【Japanese National BJJ】国際式大会ジャパニーズ・ナショナル開催に際して、ハマジーニョに訊く
【写真】日本で開催されるIBJJF主催大会を目前として、その開催意義、見どころをハマジーニョこと浜島理事長が語った (C)ISAO KANDA
16日(土)と17日(日)、東京都大田区の大田区総合体育館において記念すべき第1回となるジャパニーズナショナル柔術選手権2016が開催される。IBJJF主催となる同大会が開催されることとなった経緯と見所を日本ブラジリアン柔術連盟の浜島邦明理事に語ってもらった。
Text by Takao Matsui
これまで日本国内で開催されている国際大会は、年に1度アジア選手権と昨年行われた名古屋国際だけだったが、本年度は名古屋国際に代わり、国際格の大会としてジャパニーズナショナル柔術選手権2016が加わることになった。
なぜ日本が開催地となった国際大会が年2回に増えたのだろうか。浜島理事は次のように説明する。
「周知ように世界選手権へ出場するためには、3年間で50ポイントを獲得するルールに変更となりました。アメリカで開催される国際大会は年に約40回。これに対して日本を含めたアジアは、年1回です。こうなると圧倒的にアジアが不利ですし、少しでも日本での大会数を増やしてほしいと思い、国際連盟に国際大会新設の打診をしました」
そうした背景がありつつ、無事に国際連盟の認可が下りた。米国の開催数には遠く届かないまでも、これを機会にさらに増えていけば国内の柔術普及にもつながるだろう。出場締め切りは、日本時間の8日(金)。現時点(※7日)で、誰が出場するのか気になるところだ。
「各階級のエントリー状況を見てみますと、とくに注目を集めそうなのは、アダルト黒帯フェザー級ですね。ここには、加古拓渡選手、塚田一太郎選手、大塚博明選手らがいます。そして、杉江アマゾン大輔選手が2月の全日本マスターに続きライト級から落としてエントリーしてきましたので、混沌とした見所満載の階級になりそうです」
浜島理事の各選手の分析によると、当初は昨年の全日本王者の加古を軸に、アグレッシブに動き回る塚田との上位争い、肉体改造をして逆襲を目論む大塚がどう絡んでくるかといった展開が予想されていたが、杉江の出場により先が読めなくなってきたという。
「日本はテクニック型の選手が多い中、杉江選手はテクニックとパワーの両方を兼ね備えているのが特徴です。一度は最愛の娘さんのために少し柔術から離れていましたが、見事に復帰をはたしています。加古選手のように日本屈指のモダン柔術を極めているタイプではありませんが、基本がしっかりしているので、杉江選手が優勝してもおかしくないですね」
また杉江が昨年8月にオープンしたCARPE DIEM HOPEに所属する細川顕が、アダルト黒帯ライト級にエントリーしていることも話題になりそう。この翌週に行われるアブダビ・プロの予選も勝ち抜いている細川もまた、世界大会出場を目指し国内でゲットできる貴重なポイント獲得の機会を貪欲に狙ってきたということか。昨年10月のGround Impact 2015で五味隆典を下している細川の参加がなれば、より国内開催の国際大会の意義が浸透することになる。
「細川選手は、すべてにおいてバランスがいいです。上でも下でも対処ができるので、杉江選手とともに注目されそうです」
大会ではアジア初となるキッズクラスも加わることとなり、こちらも熱い戦いが繰り広げられそうだ。最後に浜島理事は、開催前の決意をこう語った。
「3月にパンコリア選手権のため韓国へ行った時に、柔術に対する熱を感じました。日本も負けてはいられません。将来的にはアジア選手権を韓国で開催……なんてことにはならないように、しっかりと盛り上げていきたいと思います。日本は、どの国にも負けない柔術LOVEにあふれた選手・関係者が多くいます。私もみなさんの思いに応えられるように、全力で大会を成功に導いていけるようにがんばります!」