【UFC186】世界王座挑戦、堀口恭司「眠気に支配されていて『決まったんだぁ』みたいな感じで(笑)」
【写真】世界タイトル挑戦が決まっても、気負うところは微塵も感じられない自然体の堀口恭司(C)MMAPLANET
4月25日(土・現地時間)、カナダ・モントリオールのベルセンターで開催されるUFC186「DILLASHAW vs BARAO 2」で、堀口恭司がデメトリウス・ジョンソンの持つUFC世界フライ級王座に挑戦することが決まった。
1月3日のルイス・ゴーディノー戦の時点で、周囲の雰囲気から『UFCは自分にチャンピオンシップを戦わせたいんだな』と感じ取っていたという堀口。常に自然体の彼に、この時点での世界挑戦と、王者デメトリウス・ジョンソンについて尋ねた。
──急遽、正式発表という形で我々の耳にUFC世界フライ級王座挑戦という話が入ってきました。1月3日のルイス・ゴーディノー戦に勝った後には、そのような空気は堀口選手の周囲では感じられていたのですか。
「凄くありましたね。やっぱり、UFCの人とかも『チャンピオンとどう?』っていう、そんな感じだったので。そろそろ、UFC側はチャンピオンシップを戦わせたいんだなっていう風には感じられました。まぁ、そうなればそうで良いやって(笑)。周りは煽っていましたね。上位ランカーがほとんど、デメトリウス・ジョンソンに負けているので、それも関係していたと思います」
──そのなかで1月31日にジョン・リネケル×イアン・マッコールが行われ、リネケルが勝利しましたが、体重オーバーでした。あの計量の時に、『ひょっとして』というのは、自分たちもありました。
「僕自身は体重オーバーがあった時は特に何も思わなかったです。それがなくても、『来るな』っていう感じがしていたので」
──正直、ルイス・ゴーディノー戦がKO勝ちなら、UFCも一気にコトを進めたのでしょうが、内容的にもリネケル×マッコール待ちかという風にも思いました。
「あの試合はハッキリ言って、僕の圧勝でした。もう少し攻めるとKOできたと思います。ただ、勝ちにこだわっていたので。しっかりと勝とうと思い、そのための試合をしたので自分のなかでは内要も納得しています」
──ゴーディノーはインファイトに持ち込まないと勝ち目が薄いのに、そのインファイトができなかったです。
「最初の方はガンガンと前に出てきていたんです。自分はサークリングをして回って。そうしたら、もう前に出ても当たらないと思ったんでしょうね。攻めてこなくなりました。こっちの戦略がはまって良かったです」
──あの試合は倒すより、確実に当てる打撃を駆使しているようにも見えました。まさにポイント打撃をMMAで使いこなしているように。
「そうですね。チャンスがあれば倒しに行きましたけど、ホントに勝ちにこだわっていたので。ああいう試合もできるんだっていうところを見せたかったこともあるし、ああいう風に戦いました」
──タイトル戦線を戦い抜くという点で、どのような考えの下で確実な勝利を選択したのですか。
「あの試合に勝てばランキングが上がり、絶対にタイトルに近づくじゃないですか? だから、そこは外せないと思ったので、しっかり勝とうという気持ちでしたね」
──つまり、あと1試合はタイトル挑戦まで挟むという気持ちではあったのですね。
「まぁ、正直をいうと2つ置きたかったです。上位ランカーって、どんな感じなのか感触を掴みたかったですし。でも、いきなりタイトルになってしまったので、まぁそれはしょうがないので」
──その2試合挟みたいという考えもタイトル挑戦が前提にあり、2つ勝つという意味ですよね? やはり堀口選手の自信を感じます。ジョン・ドッドソン、あるにはジョゼフ・ベナビデスでも関係ないということじゃないですか。
「そこに勝てば、絶対にタイトル挑戦できますしね」
──勝算があった?
「まぁ、勝てるなって。アハハハハハハ」
──失礼な言い方になってしまいますが、ベナビデスでもそう思っていた?
「強いとは思いますよ。でも、まぁ勝てるなっていう目線でいました」
──なるほど、自分は現時点でも堀口選手を過小評価しているのですね。
「いやぁ、どうですかね(笑)。それは分からないですよ」
──マッコールぐらいに勝って、ベナビを避けて王座挑戦できればベストだと考えていました。
「あぁ、自分は別にそんな風には思っていなかったです」
──その頃から敏腕マネージャーと、タイトル戦線への駒の進め方など話し合っていたのでしょうか。
「敏腕マネージャーとはそこまで深い話はしていなかったです。『タイトル来るかもよ』って感じで。僕の方は『来たら、来たで良いッスよ』と」
──石井マネージャーは、色々と情勢を考慮し選手とコンタクトを蜜に取っているイメージがあります。
「自分の場合は、普段から何でも良いっていう感じなので(笑)」
──実際に世界挑戦の話が届いたのは、いつごろだったのですか。
「いつでしたっけね? 2月の最初……4日とかだったと思います」
──さすがに連絡が入ったときは、興奮しませんでしたか。
「起きてLINEを見たら、『大至急、連絡ください。重大な話があります』という連絡で」
──『来たっ!!』とはならなかったと?
「多分、そうなんだろうなと(笑)。で、電話したら『決まったよ』って言われて、『ありがとうござます』と」
──そんな抑揚のない感じだったのですか。
「いや、もう眠かったし……。米国とは時差があるから、いつも連絡が朝早くて。大切な連絡──、UFCに出るのが決まった時もそうですし、今回もそうなので、何かパッとしない感じで。半分、眠気に支配されていて『決まったんだぁ』みたいな感じで(笑)。さすがに石井さんは興奮していましたけどね」