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【Special】魂を受け継ぐ者──高阪剛&神部建斗・対談<最終回>「次、普通に勝ちます」(神部)

Kosaka & Kanbe【写真】師匠・高阪剛氏もRIZINでの現役復帰が決まった。26歳の年齢差がある師弟が揃って師走に勝利を目指す (C)MMAPLANET

12月13日にはキング・オブ・パンクラス・ライトフライ級王座決定戦に挑むことが決まった神部建斗。来年には階級変更が迫られる特殊な環境でのタイトル戦を武蔵幸孝と戦う神部の基礎工事といえる3年半の歩みを師・高阪氏に語ってもらい、タイトル戦に臨む意気込みを本人に訊いた──対談最終回をお送りします。

<高阪剛&神部建斗・師弟対談Part.01はコチラから>
<高阪剛&神部建斗・師弟対談Part.02はコチラから>

──成田をベースに試合前に本部で練習を積む神部選手ですが、今後のことを考えるとより似た体型の選手とのプロ練習も必要になるかと思うのですか。その辺りのことを高阪さんはどのように考えられていますか。

高阪 軽量級のプロ練習を行っているジムへの出稽古も必要になってくると思います。格闘技って自分自身の幅をどれだけ広げることができるかなので。そのためには目を見開いていなと難しいと思います。そして、試合にどう集約させることができるのか。

軸がない者が出稽古ばかりやっても、自分を見失うことになるでしょうし。アライアンスに入門した直後に『○○へ練習に行きたい』というのは違うと思います。でも、試合経験を積み、やれることやれないことを理解できてきた──視野を広げることができるようになったなかで、もう少しこういう部分を取り入れる必要がある、いずれに必要になることは取り入れるべきです。

それがボクシングの練習だろうが、キックボクシングの練習だろうが。それを本人が消化できるのか。自分に集約させることができない子に色んなことをやらせても、器用貧乏になってしまうので。試合もバラバラになってしまいますしね。建斗もそういう時期に来ていますが、次のタイトル戦に関しては今できていること、やろうとしていることを試合に結びつけることが大切になってきます。

試合前に新しいことをやる必要はないのと思うのですが、来年には広く色んなことを学び、追い込む時に集約させる。そんな風にできればと良いなと考えています。

──今の先生の言葉を聞いていかがですか。

神部 楽しみです。色々とやってみたいです。スタイルがないわけじゃないですけど、色々なことができると自分では思っているので。レスリングも打撃も柔術も練習すれば、全てが為になる。そこを広げるためにも色々な練習をしたいです。もっともっと強くなりたいので。

──最初で最後のライトフライ級王座決定戦、これは勝者がフライ級かストロー級王座挑戦権を得るための戦いといえると思います。

神部 絶対に勝ちます。油断とかしないし、過信もしない。100パーセントの力で叩き潰しに行きます。でも、僕のなかでは勝って当たり前だと思っています。将来、日本の格闘技を盛り上げたいと思っているし、それは僕がやることなので。ここで負けることは許されないです。

高阪 建斗は自信が過信にならないんです。やることやって、こういう発言があるので言わせています。ただ、言うだけなら自分も許さないですから(笑)。やることはやっていますし、これからもっと厳しくなっていくことも理解できています。とにかく上を目指すためにやれることやる。同時に目の前の試合をしっかりと勝っていく。その重要性は理解できているはずです。

──神部選手を成田のジムで初めて取材をさせてもらったとき、凄いオラオラ感を醸し出していたにも関わらず、子供たちに優しく接し慕われている。しかも、その親御さんたちとの会話を見てもとても10代には思えないソツの無さを感じました(笑)。

高阪 意外と凄くジジくさいんですよ(笑)。ほんと30代、40代と普通に会話ができる。それも一つのことを成し遂げようとすることで、そのために必要なこと、色々な人の協力があってできていると分かっているからだと思います。中途半端にやっていると見えないことが、建斗には見えているんです。

一つのことをやり抜くうえで必要になることを貪欲に取り入れる姿勢、そのために頭を下げることもできます。それはこれまで積んできた時間が、物凄く濃密だったからじゃないかと。建斗の1年は普通の人の2年分を過ごしていたかもしれないです。

格闘家として生きて、現役生活を全うした時、格闘技以外のことで生きて行けるのか。そういう部分で、そうできる軸を持っているうえで、日々の練習のなかでさらに肉付けをしていっていると思います。

神部 それは母が教えてくれたことだと思います。母には凄く感謝していますし、12月13日は初めて試合会場に来てもらうんです。少し早いクリスマスプレゼントを──って思います。

──ライトフライ級王座決定戦を前にして尋ねることではないかもしれないですが。フライ級の層が圧倒的に厚くなっています。

神部 そういう戦いに加わるのは、本当に楽しみです。ただ、自分のベストパフォーマンスを発揮できる体重はフライ級なのか、ストロー級なのか。そこは見極めていきたいと思っています。とにかく、次の試合を普通に勝ちます。そのうえでお金を払ってチケットを買ってくれたお客さんに満足してもらえるよう戦います。僕がチャンピオンになるところをぜひ、見に来てください。よろしくお願いします。

あとファイトパスで視聴してくれる海外の人に、日本にも強いのがいるってところを見せたいです。

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