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【VTJ07】征矢貴と対戦、前田吉朗<02>「どんな試合? 前田吉朗の試合を見てください」

Yoshiro Maeda【写真】試合前に寝起きするTTM前で(C)TAKUMI NAKAMURA

13日(日)に浦安市舞浜のアンフィシアターで開催されるVTJ 7th。征矢貴と対戦する前田吉朗インタビュー後編。

変化した価値観=勝負観に続き、試合内容同様、試合結果だけに左右されないぶれない格闘技観を存分に語ってくれた。
<前田吉朗インタビューPart.01はコチラから>

――勝てない時期を経て、勝負観そのものが変わったのですね。

「価値観は変わっていますよ、確実に。やっぱり結果が出たら嬉しいですもん…素直に嬉しい。勝ちと負けは2つしかないのに、勝つのと負けるのじゃ天国と地獄じゃないですか。だったら単純にいい方がいいですよ」

――そして今回は2大会連続でVTJ出場が決まりました。対戦相手の征矢選手にはどんな印象を持っていますか。

「良い選手ですよね、ハイ」

――……、そこまで相手のことは気になっていないですか。

「1、2回試合を見て、大体こういうタイプの選手かなというのが頭に入っていれば十分です」

――前田選手としては相手に対してどうするかではなく、自分をいかに創るかが重要なのでしょうか。

「無理に相手に合わそうとはしませんよね。これはもらったらいかんとかこれは得策じゃないというのがあっても、あくまで自分はこれをやるというものがある。自分が出来るもんと出来んもんは理解できているので、それを対戦相手に当てはめる感じですよね」

――前田選手は次が53戦目、現役のMMAファイターの中でもかなり多い数字です。

「相当多い方やと思いますね。ただ僕の中で年間2~3試合は最低ラインなんで」

――試合が出来るうちはどんどん試合をやりたいと。

「オファーがあれば、ですね。断る理由もないんで。自分は試合が出来ないような大きな怪我もないし、多少は練習していて年をとったなと思うくらいで、試合をするうえで影響はないです」

――コンスタントに試合を続けていて、若い選手と比べても多い方だと思います。今の若い選手を見て『もっと試合するべきだ』と思うことはありますか。

「選んだりするヤツいますよね。贅沢なんですよ。贅沢病」

――オファーがあるうちが華ですか。

「正直なことを言うと、若い子やまだ名前のない子って、その子のためにオファーがいくことはほとんどないじゃないですか。誰かの対戦相手を探している中で候補に挙がってオファーが来る、みたいな。それでそのオファーを断っていたら『あんたどの試合を受けんの?』って(苦笑)。失礼を承知で言わせてもらうと、今はプロとアマの境界線がほぼなくなっていますよね。

プロみたいなアマチュアもいれば、アマチュアみたいなプロもいる。大会が乱立していて、これもプロなんやって選手もたくさんいて“俺、プロです”顔のヤツが多すぎる。そこで『誰がプロ?』と言われた時に、胸を張って『俺はプロだ!』と言える選手は減っていると思いますね。それが時代の流れかもしれないけど」

――前田選手が考えるプロのラインはどのような点にあるのですか。例えば定期的にオファーがあって試合を続ける、とか。

「年間何試合ということじゃなくて、オファーがあって試合が出来るうちはやる。そういうとこですよね。基本的にオファーが来たら断らないのが自分のスタンスだし」

――もちろんプロとしてファイトマネーを得るために試合をするという目的もあると思いますが、それ以外ではどこにモチベーションを持っているのですか。

「今はもうあんまり『ここで勝ってこうしよう、ああしよう!』と思うことはないですね。一試合一試合が勝負だし、いつ自分がその試合で終わるか分からない状況におると思うので。ただ勝負しておきたいというか、戦っておきたいんですよ。やっぱり試合が決まったり、戦っている時って張り合いがあるんです。喜怒哀楽が一気に大きくなる」

――ああ…格闘技があることで人生が豊かになるんですね。

「はい。本当に格闘技には人生を豊かにしてもらっていますよ。試合に勝って喜ばさしてもろうて、試合が終わって散々遊ばせてもろうて。ただ遊ぶだけだったら面白くな………いや、面白いな(笑)」

――面白いのですね(笑)。

「試合があった方がもっと面白いってことですよ(笑)。試合があると節制もするし、食べ物ひとつとっても美味しさが違う。きっと自分はそういう生活が好きなんでしょうね。だからある意味、好きなことをやらしてもらえとるんで、自由にいい人生をやらせてもらってますよ」

――そんな前田選手の試合を楽しみにしている人はたくさんいると思います。ファンのみなさんにどんな試合を見せたいですか。

「どんな試合というか…前田吉朗の試合ですよね。それを見てください」

■ VTJ07 対戦カード

<フライ級/5分3R>
菅原雅顕(日本)
清水清隆(日本)

<ライト級/5分3R>
中村大介(日本)
川名雄生(日本)

<フライ級/5分3R>
前田吉朗(日本)
征矢貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
安藤達也(日本)
佐藤将光(日本)

<フライ級/5分3R>
中村優作(日本)
グォン・サンス(韓国)

<ライト級/5分3R>
福本よう一(日本)
星野大介(日本)

<バンタム級/5分2R>
竹中大地(日本)
ジョン・チョンイル(韓国)

<フェザー級/5分2R>
内藤太尊(日本)
ユン・ミンウク(韓国)

■VTJ NEXT

<フライ級/3分3R>
水野陵(日本)
田村淳(日本)

<女子アトム級/5分2R>
玉田育子(日本)
浅倉カンナ(日本)

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