【UFC307】ケージに押し込み続けたバウティスタが、TDは奪えず大ブーイングもアルドからスプリット勝利
<バンタム級/5分3R>
マリオ・バウティスタ(米国)
Def.29-28.29-28.28-29
ジョゼ・アルド(ブラジル)
バウティスタが右カーフを蹴る。さらに左のローとハイを狙う相手に、アルドが右ろーを蹴る。手数の多いバウティスタがワンツー、左インローからボディを殴って行く。バウティスタは右を見せて組みつくと、ケージにアルドを押し込む。このままケージ際の攻防が続き、その他の試合と同様に容赦ないブーイングが浴びせられる。バウティスタがヒザ、ボディを殴るアルドが回って離れる。アルドは右ローを蹴るが、右を被弾する。続く組みは即離れたアルドは右ハイをガードした直後に、組まれてケージに再度押し込まれる。
ここも回って距離を取り直したアルドが、パンチで前に出るように。スイッチしたバウティスタは、オーソに戻してローから右ストレートを当てる。アルドが右フックを返す。バウティスタは左ミドル、スピードと手数で上回っている。それでアルドがワンツーで、右ストレートを打ち込む。ハイをスウェイでかわしたアルドに大きな歓声が起こり、初回が終わった。
2R、右のヒザを狙ったアルド。バウティスタはテイクダウンのフェイクから左を当てる。アルドはスピードのあるジャブを当て、組み狙いにヒザを突き刺す。取られた足を抜くと、リードフックからガードを固めて左のヒザ、ジャブを伸ばす。そして前に出てワンツーのアルドに対し、流血のバウティスタは素早いコンビから組みつく選択をする。肩パンチのバウティスタは、シングルを狙うがテイクダウンを奪えない。結果離れたアルドが、カウンターのヒザからワンツーを放つ。
バウティスタはジャブ、アルドもジャブを返すとバウティスタはここも組んでケージへ。残り1分からのケージ際での攻防は、35秒続いた。打撃の間合いに戻り、跳びヒザを見せたバウティスタはすぐにテイクダウンを狙い、時間となった。
最終回、直ぐにワンツーを仕掛けたアルド。届かなったが、ジャブの差し合いで、右フックを振るう。動き続けるバウティスタが、そこには強振がないという一面が隠れている。逆にアルドは、疲れつつも倒すパンチの機会を伺っている。と、バウティスタは左を見せてシングル。7度目のテイクダウン狙いも、クリンチ戦となって時間を使う。右腕を差し上げ、ヒザ立ちに持ちこもうというバウティスタ。アルドはそれ以上は許さず、立ち上がる。
押し込み続けるバウティスタはブレイクを命じられるが、やるべきことはやっているという見方も成り立つ。リスタート後にダイレクトにダブルレッグで組みつたバウティスタに、大きなブーイングが送られる。ブーイングもどこ吹く風のバウティスタから離れたアルドが、前に出てパンチを振るう。それでも徹底して組んでいくバウティスタは、最後の10秒で離れた跳びヒザも空を切る。そのまま手は出しても、クリーンヒットが無かった両者──試合はタイムアップとなり、バウティスタがスプリット判定勝ちを手にし──地鳴りのようなブーイングを浴びる。
「たくさん動いて、アクティブでい続けること。ただケージ際の攻防が続いたのは、僕の責任だ。ただし、彼が何もできなかったのも事実。押し込み続けたのは作戦、僕はここに勝ちに来たんだ」という勝者に、ブーイングが止むことはなかった。