【UFC156】最高峰は距離&角度=エドガー、高低差=アルドで決まる
【写真】 一昨年10月にケニー・フロリアンを相手に王座防衛を果たしたジョゼ・アルドと、グレイ・メイナードと戦いベルトを守ったフランク・エドガーが記者会見で同席したときの一枚。この横並びが、今週末には向かい合うことになる(C)MMAPLANET
2日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターでUFC156「Aldo vs Edgar」が開催される。メインは待ちに待ったメガファイト=UFC世界フェザー級選手権試合ジョゼ・アルド×フランク・エドガー戦だ。
WEC時代から数えてフェザー級最高峰の舞台で11連勝を飾り、通算王座防衛回数5度を数えるアルドは、防衛回数だけでなくその勝ち方で絶対的な存在感を見せつけてきた。やや苦戦したと思われたマーク・ホーミニック戦だが、ガードを強いられたことで、そのイメージが増幅したこと自体が、彼の強さを示している。
一方、エドガーはライト級で世界の頂点を究めている時代からフェザー級王者との夢の対戦が望まれてきた。ライト級王座を失い、再挑戦でもやや微妙な判定に泣いたエドガーにとって、望んだ形での挑戦ではないかもしれないが、この試合はカジュアルファンからコアファンまでこぞって楽しみにしてきた最高の顔合わせだ。
柔術黒帯でありながら重いローキックと、相手が出てくるところでカウンターで合わせるヒザやアッパーカットで、対戦相手を寄せつけないアルド。チャド・メンデス戦で見せたバックを取られた状態でクラッチを剥がし、そのまま蹴り上げてKOを奪うなど、理屈では分かっていても真似ができない超次元の動きを見せてきた。
エドガーはドミニク・クルーズとともに、ステップワークとサークリングでMMAに革命をもたらした。小刻みステップと、ピポットと呼ばれる後足の移動。互いの攻撃が当たるレンジから半歩さがったところから攻撃を仕掛け、打ち終わりには角度をつけてカウンターを受けない。パンチと思いきやテイクダウン、テイクダウンと思いきや重い拳を振るう。結果、対戦相手を混乱させ、疲弊させる――そんな異次元のMMAを現実のものとした。
今回の勝負、ステップやサークリングの軸となるエドガーの前足を、アルドのローが削ることができるかどうかが、最大の見どころだ。レスラー&ボクサーに重いローを蹴り、出足を止めてきたアルドだが、間合いを計ることに長けているだけでなく、一発を受けてもテイクダウンに持ち込む気持ちを持つエドガーが、どのような対処を見せるのか。アルドには意識を下にもっていっておいて、ハイキックを入れるという選択もあるだけに、両者の戦いは体力の限界に挑む一方で、互いが互いに精神戦を仕掛けるタフファイトでもある。
間合いと角度のエドガーに対し、アルドは上下の打ち分けで迎え撃つ。角度の修正には長けているアルドだが、あのベンソン・ヘンダーソンと互角にやりあうエドガーのような圧力を目の当たりにして、従来通りの動きができるのか。とにかく、1秒、0.5秒たりとも目の離せない最強・最高の勝負となる。
■UFC 156「Aldo vs. Edgar」対戦カード
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョゼ・アルド(ブラジル)
[挑戦者]フランク・エドガー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ラシャド・エヴァンス(米国)
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
アリスター・オーフレイム(米国)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジョン・フィッチ(米国)
デミアン・マイア(ブラジル)
<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
イアン・マッコール(米国)
<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
エヴァン・ダナム(米国)
<ウェルター級/5分3R>
タイロン・ウッドリー(米国)
ジェイ・ヒエロン(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・ヴォルクマン(米国)
ボビー・グリーン(米国)
<ライト級/5分3R>
イーブス・エドワーズ(米国)
アイザック・ヴァリフラッグ(米国)
<バンタム級/5分3R>
チコ・カムス(米国)
ダスティン・キムラ(米国)
<バンタム級/5分3R>
エドウィン・フィゲロア(米国)
フランシスコ・リベラ(米国)