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【UFN61】注目のライト級戦はバルボーサの右ロー×ジョンソンの左ストレート。

Johnson vs Barboza【写真】まずはジョンソンの右ジャブ&左ストレート×バルボーサの右ロー&右ミドルという攻防と距離を注目したい(C)MMAPLANET

22日(日・現地時間)、ブラジルのリオグランデドスル州ポルトアレグレのジナーシオ・ジガンチーニョにて、UFC Fight Night 61「Bigfoot vs Mir」が開催される。メインイベントは大会名にあるようアントニオ・ペイザォン・シウバ×フランク・ミアの一戦だが、ここではライト級の一戦に注目したい。

オクタゴン11戦9勝2敗という高い勝率を誇り、6試合でフィニッシュに結び付けているエジソン・バルボーサと、同じUFC11戦で7勝4敗のマイケル・ジョンソン。バルボーサが現在2連勝中で、ジョンソンは3連勝中という勢いのあるファイター同士の対戦となる。バルボーサのローキックの強さは、MMAファンの間には知れ渡っている。以前はガードも高く、アップライト、完全なキックボクシングのような構えで、そのローから上へのコンビネーションで勝利を挙げてきたが、やはりMMAグローブの戦いは怖い。

いくら攻勢を握っていても、一発パンチを被弾しただけで形勢が逆転というケースがボクシンググローブを付けた戦いよりもMMAは多い。バルボーサもジェイミー・ヴァーナー戦で、そんな逆転負けを喫し、純キックボクシングスタイルと決別することとなった。もともとローキック対策でキャンプに呼ばれたフランキー・エドガー陣営=ヒカルド・アルメイダ&マーク・ヘンリーの下で試合前のトレーニングを積むようになり、ステップワークに磨きを掛けたバルボーサ。

相手のパンチを受けない位置で攻撃を仕掛け、すぐに距離を取り直す。そんな戦い方が板についてきたと思った矢先、一瞬、間を空けてしまい(※本人は目を閉じてしまったと弁解)ドナルド・セラーニに痛い、敗北を献上した。それでも、攻撃の的をしぼらせずに戦えるようになったバルボーサだけに、その攻撃力を増している。

そんなバルボーサに対し、ジョンソンは今や最も注目されるサウスポー・ファイターだ。長いリーチを生かし、右ジャブを振るう時に頭を同様に少し右へ傾ける。対戦相手がその右の拳と頭の移動に気を取られると、正中線上に持ってきた左ストレートで顔面を撃ち抜くという必殺のKOパターンを持つ。ジャブに威力があるため、どうしてもその処理に躍起になっていると左のパンチを見落とすという塩梅だ。しかも、敢えて大振りの左フックを見せることで、直線的でスピーディーな左ストレートへの意識を決定的に散らすことにも成功している。

ジョンソンは右手で相手の左ジャブを止めるスラッピングに長けており、そこで間合いをはかり、下がりながら強打を打ち込むことも大きな特徴といえるだろう。ただし、バルボーサは左ジャブではなく、ローで距離を測るタイプの選手。その突き出された右足を削られると、右ジャブの威力も半減し、下手な中間距離は強烈な右ミドルの餌食になる距離ともいえる。

同時にジョンソンがローにカウンターのパンチを入れるとなると、またバルボーサも試合の組み立てが狂ってしまう。序盤からバチバチの打ち合いになることは、考えられにくいが、そのステップとどこに焦点を置いて攻め、守るのかという攻防が非常に楽しみなMMAストライキング対決になる──だけでなく、ジョンソンには抜群のテイクダウン能力の持ち主、そのため接近戦、スクランブル、離れ際という近距離の打撃も、何が飛び出すのか分からない。非常に楽しみな一戦だ。

■ UFN61対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/8位)
フランク・ミア(米国/13位)

<ライト級/5分3R>
エジソン・バルボーサ(ブラジル/6位)
マイケル・ジョンソン(米国/12位)

<ミドル級/5分3R>
セザール・フェレイラ(ブラジル)
サム・アルヴィー(米国)

<ライト級/5分3R>
ルスタン・ハビロフ(ロシア/14位)
アドリアーノ・マルティンス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
フランキー・サエンツ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)
ショーン・ストリックランド(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル/10位)
マリオン・ルノー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィリアム・パトリーノ(ブラジル)
マット・ドワイヤー(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
チアゴ・トラトール(ブラジル)
マイケル・デラトーレ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴェンデウ・オリヴェイラ(ブラジル)
TJ・ウォルドバーガー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ドゥグラス・シウバ・ジ・アンドレージ(ブラジル)
コディ・ギブソン(米国)

<ライト級/5分3R>
イヴァン・バッチマン(ブラジル)
ジョシュ・ショックリー(米国)

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