原聖太(日本)
岡部克己(日本)

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