【UFC188】テイクダウンは奪えずも、セフードがカムスを押し切り判定勝ち
<フライ級/5分3R>
ヘンリー・セフード(米国/8位)
Def.3-0:30-27, 30-27, 29-28
チコ・カムス(米国/13位)
アステカ王朝のルタドールのような装いでケージに表れた北京五輪フリースタイルレスリング米国代表のセフード。オッズは-1100。DJと堀口戦を上回る差がついた一戦、セフードのシングルをまずはスプロールしたカムスは右ストレートを伸ばす。セフードはクリンチからドライブし、細かいヒザ攻撃もカムスが突き返して距離を取り直す。右フックを被弾しそうになったセフードは、ワンツーを放ちダブルレッグへ。カムスはここでもケージを背にして耐える。
カムスをリリースしたセフードは左フックから右フック、カムスも左フックを返す。三度、ケージにカムスを押し込んだセフードだが、レッグリフトに失敗しテイクダウンを奪えない。カムスの左フックにセフードも左フックを打ち込みケージに押し込む。今度はブレイクが掛かり、残り45秒で仕掛けたダブルレッグもスプロールしたカムス。ならばとヒザを入れ、シングルからレッグリフト、左フックを入れたセフードは最後の最後で一瞬だけカムスに尻餅をつかせることに成功したが思うように攻めることはできなかった。
2R、左ミドルを入れたセフードが右ストレートを顔面に届かせる。続けて右を被弾するカムス。テイクダウン防御で削られてきたか。続くケージレスリングンでもテイクダウンを奪えなかったセフードは右フックを被弾する。打撃戦に応じるセフードに右から左を伸ばすカムスは、シングルをここでも切る。カムスは首相撲からヒザを狙い、セフードにテイクダウンを許さない。セフードの打撃は固く、パワーはあるもののスムーズなのはカムスの方だ。逆にシングルを仕掛け、その連係でパンチを見せたカムスは互角の戦いを繰り広げている。
最終回、セフードが左フックから右ストレートを放つ。左ジャブを返したカムスが右ストレートをヒットさせると、セフードも左を返す。続くテイクダウン狙いも切られたセフードは右フックを被弾。ここでカムスが左目を抑えてブレイクを要求する。アイポークでなく固めた拳が当たったようだが、試合は中断。再開後、セフードのボディロックを切ったカムス。セフードは前蹴りを入れるなど、手数は多い。ケージに詰めてエルボーを見せたセフードは組んでヒザ蹴りをボディに入れる。さらにショートの左を決めるなど、体力でカムスを押し始めたセフード。対して、カムスがボディロックでケージに五輪代表を押し込む。
アンクルピックを狙いつつ離れたカムス、セフードは逆にクリンチしてケージに押し返す。残り1分を切り、打撃戦に切り替えた両者。カムスの左フック、右ストレートが決まる。と、シングルから足を持ち上げたセフードに対し、カムスが引き込んでしまう。最後の最後に背中をマットにつけたカムス。クリーンテイクダウンこそなかったセフードだが、その圧力を物語るカムスの引き込みだった。
結果、判定をモノにしたセフード。体調不良を試合後のコメントで明らかに。いずれにせよフライ級タイトル挑戦への期待が高いが、MMAとしての完成度という部分で課題は残った。