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【VTJ07】征矢貴と対戦、前田吉朗の格闘『道』。「勝つか負けるかは自分個人の問題や」

Yoshiro Maeda【写真】勝てない時期があったことで、勝利に拘るようになったという前田。切れとまろやかさが融合したMMAを見せてくれている(C)TAKUMI NAKAMURA

13日(日)に浦安市舞浜のアンフィシアターで開催されるVTJ 7th。6月の大阪大会に続いて連続参戦となる前田吉朗はパラエストラ松戸の征矢貴と対戦する。

昨年大晦日に約2年ぶりの勝利を収め、現在は連勝中の前田。TRIBE TOKYO M.M.Aでの合宿生活中のインタビューでは、試合結果だけに左右されないぶれない格闘技観を語ってくれた。

――VTJ 7thで征矢貴選手と対戦する前田吉朗選手です。普段は大阪で練習している前田選手ですが、最近では試合前のTRIBE TOKYO M.M.A(TRIBE)での合宿が恒例になっていますね。合宿を始めるきっかけは何だったのですか。

「(2010年10月に)大塚隆史とやった時くらいから長南さんにエスコートしてもらって、試合前に東京で練習するようになったんです。その流れでTRIBEが出来てからはTRIBEで合宿させてもらっています」

――もともと長南代表とは交流があったのですか。

「いや、そうでもなかったです。会場で挨拶をする程度で。ただうち(P’sLAB大阪)の代表が長南さんと仲が良くて『一回、長南のところで練習してきたら?』と言ってくれて、それがきっかけになりました」

――なるほど。今では試合前に必ず合宿するまでになったわけですが、改めてその理由を聞かせてもらえますか。

「やっぱり大阪にいると居心地がいいんですよ。だから東京で合宿するのは自分を追い込むというか、腹を決めるため、です」

――前田選手は家庭を持っていらっしゃいますが、身近に家族がいるとどうしても気持ちが和んでしまうものですか。

「それもあるし、東京に来たら練習するだけじゃないですか。大阪におったら“お父さん”もやるし、選手以外のこともやらないといけない。何より自分自身が普段の生活をしちゃうんです。でもTRIBEに来たら練習して試合のためだけの生活をするんで、それは大きいですよね」

――TRIBEではジムに寝泊まりしているそうですね。

「はい。事務所にあるベッドを使わせてもらっています。毎日朝起きて、練習して、ご飯食べて、寝て、練習して、ご飯食べて、風呂入って、寝て、朝起きて…の繰り返しです。練習そのものもTRIBEだけだし、どこかに出かけることもない。新弟子とか練習生みたいな生活ですよ。練習では永末ニック氏にフィジカルを見てもらって、長南さんに技術を教わって。今日も朝からニック氏にがっつり追い込まれましたけど、逆に言えばちゃんと追い込んでくれる人間がいることはありがたいです」

――期間はいつもどのくらいなのですか。

「3週間くらいですね。今回は大阪に戻らず、このまま試合まで東京にいるつもりです」

――ホームシックになることは?

「初めて来た頃は多少はあったのかな。ホームシックというか『大阪で遊びに行きたいな』とは思いますけどね」

――2012年大晦日にビビアーノ・フェルナンデスに敗れて以来、2年以上も勝ち星から見放されていましたが、現在は2連勝中です。

「(資料で用意した自分の戦績を見ながら)ろくな戦績になってないなぁ…まぁ(2013年10月の)マモル戦はどう考えても俺の勝ちですけど(苦笑)。でもこんだけ勝てなかったのに、よう往生際悪く続けましたよね」

――これだけ勝てない時期が続くと精神状態もきつかったと思います。

「終わっていましたね、なんやこれ?って。別に怪我していたわけでもないし、それまでと練習を変えたわけでもないのに結果が出ないっていう」

――ではどのような変化があって結果が出るようになったのですか。

「う~ん…やっとこさ結果に出たなって感じですかね。さっきも言ったみたいにやっていることは変わらないんですよ、勝ってる時も負けてる時も。同じことをずっと同じようにやっているんで。多少なりとも技術の流行り廃りでやることは変わりますけど、それ以外でガラリと変えたことはないんです」

――結果が出なくなると練習方法やトレーナーを変える選手も多いですが、そういったことは考えなかったですか。

「トレーナー変えて強くなれるんやったら、とうに強くなっとるやろ、と(苦笑)。結局、勝つか負けるかは自分個人の問題やと思うんで。どうしようもないところで練習しているならまだしも、自分はデビューした頃からずっと一流の人に教わっているんですよ。稲垣(克臣)さんという一流の人の基礎を作ってもらって、長南亮という世界を知る選手に最後の部分を詰めてもらって、ニック氏にしごいてもらって。大阪にいる間も技術練習は続けているし、TKDの舘和男にも見てもらっていますから」

――第三者として見た感想ですが、個々の動きが上手くハマるようになったなとは思います。

「変に試合を楽しんでしまわないようにはなりましたね。『別に(勝ち負け)どっちでもええからやろうや!』みたいな気持ちだったものを、勝つために戦うようになったというか。やっぱり勝てなかった2年間は『勝つことがこんなに大変なんだ』というのを気づかされた時期だったんで」

――なるほど。今まではそこまで勝敗にこだわらず好きにやっても、それで結果が出ていたということですか。

「確かにそれはあったかもしれないです。常にいい結果じゃなかったし、特別にいい戦績でもないんですけど」

――前田選手の試合を見ていていると勝った試合でも負けた試合でも、そんなに動きが変わらないように見えるんですよね。

「そうそう。自分は動きの良い・悪いがないんですよ」

――だからこそ試合運びや組み立てが上手くなったことが勝利につながるようになったのかな、と。

「ああ…それはあると思います。だから勝てない時期を経験して、勝つことの大事さを知ったんでしょうね。自分も生徒を教えるようになって、その生徒が試合に勝てなかったりすると、何とも言えない気持ちになるんです。『勝たせてやりたかったなぁ』とか『なんで勝たせてやれなかったんやろ』って。その時にふと自分も試合に負けたら、稲垣さんや周りの人たちにこんな想いをさせてたんや…と思って。その時に試合は勝たないかん!と強く思いましたね」

<この項、続く>

■ VTJ07 対戦カード

<フライ級/5分3R>
菅原雅顕(日本)
清水清隆(日本)

<ライト級/5分3R>
中村大介(日本)
川名雄生(日本)

<フライ級/5分3R>
前田吉朗(日本)
征矢貴(日本)

<バンタム級/5分3R>
安藤達也(日本)
佐藤将光(日本)

<フライ級/5分3R>
中村優作(日本)
グォン・サンス(韓国)

<ライト級/5分3R>
福本よう一(日本)
星野大介(日本)

<バンタム級/5分2R>
竹中大地(日本)
ジョン・チョンイル(韓国)

<フェザー級/5分2R>
内藤太尊(日本)
ユン・ミンウク(韓国)

■VTJ NEXT

<フライ級/3分3R>
水野陵(日本)
田村淳(日本)

<女子アトム級/5分2R>
玉田育子(日本)
浅倉カンナ(日本)

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