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【UFC315】ラッシュを掛けたアルドがガス欠。ザハビが逆転勝ちし、敗者はグローブを置く「体が……」

<フェザー級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ジョゼ・アルド(ブラジル)

アルドが体重を落とせず、フェザー級で実施されることになった一戦。アルドをオクタゴン中心に右に回り続けるザハビ。追うアルドが左ジャブを伸ばす。小刻みなステップ、スイッチから一発を伸ばすザハビに対し、アルドがコンビネーションで圧をかけ右をヒットさせる。ワンツーのザハビだが、姿勢を乱す。アルドは右を入れ、左ミドルを捌く。アルドは左右のボディショットを放ち、ワンツーへ。ザハビは高いガードから、腹を守るようになり顔面にパンチを被弾する数が増えてくるのか。

攻撃を散らしているのはアルドで、ザハビは残り1分になって前に出るようになる。ジャブから右を伸ばしたザハビは、ケージを背負ったアルドのボディショット、ロー、さらにジャブを被弾する。この距離での殴り合いに応じたザハビは、ボディを殴られても右ストレートを返す。さらにパンチを重ねたアルドが初回を取ったが、ザハビはアルドの圧に立ち向かえるところを見せた。

2R、ザハビのジャブを前蹴りで迎え撃つアルド。右回りを続けるザハビは、正面に立ってジャブをダブルで伸ばす。アルドのリードフックは背中を見せるように距離を取ったザハビは、左ミドルを蹴ってジャブを届かせる。ジャブの差し合いに続き、スイッチしたザハビにアルドが左フック、そして左ボディを打っていく。ザハビは腹を殴られても前に出て、ジャブを伸ばす。アルドも右を入れてジャブへ。

このペースで削られるのは、強振しているアルドか。と、ザハビの蹴りがアルドの急所に当たり、試合が中断する。再開後、圧を強めるザハビは左ミドル、これも急所に入りアルドが不満を露わにする。手を合わせ、ハグをして詫びたザハビは再び右回りを始め、ローを蹴る。さらにジャブを当てたザハビは、アルドのステップインを左に動いて角度を変えてパンチを伸ばす。アルドは飛びヒザを見せたが、距離が合わずラウンドが流れはザハビに。

最終回、パンチの回転数が上がった両者が、激しくパンチを交換させる。ヒザを交えるアルドは、ジャブを伸ばす。ワンツーを入れたザハビ、アルドはここもヒザを返す。一旦間を外したアルドだが、詰めてたザハビは左フック、そして左ハイを繰り出す。直後にアルドの右がザハビを捉え、ヒザ蹴りでダウンを奪う。姿勢を崩したザハビに反則スレスレのサッカーボールキックを蹴ったアルドが、立ち上がったザハビにヒザの追い打ちをかける。

それでもザハビが姿勢を整えると、アルドの動きが一気に止まりヒザを連打される。大きく息をし、注意力が落ちたアルドに組んだザハビは、テイクダウンに行かず突き放す。アルドは、ダブルレッグに出るが、切られて引き込んでしまう。残り2分強、クローズドガードのアルドにザハビがエルボーを落とす。大歓声をバックに左右のエルボーを続けるザハビは、パンチに切り替える。必死にしがみつくアルドを突き放したザハビが再びヒジの連打へ。

目をも虚ろなアルドは、ザハビの頭を抱えるのみ。残り10秒、しがみつくアルドをスラムしたザハビはタイムアップと同時に、アルドの手を取って引き起こした。結果、ジャッジは3者とも29-28をつけ、ザハビが勝利。

GSP、兄フィラスと抱き合ったザハビは「素晴らしいよ。アルドは8ポンドオーバーでも試合に応じた。ピンチになっても、その状況を想定して練習してきた。耐えれば、数秒後にチャンスが訪れると。次はマルロン・チト・ヴェラと戦いたい。僕より上の選手と戦いたいんだ」と話した。

そして敗れたアルドは「ダナ、ショーン・シェルビー、ロレンツォ・ファティータ、感謝している。今週は本当にタフだった。体重を落とせなかった。体が言うことをいかない。もう、体を苦しめたくない。これが最後だ」とグローブを置いた。


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