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【Interview】塩田Gozo歩(03)、「日本でヒジ有り、カットマンは??」

Gozo

【写真】ジムの長、アマチュア競技の運営者、プロイベントのプロモーター、そして選手や練習生、日本がMMAで強くなるためにはそれぞれの役割がある。Gozoは選手を強くすることに今、主眼を置いている。そして、そのために柔術は欠かせないピースだという (C)MMAPLANET

日本のブラジリアン柔術創世記から海外修行、海外遠征を経験し、プロ修斗でMMAファイターとしても活躍した塩田歩インタビュー第3弾。

パラエストラ八王子では国内諸プロモーションから、UFCまでプロMMAファイターを数多く輩出している。そんな日本のMMA界を引っ張る立場となったGozoは、MMAの頂点UFCにセコンドとして訪れたことで、数多くの学びがあったという。
<塩田Gozo歩インタビュー、Part.01はコチラから>
<塩田Gozo歩インタビュー、Part.02はコチラから>

――リングでプロの試合をするなら、アマチュアもリングの方が良くなってきますよね。

「ケージの戦い方をそのままリングに持ち込むと、また工夫や策が必要になってくると思います」

――ケージのアマMMAを推進するなら、同じような速さでケージのプロイベントも推進していかなければ、アマチュア選手に2つのMMAの練習を強いることになりかねないです。

「もう僕はそういうアマチュア大会を開催する云々よりも、選手をしっかりと育てることで頭がいっぱいですね。トク(徳留一樹)がUFCで戦っているけど、カネ(金原正徳)にUFCへ行ってほしい。選手を強くすること。ジムを持っている人間としては、やはり強い選手を育てることが、一番、ジムのためになると思います。

7月のトクの試合でラスベガスのUFCを体験できました。セコンドワークも観察できましたし、控え室が同じだったクリス・ワイドマンのアップ方法も見ることができました。その一つ一つが凄く勉強になります」

――私もバンテージの巻き方とかにしても、知らないことだらけでした。

「バンテージも個人で違うじゃないですか。トクのバンテージを巻いてくれた人は、折り返しを付けたりして、そこにも技術があります。バンテージを巻くプロですよね。カットマンも同様ですよね。今回は少しでも、切れたからカットマンにお願いしようと思っていました。抑えるのも上手いし、血を止める技術も凄い。

日本でヒジ有りのルールが多くなったとして、あのカットマンのような人がいるのか。あの止血は、僕はできない。恥ずかしい限りです。UFCへ行くから、セコンドもそこまで必要となるなら、必死で勉強すると思います。でも、向こうにはもう素晴らしいカットマンがいるわけなんです。だから、ヒジ有りになった場合、日本にそういう人がいてくれるか――ですよね」

――北米を目指すといっても、色んな面で補充しないといけない部分が残っているわけですね。カットマンは厳密にいえば、医療行為に当たるかもしれないグレーゾーンで、ケージフォースなどは導入を見送ったと記憶しています。

「そういうこともあるんですね……。それも国によって事情が違うのかもしれないです。ただ、あのカットマンの技術があるから、カットしても試合を続けられるかもしれないですし、日本ではどうなんだろうと思います」

――相当な流血になってもUFCなどは、止めないケースも多く見られますが、そこも日本と照らし合わせると、解決しないといけない部分かもしれないですね。

「UFCをよく見ているお客さんが、『本場だったら続けるだろう』って思うのも、イベントとしては難しくなりますしね。上辺でなく、その辺は、プロモーション側も乗り越えていかないといけないことが多く残っていると思います」

――道場生からはタメ口を聞かれるGozo館長ですが、柔術、MMAにおいて本当に色々と経験している人ですから、これからの業界をリードすること期待しています。ホント、UFCのセコンドについているGozoさんを見ると、2000年のムンジアルで負けて号泣した時、ブラジルを離れるときに空港でパスポートがないと大騒ぎしたことを思い出して、感慨深いです。

「それを書くことによって、また俺が変なヤツになってしまうじゃないですか(笑)。今はなるべく、皆に迷惑を掛けないようにしている。まぁ、それが当たり前なんですけどね。でも、本当に徳留と一緒に向こうへ行くことで勉強になることも多いですし、しっかりとソレを日本で生かせるようにしたいです。

アンデウソン・シウバを現地で見ていると、強くなれば、あれだけファンができて、お金も入ってくることが肌で感じられるんです。そうすれば、また一生懸命練習できるし。強い奴が山ほどいることは、アイツも分かっただろうから、そこでまた練習に身が入ると思います。これから日本にいる人間は本当にもっと気を引き締めてやらないと、追いつけない。だからこそ、徳留は日本で戦っている者のお手本になってほしいです」

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