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【ONE42】すかして、かわして捕まらない──横田一則、うなぎMMAで屈強・世界王者ガフロフに挑む

Kazunori Yokota【写真】この状態で倒されないのが、横田の真骨頂。ガフロフのアタックも吸収できるか。(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、ONEにとって初のタイ・バンコク大会となるONE42「Kingdom of Champions」が現地のインパクト・アリーナで開催される。メインではONE世界ストロー級選手権試合=王者デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク×内藤のび太が行われる同大会、セミでも日本の横田一則が世界タイトルに挑戦する。

5年半負け知らず、13連勝中の横田がチャレンジするのはONE世界フェザー級王者マラット・ガフロフ。デビュー以来、13勝連勝中で内9勝が一本勝ち、KOが1つという無敗のファイターだ。ガンガンと殴り、テイクダウンからバックを奪ってRNCというのが、ガフロフの必勝パターン。実にRNCでの一本勝ちは7つを数える。

【写真】只者ではない雰囲気を持つガフロフだが……(C) ONE

【写真】只者ではない雰囲気を持つガフロフだが……(C) ONE

とにかく前に出るプレッシャーが強いという印象の王者に対し、横田は「自分の一番得意なタイプ」と涼しい顔だ。受けの強さは国内随一、リングの試合では背中を預けても下になることはまずない。ケージになると、金網を背にして、相手の脇を一本差して背中越しにクラッチを組めば、倒されることもない。そんな横田の姿を国内のファンはずっと見てきたはずだ。

何より、寝技に持ち込まれバックを取られたとしても、ここから胸を合わせていく強さは天下一品。絞めを極められることは、練習でもないという評判だ。ただし、それは全て国内、日本人選手を相手にした場合だ。ロシアの戦闘共和国といえわるダゲスタン出身で、フィジカル、パワーが半端なく、蹴りを交えた打撃にしても、ガフロフのような圧力をこのところ国内で日本人選手と戦ってきた横田は、長らく経験していないはずだ。

横田の受けの強さは、果たして国際戦で通じるワールドクラスなのか。ガフロフの圧力はスタンドでは横田の結界を破り、組み技では脱出力を突破するだけの瞬発力を有しているのか。そんな問いに対しても、横田はパワーのある人間ほど、かわしやすい──という持論を展開する。だは守備力の高さだけでは、勝利は掴めない。抜群の受けも、早目のブレイクを誘発し、仕切り直しを強いられるのがONEのルールだ。では、横田は守備力を最大に生かして、どのように勝利を掴むのか。それはガフロフの力いっぱいの攻めをジャブを織り交ぜて受けが流し、「当たらない」、「捉えられない」と心身ともに疲れさせる必要がある。

序盤は絶対に真っ向からやりあわない。そして、ガフロフの動きが落ちてきたところで攻めに転じる。すかし、かわしての横田のウナギMMA、その力のほどを証明するのに相応しい、屈強なガフロフといえるだろう。


■ ONE42対戦カード

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク(タイ)
[挑戦者] 内藤のび太(日本)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] マラット・ガフロフ(ウクライナ)
[挑戦者] 横田一則(日本)

<73キロ契約/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ロブ・リシタ(豪州)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)
マルチン・プラチニオ(ポーランド)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
カリアー・リン・オウ(ミャンマー)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
クリスチャン・リー(シンガポール)
ロッキー・バトルバトル(フィリピン)

<62キロ契約/5分3R>
ヨーサナン・シッチョートン(タイ)
クレク・コサル(カンボジア)

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