【Pancrase271】パンクラス初陣で持ち味発揮、室伏シンヤ「もう一度、格闘技人生で一花咲かせたい」
【写真】終始、長いリーチとコンパスをフル活用し江泉に付け入る隙を与えなかった室伏。テイクダウンからトップコントロールと圧倒した (C)TAKUMI NAKAMURA
1日(日)に東京都江東区ディファ有明で開催されたPancrase271でパンクラス初参戦を果たした元修斗世界フライ級(52.2kg)王者・室伏シンヤ。初ケージ&ユニファイドルールだったにも関わらず、1Rから落ち着いた試合運びで江泉卓哉を圧倒した。
ロングリーチを生かしたジャブ& 前蹴りで自分の間合いをキープし、そこから右ストレートをヒットさせる。さらに打撃と組みのコンビネーションも冴え、3Rには江泉のテイクダウン狙いを絶妙のスイッチで切り返す場面も見られた。ケージ&ユニファイドルールへの高い適応力を見せた室伏に話を訊いた。
――パンクラス初陣を勝利で飾った室伏選手です。江泉選手との試合を振り返って、今は率直にどんな心境ですか。
「試合前から言っていた“全局面で圧倒する”という部分に関しては見せることが出来たと思いますし、打撃が進化しているところも見せられたかな、と。自分ではまた一つ強くなったなということを感じました」
――1Rからロングリーチを活かしたジャブ&前蹴りが非常に効果的でした。あのように自分に距離をキープすることが練習のテーマだったのでしょうか。
「そうですね。距離と際の攻防を徹底的に練習してきました。ただ後半失速してしまった部分は強化しなければいけない点です」
――ジャブを起点に右ストレートや右ボディなどパンチを散らすことが出来たことは収穫でしたか。
「もともと技術として持っていたものだとは思うんですね。でもそれを試合で出すまでには至らなかった。今回はそこを含めて試合で見せることが出来ましたし、倒し切れませんでしたが、打撃でいい殺傷能力を持った選手だなと自分でも感じられた試合です」
――先ほどは体力的に失速した点を反省点に上げていましたが、3Rに入ってボディロックでテイクダウンを奪ったり、体力的につらい時間帯にああいった動きが出来たことも大きかったと思います。
「そこも練習していた際の攻防ですね。相手が打撃で来たところにタックルを合わせたり、相手がタックルに来たところをスイッチでいなしたり。3Rに限らずそういった際の攻防の差が勝利につながったと思います」
――室伏選手にとっては初パンクラス、初ディファ有明、初ケージと、初物づくしの試合でしたが、今までにない緊張やプレッシャーはありましたか。
「やっぱり金網に入った時にリングとは違う雰囲気も感じましたし、自分自身それを楽しんで試合が出来たと思います。会場にも140人近い応援団が来てくれて、会場の1割以上を埋めてくれました。だからアウェーという感じはしなかったし、いつものように自分のホームだと思って戦うことが出来ました」
――ケージ&ユニファイドルールでの試合はいかがでしたか。
「壁を使った練習はしていましたし、ジムにも一面ですが金網もあるので、対策はしっかりと練っていました。今回の試合に限って言えば、あまりケージレスリングの攻防が多くなかったので、それは次の試合に活かせられればと思います」
――今日の試合を見ると室伏選手のリーチを活かして戦うスタイルは、サークリングできるケージの方が動きやすいのかなと思いました。
「もともと広いリングやケージの方が自分には合っていると思っていました。だからその部分に関してはすごくやりやすかったです」
――パンクラス初陣を勝利で飾り、これからパンクラスでの新たなキャリアがスタートすることになります。パンクラスでの展望、そして目標を聞かせてください。
「狙うものはベルトですが、組んでもらった試合をしっかり勝ってアピール出来ればなと思います」
――修斗で世界タイトルを目指していた時期とは違うモチベーションややりがいはありますか。
「僕もプロデビューして9年なので、どちらかと言えば古い選手、キャリアも後半に入っていると思います。でももう一度、自分の格闘技人生で一花咲かせたいと思っているので、それをこの舞台で発揮したいと思います」