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【RFC33】根津戦に向け、韓国の未来キム・ミンウ<01>「勝つ方法を知っているけど決定力は高くない」

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いよいよ今週末24日(土・現地時間)に迫ってきたRoad FC33。韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催される同大会では日本がらみの興味深い試合が続出する。

なかでも根津優太と対戦するキム・ミンウは、キャリア7勝1敗の23歳で韓国MMA界の未来と称されて不思議でない存在だ。所属するMMAストーリーはRoad FCミドル級王者チャ・ジョンファン率いるジムで、フェザー級王者チェ・ムギョムも所属している。

チャンピオンが2人在籍するジムで、王道を歩むキム・ミンウ。タイトルを目指す根津にとって、絶対に落とせない試合となる相手の正体とか。知られざる未知強、キム・ミンウに迫った。


──根津優太戦まで5日となりました。現在のコンディション、調子の方はいかがでしょうか。

「とても良いですね。もう減量にだけ気を遣っています。いつもやることですけど、減量が一番キツいです。減量以外は問題なく全て順調に仕上がっています」

──今回の対戦相手、根津選手の印象を教えて下さい。

「長所は経験の多い点。短所は全体的に優れてはいますがフィニッシュに繋げる決定力は高くは無いようです。面白い試合もあまりないですよね。ただそれは場数を踏んできて積み上げてきたノウハウによる賜物で勝つ方法を知っているからこそ、そういう面白い試合が少ないのだと思います」

──根津戦に向けて何か特別なトレーニングはしましたか。

「いえ。特別なメニューはなかったです。いつもと同じスタイルで練習してきました。根津優太選手がディフェンスの部分が少し弱いところがあるので、ひとつひとつの隙を突いていって、冷静に攻撃していけばフィニッシュできると思います。

自分はやはり打撃が好きなので、打撃の練習に特に注意していますが、バランス良く練習してきました」

──この試合、勝てばキム・スーチョル選手とのタイトル戦に進むことができる──と予想される試合ですが、前王者イ・ユンジュン選手が病に倒れタイトルを返上すると聞いた時、どのように感じましたか。

「本当に惜しいと思いました。チャンピオンベルトも重要ですが、イ・ユンジュン選手と絶対戦いたかったです。MMAストーリーにはイ・ユンジュン選手に負けた選手が多いので、絶対にチームとしてリベンジしたかったです。

ベルトとリベンジ、この2つの理由があったのでイ・ユンジュン選手とのタイトルマッチを戦いたかった。イ・ユンジュン選手はベルトを返上しましたけど、必ず病気に打ち勝って、復帰を果たしてほしいと願っています」

──キム・ミンウ選手は非常に将来性が高い選手として日本の選手間、コアなファンの間では注目されています。ただし、まだまだ自分達はキム・ミンウ選手のこと知りません。まず、なぜMMAを練習するようになったのでしょうか。

「初めての格闘技は中学生時代の柔術からですね。柔術を始めてから、ムエタイのジムへも行くようになりました。中学1年の時に友達と何か一緒にやろうというきっかけで柔術を始めたので、はじめの1、2年はただ通っていただけでしたが、中学3年の時から一生懸命練習するようになりました。

柔術のトーナメントにもたくさん出ました。当時はスピリットMCや同じような格闘技を好きで観ていたのですが、結局自分自身がMMAの選手に転向していました」

──MMAストーリーで練習するようになったのは、いつ頃からですか。

「20歳になって通っていた柔術の道場を離れて、MMAのジムを調べていたら、MMAストーリーを見つけました。『チャ・ジョンファン選手が館長なんだ』と思い、その足で入門しました。スピリットMCの時代からチャ・ジョンファン選手のファンだったので。まぁ、正直なことをいえばジムが家から近かったという部分も大きかったんですけどね(笑)。

ジムに入って、直接チャ・ジョンファン館長の練習を見させてもらったら……それまでは柔術だけが強いと思っていたのが、他の部分もとても強い姿を見せつけられて、そんなきっかけで今日まで一緒に歩ませてもらいました」

2度の急所蹴りで悶絶するシーンもあった後で、しっかりと佐藤将光を相手にスクランブルを制し、トップを維持できる強さを見せた日本大会でのキム・ミンウ(C)MMAPLANET

2度の急所蹴りで悶絶するシーンもあった後で、しっかりと佐藤将光を相手にスクランブルを制し、トップを維持できる強さを見せた日本大会でのキム・ミンウ(C)MMAPLANET

──昨年7月に日本で佐藤将光選手に勝利しています。日本で何か思い出になったことはありますか。

「勝ちはしましたが、判定勝ちだったので、物足りなさが大きいです。打撃戦で臨むつもりだったのですが、金的蹴りをモロに食らったので、足に力が入らなくなりました。そのためグラウンドで戦い抜かざるを得なくなって、結局判定では勝ちましたけど、燃焼し切れなかった試合でした」

──日本のMMAに関して、どのような印象を持っていましたか。

「やはり日本は韓国と比べて、MMAの市場が先に活性化していった歴史があって、その影響もあるのか、日本人選手は試合を多く重ねていると聞いていました。そうですね……日本人選手は研究熱心で、対戦相手への礼儀が素晴らしいという印象があります。

日本でも佐藤将光選手が試合後に自分の所にわざわざ出向いてくれて、勝利を祝ってくれました。こういった部分こそ韓国人選手は見習わなければならないと思います。プロの試合で7回勝ちましたが、対戦相手から直接祝われたことは一度もありませんでした」

<この項、続く

■RFC33対戦カード

<無差別級T決勝/5分3R>
チェ・ホンマン(韓国)
マイティ・モー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ホン・ヨンギ(韓国)
上迫博仁(日本)

<72.5キロ契約/5分3R>
佐々木信治(日本)
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
キム・ミンウ(韓国)
根津優太(日本)

<ライト級/5分3R>
パク・ウォンシク(韓国)
阿部右京(日本)

<ライト級/5分3R>
ムングオスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
キ・ウォンビン(韓国)

<54キロ契約/5分2R>
リン・ホーチン(中国)
キム・ヘイン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
キム・ネチョル(韓国)
パク・ジョンギョ(韓国)

<63キロ契約/5分2R>
ジャン・デヨン(韓国)
キム・ヨングン(韓国)

<64キロ契約/5分2R>
ヤン・チョンカイ(中国)
ジャン・イクファン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
イ・フソン(韓国)
キム・セヨン(韓国)

<フェザー級/5分2R>
イ・ジョンヨン(韓国)
チョ・キョンイ(韓国)

<ミドル級/5分2R>
オ・ジェソン(韓国)
キム・ジフン(韓国)

<フライ級/5分2R>
キム・ギュファ(韓国)
キム・テギュン(韓国)

<ウェルター級/5分2R>
スチュアート・グッチ(英国)
チェ・ウォンジュン(韓国)

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