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【JBJJF】東京国際後 中井祐樹JBJJF会長に聞く<02>「柔術は他のスポーツや格闘技との共存が可能」

yuki-nakai【写真】個人的に凄く印象に残っている中井祐樹氏の写真。この目力をもって試合に臨む。そこは打撃有りだとか無しを超越した命の削り合いに挑む覚悟が感じられた。さて、この中井さん──いつの時のモノでしょうか。柔術関係の方からの返答お待ちしています(笑)。中井さんご本人からでも構いません(C) MMAPLANET

JBJJFの中井祐樹会長インタビュー後編。18日(日)、墨田区総合体育館で行われたJBJJF主催「東京国際柔術選手権2016」後に中井会長に2016年の振り返り、RIZIN柔術、そして2017年のJBJJFの活動に大した尋ねた。すると──。

柔術連盟の代表である一方、バーリトゥードを戦ってきた格闘家、あらゆる格闘技をフラットに見る目を持つ中井氏ならでは、含蓄ある柔術論が聞かれた必読のインタビューとなった。
Text by Takao Matsui

<中井祐樹インタビューPart.01はコチラから>


――ところで2016年の最後は、RIZINのイベントの中で柔術の大会が開かれます。

「この大会の位置付けとしましては、まったく柔術を見たことがない人に対しての“ショーウインド”だと思っています。

RIZINは、PRIDE由来のイベントと言いますか、格闘技やMMAファンが、さいたまスーパーアリーナに三日間集う格闘技エキスポとして注目を集めていると考えています」

――29、30、31日の三日間開催です。柔術は30日に大会が行われますね。

「競技は、3時間くらいになると思います。時間の関係で100名ほどで足切りすることになりましたが、今後の反響次第ではさらに規模が大きくなる可能性もあります。柔術を初めて見る方も多いはずですので、こうした大会をキッカケにして広めていきたいと思っています」

――柔術は初見の人々にはルールを把握するのは難しいかもしれません。

「ルールの周知もやっていきたいのですが、分かりやすく言えば、ギブアップ(タップ)を取れれば一本勝ち、取れなければいいポジションにいた選手が勝者になると覚えていただくだけでも十分に楽しめるはずです。

MMAの試合で沸くであろう攻防の中のバック、マウント、サイドそれぞれのポジションを取った選手がポイントを獲得していきます」

――MMAと柔術を分けて考えない選手もいますね。

「究極は、同じ競技だと思っています。MMAの技術として活かすために、ブラジル人が柔術のポイント配分を決めてきた背景もありますからね」

――今回は、主催のRIZINの会見に佐藤ルミナさん、長南亮さん、大沢ケンジさんといった錚々たる面々が集まりました。注目度も抜群ですね。

「僕らは、MMA、グラップリング、柔術とそれぞれ違うジャンルの大会を開いていますが、
あくまでも(ルールによる)チョイスの違いであって、本質は一緒なんです。競技の発展を願うという意味でも、気持ちは一緒だと思っています」

――なるほど。では来るべき2017年、中井さんはJBJJFにとってどのような1年にしたいとお考えですか。

「大会でいえば団体戦とか、やっていない地域での選手権なども増やしていきたいですね。国内の柔術人口は、どんどん増えています。キッズも盛り上がってきていますので、大会に出場できる機会を多くつくっていきたいと考えています」

――子ども頃からやっていれば、強い選手が出てきそうですね。

「最初は、結果を求めなくていいと思います。それよりも経験値を積むための機会を増やすほうが重要です。

そうした日本の牧歌的な雰囲気、オリンピック競技のように深く入り込むだけではないものも同時に残していきたいですね」

――大人になれば結果を求められますから、柔術を嫌いになってほしくないですね。

「柔術の最大の長所は、他のスポーツや格闘技との共存が可能なところです。安全性が高いところで格闘技が楽しめる競技ですし、野球、サッカー、陸上、サーフィンなにをやっても、柔術にフィードバックが可能です」

――そういうものなのですか。

「はい。チェスをやっても、柔術へ活かされると思っていますので。柔術をやればサッカーがうまくなるとは言えませんが、逆は間違いなくあります。

柔術に関しては、どんなことでも応用できる競技なんです。護身術として身につけるべきだと思いますし、疑似危険脱出シュミレーションドリルなんですよ」

――疑似危険脱出シュミレーションドリル? 面白い発想ですね。

「そういう意味で柔術は、格闘技は、生活・人生に近い競技なんです。本来は、万人がやるべき競技だと思っています」

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