【ONE31】陰の実力が対戦。田中半蔵×エリック・ケリー、ウェルラウンダー裏表対決
【写真】隠れた実力者対決といえる田中とケリーの対戦 (C)MMAPLANET
明日9日(金・現地時間)、マレーシア・クアラルンプールのスタジアム・プトラで開催されるONE31「Tigers of Asia」には渋谷莉孔と共に日本から田中半蔵が参戦し、エリック・ケリーと対戦するカードも組まれている。
この田中×ケリーのフェザー級戦、国内で田中の──そしてアジアでもケリーの知名度は決して高くないが、究めて良質なマッチアップといえる。田中はプロ修斗で育ち、昨年8月にONE初参戦、エウベウ・バーンズに判定で敗れたものの、それでもキャリア10勝2敗という戦績の持ち主だ。
サウスポーの構えから、どちらかといえば右のパンチが強く、距離の取り方にも定評がある田中。上を取ってから、そして詰まった相手へのラッシュが共通して強い。対するケリーはフィリピン、そして東南アジアには珍しいウェルラウンダーだ。バーンズに一本を許さずパンチのラッシュで追い込む場面をつくるほど、田中もMMAのどのような局面でも対応できる。そんな田中が相手のやるべきことを潰して、自分の試合を組み立てるタイプのファイターなのに対して、ケリーは相手のどのような動きにも付き合って対応する選手だ。
打撃もスクランブルも、寝技も相手の土俵で戦う。距離に関しては、遠い位置なら右のロングや前蹴りを多用し、近い距離なら右アッパーやヒザ蹴りが怖い。田中は無暗に距離を詰めるタイプでないだけに、今回の試合はケリーも前蹴り&右ロング系重視のファイトを心掛けそうだ。ただし、彼は自分の間合いが掴めないと右の振りが極端に大きくなる。そこで田中にはアウトから右フックを被せるような試合ができれば理想的だ。
ただし、一度はペースを掴んでも一気に試合を決めるか、あるいは無暗にラッシュを掛けずに様子を見るか戦局を見極める必要が田中には出てくる。決めに行って仕留めるまでに時間が掛かってしまうと、ケリーはこのような局面から盛り返して、自分のペースにしてしまうことに長けているファイターだ。
ONEフェザー級戦線は王者ジャダンバ・ナラントンガラグ、暫定王者マラット・ガフモフ、さらには田中に勝ち、先日はティモフィ・ナシューヒンを一蹴したバーンズと強豪揃い。朴光哲も参入してくる同階級で、存在感を示すために勝利が絶対条件の田中だが、果たして──。
■ONE31 対戦カード
<ONE世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] イゴール・シヴィリ(カザフスタン)
[挑戦者] ヴィダリー・ビグダシュ(ロシア)
<女子フライ級/5分3R>
アン・オスマン(マレーシア)
イリナ・マゼパ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
イブ・タン(ニュージーランド)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
<ライト級/5分3R>
エイドリアン・パン(豪州)
ピーター・デイビス(マレーシア)
<フェザー級/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
田中半蔵(日本)
<フライ級/5分3R>
渋谷莉孔(日本)
ユージーン・トケーロ(フィリピン)
<バンタム級/5分3R>
テン・リーグゥー(中国)
キム・デフォン(韓国)
<フライ級/5分3R>
ジアーニ・スッバ(マレーシア)
マルコス・サンタナ(ブラジル)
<ババンタム級/5分3R>
メルヴィン・ヨー(マレーシア)
サイフル・メリカン(マレーシア)
<フライ級/5分3R>
アムミロ・バロス(ブラジル)
ラルウ・カタラン(フィリピン)
<ウェルター級/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
ヒシャーム・ヒバ(エジプト)
<フェザー級/5分3R>
ケアヌ・スッバ(マレーシア)
フロリアン・ギャレル(フランス)